【「山と食欲と私」コラボ企画②】「美味しい≠山ごはん」大人気マンガの主役からアドバイス?夢の共演でついにレシピ掲載へ!【イラスト描きおろし】
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
普段は山登り初心者でも楽しめる、お手軽✕絶景の山をご紹介しているのですが、今回は、特別コラボが実現!
大人気マンガ「山と食欲と私」(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社)、通称「山食」と“山ごはんレシピ開発”をしちゃいます!!
【連載】「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
「山と食欲と私」と夢のコラボ!山ごはん、開発しちゃいます!
「山と食欲と私」(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社)は、「単独登山女子」である主人公・日々野鮎美が、山や人との関わりあいの中で成長していくストーリー。
その作者である信濃川日出雄さんは、札幌在住!
「レシピのネタを常に探している」と話してくれた信濃川先生に、「ぜひ!山ごはんレシピを提案させてください!!!」とお願いし、「山食×山々コラボレシピプロジェクト」がスタートしました。
▼実はコレが私の山登りの原点…!マンガ「山と食欲と私」が大好きなものを教えてくれた【作者・信濃川日出雄さんに特別インタビュー!】前編
私の山登りのきっかけでもあり、バイブルでもある「山食」での山ごはんレシピ掲載に向けて、さまざまなミッション(?)をいただきながら、知る人ぞ知る北海道グルメ「なんこ」をプレゼンしてきました。
▼【「山と食欲と私」コラボ企画①】大人気マンガに山ごはんレシピを載せたい!“食の宝庫”北海道であえて選ぶ「意外なグルメ」を作者にプレゼン!
現地で覚えてきた本場の味を、作者・信濃川先生にジャッジしてもらうべく、今回はなんこの「山ごはん化」を研究していきます。
ここで心強い助っ人が登場してくれました…!
なんと、「山食」の鮎美ちゃん!調理する私にビシバシ!?アドバイスをいただきます!
ちなみに、今回の鮎美ちゃんのイラストは、この記事のために信濃川先生が描き下ろしてくださいました!Sitakkeオリジナルの鮎美ちゃんと一緒にお送りします。
信濃川先生にプレゼンしながら調理開始!
まずは生のなんこを洗っていきます。
なんこの原料である馬の腸って、こうやって広げるとおおきいんですね。
全長で20メートルもあるんですって!
キレイに処理されているので、意外に匂いはしません。
さて、早速ですがホルモンって…実は切ったことないかも…。
ナイスアドバイス!鮎美ちゃんありがとう♡
確かに、包丁よりもハサミの方が扱いやすいです。
切り終わったら何度か水でもみ洗いして、下茹でしていきます。
沸騰したふたをあけると…
会社のキッチンに、独特のにおいが広がります…そう、これがなんこなのです…!
この独特のにおいこそが、なんこの特徴のひとつ。私の大好きなポイントでもあるんです。
さて、どうしよう…1~2回下茹でっていうけど…この匂いも味わいたいから…1回でいいか!
大丈夫大丈夫!
下茹でのあとは軽く酒と油で炒って、水を加えて煮込んでいきます。
「うまみ」を大事に…肝の煮込み工程へ
黄色い部分が脂。これが「うまみ」にもなるんです。
だから茹ですぎて脂がスカスカになっちゃうのももったいなくって…
…鮎美ちゃん?(笑)
さて、煮込んでいる間に、たまねぎ、しょうがをスタンバイ。
しょうがはとにかくたくさん!
教わった作り方だと、舌触りが悪くならないようにしょうがは汁だけ絞っていたんですが…
▼【「山と食欲と私」コラボ企画①】大人気マンガに山ごはんレシピを載せたい!“食の宝庫”北海道であえて選ぶ「意外なグルメ」を作者にプレゼン!
え~いもったいない!よりガツンとくる…気がするし、このまま入れちゃいます!
味噌を加えながらタマネギもいれて、今回はつきこんにゃくも入れてみました!
