秦野市 中学生に木の卒業証書 市内全9校で初授与
秦野市は今年度から、中学校卒業生への卒業証書を、秦野産ヒノキ材を使用した木の紙で授与する。市が進める生涯を通した「木のある暮らしづくり事業」の一環で、3月12日(水)に行われる市内全9中学校の卒業式で初めて実施される。
市は生涯を通じて木と触れ合う機会を持ってもらうため、人生の節目で木とかかわりを持てる取り組みを進めている。
今年1月からは出生届を提出した市民にヒノキ玉、婚姻届を提出した市民に木製ペアコースターといった記念品の配布も開始。学校教育においては、一部の小学校で学習机の天板に秦野産材を使用している。こうした取り組みの一環として、今回、義務教育が終了するタイミングで郷土意識の醸成や森林資源の大切さを伝える機会となるよう、卒業証書に秦野産材を使用するアイデアが出て、準備を進めていたという。
森林ふれあい課の担当者によると、初めは職員の名刺などで「木の紙」の感触や周りの反応などを確かめ、卒業証書として利用しても良いのではないかという意見を元に、校長会や秦野市PTA連絡協議会などへ打診。賛同を得て、今年度から市内全9中学校の卒業証書を木の紙に統一し、授与することにしたという。今年度は約1300枚を用意。3月12日の卒業式で2つ折りの証書ファイルに挟み、生徒に手渡される。
「中学校によっては身近に森林があるが、街中だと馴染みが薄い中学校もある」と同課担当者。「森林は木を植え、育て、活用するというサイクルが重要。卒業証書に木を使うことによって、森を守るという秦野の林業を知ってもらうきっかけになれば」と話している。