札幌でも小学校が統合…6か所で再編計画も「効率的なまちづくり」を見据えた動きとは
北海道札幌市の豊平区にある2つの小学校が新たに統合されます。
子どもの数が急速に減り続けるなか、札幌市の街づくりも転換点を迎えています。
札幌市で小学校の再編が決定
6月9日、札幌市の教育長に手渡された意見書。
札幌市豊平区内にある2つの小学校を統合するという内容です。
1955年に開校した旭小学校と、1881年に開校した豊平小学校。
新しい校舎は豊平小の敷地に建てられます。
2つの小学校があるのは札幌の中心部から車でおよそ10分の「豊平地区」。
統合の背景にあるのは、2つの校舎の老朽化と旭小学校の児童数の減少です。
旭小学校は、元々1955年に豊平小学校を分割する形で開校しましたが、1957年の1332人をピークに児童数は減少の一途で、今は、208人にまで減っています。
指針では、小学校のクラスが12学級未満になると見込まれると統廃合の検討対象となりますが、旭小学校は、この10年間、目安を下回り続けています。
4年前から地元で2つの小学校の再編に向けた協議を重ねた結果、2025年3月の統合で合意しました。
豊平地区学校配置検討委員会の中川昭一代表委員は「一番大変だったのは、合併するならどちらかの学校がなくなるということだった」と話します。
「豊平小に吸収されるんじゃないかっていう噂がたっていて…。決してそうではなくて一緒になって、新しいものを作るんだよということを話ながら進めた」
統合した小学校には新しい名前がつけられる方針です。
校舎の建設開始の時期はまだ未定ですが、完成には6、7年かかりそうです。
気になるのは統合で広がる児童の通学範囲です。## 小学校の再編は「マチの再編」
新たな通学区は旭小学校の通学区を含む範囲になります。
旭小学校の学区の一番端から、新しい小学校が建てられる豊平小学校まで歩いてみると…
車通りが多く自転車の往来もある大通りの道も。
小さな子どもが歩くには注意が必要かもしれません。
そうして豊平小学校に到着するのにかかった時間は大人の足で、約30分。
小学生、特に低学年には大変な距離になりそうです。
札幌市は新校舎の建設に伴い、隣接する豊平まちづくりセンター・地区会館や児童会館も再編する計画です。
狙いは人口減少を見据えた「効率的なまちづくり」です。
今、札幌では豊平区、東区、南区の6つの場所で小学校の再編計画が進められています。
札幌市教育委員会・学校配置マネジメント担当課長の日比野篤さんは「学校にまちづくりセンターや地域の人が集まる場所も一緒にしますし、学校を通じて、地域の皆さんが集まってくれるような場所が増えていければいいなと思っています」と話します。
地域にとって最も身近な公共施設の「小学校」。
その姿が変わることは、マチの形も変わることを意味しています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年6月9日)の情報に基づきます。