屋上に“謎数字”県庁舎や高校 一体、何のため? YOUが調査 伊賀
三重県伊賀庁舎(伊賀市四十九町)の屋上に、「0‐9」と黄色で書かれた“謎の数字”がある。一部の県立高校の校舎の屋上にも、同様の数字が存在する。一体、何のために書かれたものなのか。
1つの字の大きさは約7メートルで、県立上野高(上野丸之内)には「0‐55」、伊賀白鳳高(緑ケ丘西町)には「0‐57」、あけぼの学園高(川東)には「0‐85」、名張高(名張市東町)には「0‐64」とある。
名張高の屋上に5月上旬、生徒会のメンバーらとYOU記者が試しに上がってみたところ、黄色い数字は経年劣化でかなり傷んでいた。生徒会長で3年の辻幸成さん(17)は「授業で1度屋上に来たことがあったが、数字には気付かなかった。何で64なのか、1はどこなのか気になる」と話した。
県伊賀地域防災総合事務所によると、これらの数字は「公共建物識別番号」と呼ばれている。地震や風水害などの災害時に、応急対策の拠点となる庁舎や学校などの建物の屋上に書かれている。
災害時に駆け付けた防災ヘリコプターのパイロットが施設を識別しやすくするためのもので、県内で2003年ごろから標示が進んだという。県地域防災計画の資料によると、識別番号は県内222か所に割り振られている。辻さんが指摘した「0‐1」は県桑名庁舎(桑名市)で、県庁(津市)が「0‐0」となっている。
必要性は低下
現在は、GPS(全地球測位システム)の発達でヘリが正確な位置を把握できるようになったため、識別番号の必要性は低下しているという。県の担当者は「今後新たに標示が増えることはなく、今ある文字が消えても修繕することはない」と話した。