それから、「三浦さんのなんこ」は砂糖を加えて甘みを感じられるのもポイントなんですよー。
これもちょっとアレンジしちゃいます。
用意したのは、ハチミツ!なんか、よりまろやかになりそうじゃないですか?
量は…目分量です!!
煮込み時間は全部で1時間半ほど。
さあ、美味しくなったかな…?
ぷるぷるツヤツヤ!
煮込むと黄色い脂が浮いてきて、まさに「なんこ」。うまみ(もとい「馬み」)、出てますね!ぷるぷるツヤツヤですよー!
見てください!
ほんとだー!早く食べたい!味見しちゃお!
……辛い…
しょうがにまだしっかり火が通っていないと、辛みが口の中に突撃してきますので、くれぐれもご注意を…(泣)。いい匂いにわくわくしながらしっかり煮込みましょう。
しょうがにもしっかり火が通って味がなじんだらできあがり!
信濃川先生の味見の結果は…!
信濃川先生!できましたよ!
まずは食べてみましょー!
うん!我ながら美味しくできました!
…とはいえ、思った以上に先生のいいリアクション!
もしかして…レシピ採用ですか!?
美味しいごはん≠山ごはん。
その点は、「山と食欲と私」をバイブルとする私、わかっているつもりです!
・持ち運びやすい
・残さず食べられる
・調理工程はなるべく少なく
そして、がっつり!できることならよりパワーが出るように、炭水化物も取りたい!
そのアレンジも、ばっちり、考えてきましたよ!
余すことなくなんこを堪能!
美味しいごはんイコール山ごはんにあらず!
信濃川先生の指令に、ばっちり応えます!じゃん!
なんこをそのまま楽しんだあとは、うどんを投入して、汁まで余すことなくいただきます!
これからの季節、しょうがでぽかぽかになりそうですし、なんこのうまみも最後まで楽しめますよ!
さらに!信濃川先生も鮎美ちゃんも山ごはんのお供として持ち歩いている、コレ!
「カレー粉」です!
これを使って最後には味変!「なんこカレーうどん」にしちゃいます。
実は、歌志内市で取材したときも、「あまったなんこはカレーにする」というご家庭が多いと聞いて…。
さぁ、食べてみてください!
ちなみに、カレー粉のほかに、カレールーでも「カレーうどん」を試してみましたが、粉の方がよりなんこの良さがわかるかと思います。
カレールーだと、「おいしいモツカレー」にはなりますが、せっかくのなんこの「個性」は消えてしまうかもしれません。
さらに、今回は最初の調理過程でつきこんにゃくをいれましたが、これは「山ごはん」としてはいらなかったかも。
冷凍して持ち運んで山で調理できればと思っていたので、解凍するとこんにゃくの食感がかわってしまうし、うどんをいれる工程まで考えると、「ちゅるちゅる」系がかぶってしまいました(笑)
ということで、なんこ、山ごはん採用でどうでしょうか?
ということで、晴れて知られざる北海道グルメ「なんこ」が大人気マンガ「山と食と私」に掲載決定!
現在、公開中です!
▼「山と食欲と私」第206話 北の炭鉱(ヤマ)の「なんこ」うどん
なんこの歴史や作り方など、歌志内での徹底取材の模様は
▼【「山と食欲と私」コラボ企画①】大人気マンガに山ごはんレシピを載せたい!“食の宝庫”北海道であえて選ぶ「意外なグルメ」を作者にプレゼン!
そして、せっかく作った「山ごはんレシピ」。
私も山で満喫してきました!
▼【「山と食欲と私」コラボ企画③】マンガになった私のレシピをついに山で実食!「馬力」が出るスタミナうどんは味変も最高だった
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取材協力:信濃川日出雄さん
北海道・札幌市在住。2015年からWeb漫画サイト「くらげバンチ」で『山と食欲と私』を連載中。既巻18巻
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビ「グッチーな!」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」、HBCラジオ「平野龍一のミライの扉」を担当。登山歴3年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中
編集:Sitakke編集部あい