5メートルの金剛力士像をどうやって搬入した?なら仏像館で金剛力士像を特別公開中
5メートルの金剛力士像をどうやって搬入した?なら仏像館で金剛力士像を特別公開中
『奈良国立博物館 なら仏像館』で金峯山寺の金剛力士立像が特別公開中!
仁王門修理のため、修復された巨大な金剛力士像2躯が圧巻の姿を披露。その迫力と搬入秘話に迫る!
奈良国立博物館で金峯山寺の金剛力士立像が特別公開中!
奈良国立博物館において、金峯山寺の重要文化財である木造金剛力士立像2軀が、2021年2月23日より、特別公開されている。
奈良県吉野町に位置する金峯山寺の仁王門の修理に伴い、保存修理が行われた同立像が、その修復された姿を披露するため、特別公開する運びとなった。
金剛力士立像の魅力
南北朝時代の延元3年(1338年)から翌年にかけて造られたこの金剛力士立像は、忿怒相(ふんぬそう)と全身にみなぎる力動感があり、見る者を圧倒する。
その高さは、阿形が505.8センチメートル、吽形が506.2センチメートルと、国指定文化財の仁王像としては東大寺の南大門像に次ぐ大きさである。
なぜ奈良国立博物館で?
金峯山寺仁王門の修理が完了するまでの間、この金剛力士立像は奈良国立博物館に寄託されている。
同館では、この貴重な文化財をより多くの人々に見ていただくため、今回の特別公開に至った。
この大きな金剛力士立像はどこから入れた?
500センチメートルを超えるこの2軀の金剛力士立像。
現在の入口は1つしかなく、ここからこの2軀を入れるのは、自動ドアの幅を考えると不可能。
実の正面入口は西側
実はこの2軀は普段閉鎖している、西側玄関から入れた。
1894年に建てられた『なら仏像館(帝国奈良博物館)』。
『帝国奈良博物館』の名を見てもわかる通り、この建物が『奈良国立博物館』の前身。
実はこの取材で知ったのだが、『なら仏像館』のメイン入口は西側玄関だそう。
詳しい資料はないのだが、早々にこの玄関は閉められて、今の東側の入口がメインで使用された。
現在では無料観覧日の日のみの、9時30分から12時30分までここから出入りできるそう。
搬入の様子は動画でチェック!
【公式】ならはくチャンネル(YouTube)
●台座の設置
まずは、免震装置付き展示台に台座を設置。
その後に金剛力士立像が立つための台座を設置。
●いよいよ搬入!クレーン作業開始
ここからが本番。クレーンで持ち上げる。
この金剛力士立像は、「胴体」「腕」「持物(じもつ)」にパーツが分かられるので、まずは胴体から搬入。
●胴体搬入 ~ 足場を組んで横向きで
館内には足場を設置。
胴体も仰向けや立ったままの状態だと入らないので、横向きで搬入する。
●像を吊り上げ、台座へ
館内に入れた後に、像を吊るして立て、台座に乗せる。
●金剛力士立像、ついに完成!
「腕」「持物(じもつ)」を付けて完成。
金剛力士立像を搬入するために、他の展示物を他の部屋に移動させる作業などもあり、丸々2か月間、なら仏像館を休館したそう。
館内の天井が600センチメートルもないことから、この2軀が恐らく最長の展示物となりそう。
搬入の様子は「【公式】ならはくチャンネル」でも配信中。
まとめ
2028年度には、金峯山寺仁王門の修復工事が終了し、2軀は元の場所に戻る予定。
今しか見られない光景をぜひ楽しんでみては?
なら仏像館概要(2025年2月1日(土)~当面の間)
●開館時間
9:30~17:00
※3月1日~11日・13日・14日は午後6時まで。
※3月12日、3月22日、3月29日、および4月の毎週土曜日 は19時まで。
※他、開館時間延長日あり。詳しくは奈良国立博物館ウェブサイトまで。
●休館日
毎週月曜日(休日の場合はその翌日。連休の場合は終了後の翌日)、12月28日~1月1日。
ただし、4月30日、8月5日、13日および東大寺 二月堂修二会(お水取り)期間(3月1日~14日)の月曜日(休日の場合は翌日)は開館。
●観覧料金
一般:700円、大学生(学生証提示が必須):350円
※高校生以下および18歳未満の方は無料(フリースクールなども同様)。
※障害者の方と同数の介護者は無料(障害者手帳またはミライロID〔スマートフォン向け障害者手帳アプリ〕が必要)。
※観覧料金の減免について、詳しくはバリアフリー情報を参照
※70才以上の方は無料(年齢のわかるものが必要)。
●住所
〒630-8213
奈良県奈良市登大路町50