【キシャメシ】ついに酷暑来(きた)る、こんな「大吟醸」冷やしラーメンで乗り切るべし
にいがたし東区の支那そば ぐゎらん洞」。以前は西新潟で営業していたと聞く
ここ数年の新潟の夏は、酷暑に他ならない。ちゃんと熱中症対策をしないでなめていると、命にかかわるから、マジで。
7月も半ばに差し掛かる。まだ新潟の夏は本気を出していないだろう。今日も今日とで、暑さ単体のキツさではなく、高い湿度と合わせ技の攻め方で来ている。蒸し暑い。これはこれでキツい。キシャメシ当番の日だが、なにを食べようか、こんな日に。
新潟空港から中心街を目指して旧国道113号は物見山付近、赤い看板「支那そば ぐゎらん洞」を発見。ここ知ってる。煮干しだしの透明なスープで、あっさり系ながら上品な旨味がある「大人美味い」ラーメン。煮干しが「香る」のよ、ここのスープ。午前7時に開店で、朝ラーが食べられることでも知られている。
まよわず入店。小ぶりな店に、男性客2組。ここの店「支那そば+チャーハン」のセットが人気だ。カウンターに座ると目の前に「期間限定 冷やしそば」の短冊。いきなり惹かれるじゃないか。
冷やし中華ならぬ、冷たいラーメンスープで食べる冷やしラーメンは山形の名物だ。昨今、新潟と山形で「年間ラーメン消費量(外食)」の全国1位争いがクローズアップされている。どちらの県も日本有数の米どころにもかかわらず、県民はラーメン好きと来た。現在1位の山形と2位新潟の差は、冷やしラーメンの文化が定着しているかどうかだと記者は睨む。やっぱり暑さのピークに、フーフー言いながら熱々のラーメンをすする気にならない、という人も多いのではないか。
冷やしラーメンは、新潟でももっと広がってほしいと思う。本家のラーメンとはまた違う世界感で、料理として優れたジャンルではないか。少なくとも記者は夏になると無性に食べたくなる。
実際、スープづくりは手間がかかると聞く。脂が固まらないように、何段階かにわたってスープを取るのだそう。スープに熱さがあれば雑味もまぎれ、ごまかしがきく部分も、冷たいと粗が見えてくる。さて、ここのはどうだろうか。
ぐゎらん洞の「冷やしそば」(税込850円)。見た目にも涼味
少し待つと着丼。おお、この涼味溢れるビジュは期待大じゃないか。すっきり澄んだスープに純氷が2つ浮かび涼し気。梅干しも良い。真ん中に盛られているのは青じそか。チャーシューは、これ、見たところ鶏チャーシューだ。
鶏チャーシューがまた、やわらかくてうまい
さっそくスープから。おお、上品。よほど丁寧なスープの取り方をしないと、ここまで澄んだ味にならない。この上品なスープ、ベースは鶏なのかな。カツオや煮干しが立ちすぎると、冷たいスープではクサみになりかねないが、それが全くない。れんげの一杯を飲み干すと、奥行きと深み。青じそと梅干が良い仕事。
この冷たいスープ、澄んだ中に深みもあり
これ、もし缶に入って自販機で売られていたら買っちゃうな。暑い日にごくごく飲めるラーメンスープ。飲んだとたんに身体に生気が戻ってくる。
極細麺がスープに抜群に合う
麺は極細。新潟でこれより細い番手で出している店あったかな。とにかくこの極細麺が上品スープに最高に合う。鶏チャーシュー、良い味だ。柔らかしっとりで全然ぱさぱさしていない。
気が付けば完食。あまりにも美味しかったので「なんならもう一杯」とも思ったほど。大丈夫、しっかり腹いっぱいになっている。
それにしてもよほど丁寧な作り支方なのだろうな、このラーメン。本当に繊細で、雑味がない澄みきった味。このレベルの冷やしラーメンが、新潟でもあちこちで食べられるとありがたい、記者は切に思う。
(編集部I)
【支那そば ぐゎらん洞】
新潟市東区物見山2丁目13-20
営業時間 7時~14時
定休日 火曜日
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。