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年金受給を65歳から62歳に前倒ししたら、受給額はいくら減る?

mymo

日本では国民皆年金として、自営業者や無業者も含め、基本的に20歳以上60歳未満のすべての人が公的年金制度の対象になり、基本的に65歳から年金を受給することができます。そうはいっても若年層にとっては「年金の保険料を納めているけど、よくわからない」「自分が65歳になっても、きっと今のような額は支給されないだろう」というイメージが強いと思います。今回は65歳から受給開始する年金を、62歳から受け取る方法や手続きについてお伝えします。

年金の種類は国民年金と厚生年金の2つ

さて、一口に年金といいますが、実はいくつかの制度があります。

1. 20歳以上のすべての人を対象とする国民年金
2. 会社員が加入する厚生年金

国民年金は毎月定額の年金保険料を納めます。会社員や公務員で厚生年金や共済年金に加入している人は、毎月定率の保険料を会社と折半で負担し、保険料は毎月の給料から天引きされています。専業主婦など扶養されている人は、厚生年金制度などで保険料を負担しているため、個人としては保険料を負担する必要はありません。

また、年金は受給理由により3種類に分かれています。

1.老齢年金

原則として65歳から受け取ることができる年金です。年金と聞いて想像するのは、この老齢年金が多いと思います。

2.障害年金

病気やケガなどで生活や仕事が制限されるようになった場合に、仕事をしている現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

3.遺族年金

国民年金または厚生年金の被保険者または被保険者であった方が、亡くなった際に、その方によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができる年金です。

給与明細で年金をいくら納めているかについては知っていても、年金がどんなときに受給できるかは、案外知らない人も多いと思います。

年金って65歳前からもらえるの?

【画像出典元】「iStock.com/fizkes」 

老齢・障害・遺族、3種類の年金のなかで、一般的に話題になるのが老齢年金です。筆者が年金に関して相談を受ける際も、老齢年金が一番話題になります。

老齢年金は基本的に20歳から60歳まで年金保険料を納め、65歳から受給開始になりますが、実は早めに受け取りを始めることができます。

62歳から年金をもらうと受給額が少なくなる?いくらぐらいになる?

老齢年金は原則、65歳から受け取れますが、早く年金を受け取りたい人は最大60歳まで1カ月単位で繰り上げて受け取りを始めることができます。逆に遅らせてもいい人は66歳以降、最大70歳まで1カ月単位で繰り下げることができます。

繰り上げる場合は早くもらう分、1カ月あたり0.5%の減額になり、一番早い60歳0カ月まで繰り上げると30%減額した金額を受け取ることになります。なお、繰り上げの請求をした後に取り消しや修正はできず、一度決まった減額率による年金が生涯続きます。
 

 (生命保険文化センター作成)

上記の表から見てみると62歳0カ月で受給を開始すると、18%削減された金額を受給することになります。例えば、65歳から年額72万円(月額6万円)の老齢基礎年金を受け取れる人が62歳0カ月で受け取りをスタートすると、減額率は18%(受け取りは82%)となり、年金は59万円(月額4.9万円)となります。結構な金額の差がありますね。
※60歳の誕生月(誕生日が1日の人は前月)に手続きをすると、「60歳0カ月」の繰り上げとなります。

一方、繰り下げる場合は遅くもらう分、1カ月につき0.7%増額(70歳0カ月まで繰り下げると42%増額)になります。

 

年金を請求するタイミングはいつがいい?

【画像出典元】「iStock.com/jacoblund」 

年金を繰り上げるか繰り下げるか、65歳から受け取るかなど、受け取り開始のタイミングをいつにするかは悩ましいところです。ちなみに平成29年に厚生労働省が調査したところ、繰り上げ受給を選択しているのは全体で13%程度です。また繰り下げを選んでいる方は少なく、65歳で受け取りを始めている方が大多数で85%を超えています。現在の雇用制度が再雇用を含め65歳を目安にしているので、この歳から年金を受け取ろうという人が多いようです。

「人間、いつ天国に行くかわからないから早く受け取る」「長生き家系だから繰り下げして多く受け取る」など、どちらを選ぶかは個人の価値観によります。ただし平均寿命は延びて雇用形態も変わってきていますが、いずれにしても現在20~30代の方は公的年金以外の自己資金での準備が必要になってきています。

年金をもらうまでの手続きは?自動的には始まらない

年金は、受給する資格を得たときに自動的に支給が始まるものではありません。自分で年金を受けるための手続き(年金請求)を行う必要があります。

・年金事務所に備え付けの年金請求書
・住民票など
・本人名義の通帳
・印鑑

上記のものを準備して年金事務所で手続きが必要です。

年金以外の準備も始めておこう

少子高齢化が進み、年金を取り巻く状況はさらに厳しくなっていきます。老後2000万円問題など世間にショックを与えたニュースもありました。年金だけで生活をすることは難しいためiDeCo(イデコ)やNISAなどを活用し、自分で準備を始めることが必要不可欠になってきました。
年金の受給を65歳よりも繰り上げ・繰り下げるかは非常に複雑な仕組みになっています。不明な点があれば近隣の年金事務所で確認ができますのでぜひ活用してください。

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