パ・リーグ球団別週間MVP 西武・西川愛也、ソフトバンク野村勇ら苦労人が快打連発
14安打、wRAA5.1の西川愛也
プロ野球パ・リーグは、ゴールデンウィーク中に唯一の9連戦となったソフトバンクが5勝4敗と勝ち越して5位に浮上。代わりに、期間中6連敗を喫するなど元気のなかったロッテが最下位へ転落した。首位オリックスから6位ロッテまで、各チームが1ゲーム差ずつの等間隔に並んでいる。
SPAIAでは4月29日から5月7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
リーグトップとなるwRAA5.1をマークしたのは西武の西川愛也。期間中8試合で複数安打5回、そのうち猛打賞2回を記録するなど32打数14安打の打率.438と打ちまくった。開幕からここまでリーグ3位の打率.294、37安打をマークし、トップバッターに定着しつつある。
過去にはNPB野手ワーストとなる62打席無安打の「生みの苦しみ」を味わったが、今季は開幕からスタメン出場を続け、打線に欠かせない存在に。新生ライオンズの切り込み隊長が苦節8年目にして、いよいよ開花の時を迎えている。
オリックス廣岡大志と日本ハム野村佑希も好調キープ
最下位を脱出したソフトバンクは、野村勇がチームトップのwRAA4.4をマーク。6日の西武戦で自身初となる1試合4安打を記録するなど7試合にスタメン出場し、26打数10安打の打率.385と快音を響かせた。昨季はケガの影響で不振に苦しんだ28歳。ベテラン今宮健太の離脱によって巡ってきたチャンスで持ち味の強打を生かし、レギュラー奪取に燃える。
4勝2敗1分けで首位キープのオリックスでは、廣岡大志がwRAA4.0でチームトップだった。3度のマルチ安打含め、期間中出場した全6試合で安打を放ち、22打数9安打の打率.409、1本塁打、3打点をマーク。3球団を渡り歩いて迎えたプロ10年目の今季は、持ち前のパンチ力ある打撃でレギュラー争いに食い込んでいる。
5勝2敗1分けで2位に浮上した日本ハムは、4番の野村佑希がチームトップのwRAA4.0を記録した。全8試合に出場し、32打数11安打の打率.344、1本塁打をマーク。6日のオリックスとの首位攻防戦では今季3度目の猛打賞を記録するなど、好調な打線の屋台骨となっている。
ロッテ・髙部瑛斗、楽天・阿部寿樹も躍動
2年ぶりの単独最下位に沈むロッテでは、髙部瑛斗が19打数9安打の打率.474、wRAA2.7と気を吐いた。4月は打率2割ちょうどと不振に苦しんだが、月替わりとともに見事に復調。昨季も5月の一軍昇格とともに打ちまくった「5月男」が上昇ムードだ。
2勝5敗で借金生活に突入した4位・楽天では、ベテラン35歳の阿部寿樹が元気だ。4日のオリックス戦で今季3号を含む3打数3安打で今季初の猛打賞を記録し、チームの大勝に貢献。ここまで4番として12試合に出場するなど、若手が多い打線の中でしっかりと存在感を示している。
今週はケガや不振に苦しんだ経験を持つ苦労人たちが週間MVPに名を連ねた。各チーム30試合前後を消化したばかりで、まだまだシーズンは序盤戦。名実ともにレギュラーとなるためにも、さらなるアピールを続けていきたいところだ。
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記事:SPAIA編集部