白銀技研、空飛ぶクルマ「Beedol」の初フライトに成功
岐阜県飛騨市で白銀技研が開発を進めてきた、人が乗れるドローン「Beedol」(以下、ビードル)が6月12日、70kgのダミー人形を搭載して計4分15秒間の初フライトに成功したと発表
初フライトは福島ロボットテストフィールドの緩衝ネット付き飛行場で実施した。
白銀技研はトラックボール付き自作キーボード「Keyballシリーズ」というニッチ商品の開発・製造を会社だ。プログラマーやブロガーなどパソコンのヘビーユーザーに好評を得てきたが、2022年から新規ビジネスとして空飛ぶクルマの設計も開始。
まずは4分の1サイズのテスト機を製作し試験飛行とソフトウェア開発を進めてきたという。2024年に入り全長と全幅が約3.6mの人が乗れる実機を完成。ダミー人形を搭載しての初フライトに至った。チャンスがあれば大阪万博への出展も検討したいとしている。
白銀技研が完成させたBeedolは1人乗りで、斜め45度に傾いた2枚の主翼を備えている。垂直離着陸やホバリングは主に8つのプロペラで行われるが、高速飛行に移ると主翼が機体重量を支えて、プロペラを前進するためだけに使用できるため燃費が良くなるという。最高速度は160km/hを予定。
また、陸上だけでなく水の上や雪上でも離着陸でき、プロペラによる制御で船のように水上を移動もできる。
白銀技研の西社長は、次のようにコメントする。
空飛ぶクルマを通勤や買い物に使用するのはもちろん、山奥の湖に釣りに出かけたり無人島でキャンプしたりとレジャーにも活用できるワクワクする乗り物にしたかった。また津波や水害発生時には垂直避難や救助にも活用できる。沿岸部や河川が多い日本では水陸両用機に無限の可能性がある
今後数カ月以内に緊急着陸用のパラシュートを機体に搭載して安全性を高めるほか、コックピットの設計を進め、有人フライト試験を目指すとしている。
白銀技研