<カミングアウト、正しい反応>ひさびさの再会!不妊治療の話に困惑⇒トラブル発展?【まんが】
とても仲のよかった相手なのに、時間が経ったことで以前のようには付き合えなくなってしまった、なんていうのはよくある話ですよね。しかし実際に自分の身に降りかかるとなると、とても切ないことでしょう。できれば起こってほしくないところですよね。しかし私は、先日そんな経験をしてしまいました。学生時代に仲が良かったミヤ。大人になってもずっと変わらない関係で……と思っていたのに、いつのまにか私たちのあいだにはズレができていたようです。こんなとき、みなさんならどうしますか?
選択子なし家庭なのかもしれないし、欲しいけどまだ授からないってこともあるだろうし……いずれにしても、久しぶりに会えるんだし、学生時代の話で盛り上がれたらいいな!
もう何年も会っていませんでしたが、会えばすぐに学生時代の関係に戻れる私たち。ミヤと私は学生時代のいろいろな話に花を咲かせました。
あらかた話した後、ミヤが唐突に私に質問をしてきました。真剣な表情で、思わずたじろぎます。
私はミヤから子どもの話を振ってきたことに少し驚きました。気を遣って子どもの話題にふれてくれたのかな? 当たり障りないことを言ってその場をやり過ごそうとする私。
するとミヤは、「いいな……私いま不妊治療中なんだ」と呟きました。突然の告白に驚く私。ミヤが不妊治療をしているなんてまったく知りませんでした。
久しぶりに会った学生時代の友だち・ミヤ。 最後に会ってから何年も経っていましたが、会えばまた以前のように楽しく話せると思っていました。 しかしいざ実際に会ってみると、ミヤは不妊治療で悩んでいる話を始めます。まわりに不妊治療の経験がある人がいなかった私は、なんと言ったらいいのかわからなくなってしまいました。 悩んだあげく、私は話を逸らすようなことを言ってしまいました。これがミヤとのトラブルの発端になってしまうとは、思いもよりませんでした。
「残念なキモチ」「悲しかった!」消されたメッセージ
ミヤからの連絡が「今日はありがとう」といった内容だと思いこんでいた私。軽い気持ちでLINEを開くと、そこには思わぬ文章が並んでいました。
私はLINEを見ながら呆然としてしまいました。どうやら私は知らず知らずのうちにミヤを傷つけてしまっていたようです。まったく自覚していなかったので戸惑います。
私は不妊治療の話をされたとき以上に悩みます。私にとってミヤは、特別な思い出のあるとても大切な友だちです。こんなデリケートな話、もし浅はかな気持ちで返事をしたら、より深く傷つけてしまうかもしれません。
家事がひと段落したので、ゆっくり考えて返信しようとスマホを開いてみると……なんとミヤからのメッセージは取り消されていて、あらたにお茶のお誘いの言葉に変わっていたのです。
ミヤから届いた思いがけないLINE。 「不妊治療の話をはぐらかされて嫌な気持ちになった」と言われ、困惑してしまいました。 というのも、私としては悪意をもって話をそらしたつもりはなく、的確なアドバイスができないなかで頑張った苦肉の策。むしろ残念な思いをさせたくなかったからしたことで、そっけなくしたつもりはまったくありませんでした。 しかし返事をしようとしたときにはメッセージが取り消されていて、代わりにお誘いの連絡が。 とりあえずそのメッセージに返事をして、直接謝るためにも近々また会うことにしました。
【ミヤの気持ち】「大丈夫!」って励ましてくれないの?
私はミヤ。30代半ばで、数年前から不妊治療をしています。ここ数年は、身体的にも精神的にも、そして経済的にもなかなか大変な日々を過ごしています。必ずしも終わりが見えるというわけではなく、最終的に報われるかどうかすらまったくわからないのがこの治療のつらいところ。治療に関して夫と意見があうばかりでもありませんし、そのたびに話し合いをしなければならないのもしんどいです。そんなときふと学生時代の楽しかった記憶を思い出して、私は久しぶりに当時の友だち・アスカに会うことにしました。
アスカは話しながらテーブルにスマホを置きました。待ち受け画面は、娘さんでした。
しばらくは他愛もない話をして盛り上がったものの、やはりあの待ち受けが気になり、どうしてもアスカを羨む気持ちを消し去れません。それにアスカもあえて子どもの話を避けている様子で……私は思い切って、自分がいま不妊治療をしていることを話しました。
それなのにアスカはポカンとするばかり。そして、「そうなんだ」「そっか」と気のない返事をくりかえします。もっと寄り添う言葉をかけてほしかったのに、まったく思ったとおりの返事をくれません。挙句の果てには、「そういえばさ……」と話をそらしはじめます。そんな姿に私はガッカリしてしまいました。
数年ぶりに会った友だちのアスカ。 アスカはあまり子どものことを話さないようにしてくれていましたが、スマホの待ち受けを子どもにしていたので、ママになっていたようでした。 それを見て何故か私は、「順風満帆なアスカに、不妊治療している私のつらさを聞いてもらいたい」と思ってしまいました。 そうしたら「大変だよね」と受け入れてもらえることを期待していたのかもしれません。 それなのに理解が得られず、腹を立てた私は失礼なことをしてしまいました。 最近こそ会っていなかったものの、アスカは大切な友だち。 もう一度会えるチャンスが巡ってきたので、ちゃんと謝ろうと思います。
【私の気持ち】大切な友だちとスレ違い!正直な気持ちで解消できる?
学生時代の友だち・ミヤに声をかけてもらって、私たちは数年ぶりの再会を果たしました。楽しい時間を過ごせると思っていたのですが、ミヤの口からでてきたのは不妊治療の悩みの数々。知識のあまりなかった私は的確なアドバイスができないと判断し、咄嗟に話をそらしてしまいました。しかし帰宅後に、「話をちゃんと聞いてもらえなくて悲しかった」とメッセージが……。どう返事したらいいものかと考えていたら、そのメッセージは消されてカフェへのお誘いに。私たちはまた会うことになりました。
「誤解されたらイヤだから言わせてもらうとね……私、すごく悩んでいるのがわかったから、無神経な返事をしちゃいけないって思ったの」私は正直に、自分の気持ちをミヤに伝えました。
「あのときは自分の目線でしか考えられなかったけれど、アスカの立場なら私もそうしてたなって後から気付いた……ごめん」とミヤも自分の思いを話してくれました。
私には、いままでまわりに不妊治療を経験した人がいなかったし、私自身も詳しくない。いい話もできなければアドバイスもできない。それに、気のきいた言葉も言えないと思う。だけど……「それでもよかったら、私にも不妊治療の話、聞かせて?」私は勇気をだしてミヤにそう言いました。
不妊治療を乗り越えて、ついにお腹に赤ちゃんを授かったミヤ。ミヤの子どもが生まれてくるのがとても楽しみです。 あのときミヤから来たメッセージに、感情的に返さなくてよかった。ミヤもメッセージを送り直してくれてよかったし、思っていることを伝えてくれてよかったです。 少しずつお互いの行動が違っていたら。いま、こんなふうにやりとりをする友人関係ではいられなかったかもしれません。 それに、子どもが生まれたら、私たち2人の関係性もまた少し変わっていくのでしょう。 しかしこれからもずっと、互いを想いあえる仲の良い友だちでいたいと思っています。