バルセロナの観光税が増額、2024年に入って2回目
スペインは今後15年以内に、フランスを抜いて世界で最も観光客の多い旅行先になるといわれている。しかし、地元の人々はこのニュースを素直に受け入れてはいない。
スペインで最も人気のある都市の一つであるバルセロナは、オーバーツーリズムを抑制するため、民泊の全面禁止などすでに一連の措置を発表しているが、それだけでは収まらないようだ。
つい最近の2024年4月1日に、2.75ユーロから3.25ユーロ(約478円から565円)になった観光税について、同市では早くも再値上げを実施。10月には、4ユーロ(約695円)に引き上げられる予定だという。
では、バルセロナの観光税はどんな税で、いつ支払う必要があるのだろうか。まず知っておかなければならないのは、同地を訪れる際に支払う必要がある税金は、厳密には2つあるということだ。
まずは、地方観光税。滞在する宿泊施設のタイプに応じて請求される。高級ホテルに宿泊する場合、1泊当たり3.50ユーロ(約608円)の追加料金がかかるが、Airbnbに宿泊する場合は、2.25ユーロ(391円)で済む(ただし、2028年で民泊は禁止となる)。
もう一つは、市に払う観光税だ。これがが10月の値上げの対象になる税であり、バルセロナ市内に宿泊する場合は7泊まで一律料金で課される。
例えば、五つ星ホテルに7泊する場合、地方税が1泊につき3.50ユーロ(約608円)、市税が1泊につき4ユーロ(約695円)で、合計52.50ユーロ(約9122円)を支払うことになるというわけだ。
市の観光税アップ決定は、市議会による投票で下された。当局は、この税金が現在年間約3200万人である観光客数の多さよりも、「質の高さ」のアップにつながることを期待している。
もう一つのプラス面として、市のキャッシュが増えることが挙げられる。市の観光税の引き上げにより、年間収入は9500万ユーロから1億1500万ユーロ(約165億1600万円から199億9305万円)になると試算されていて、その収入は市のインフラ整備に充てられる予定だ。
今回の措置はかなりスピーディーな引き上げに聞こえるかもしれない(実際、バルセロナの税金はヨーロッパで最も急速に上昇している)。しかし、 市当局は2022年に、次の2年間で引き上げる予定だと警告していた。