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「退屈すると死ぬヒロイン」と「不器用ヒーロー」の絆に注目! 春アニメ『この恋で鼻血を止めて』潘めぐみさん×花江夏樹さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

4月2日よりフジテレビ「B8station」で放送がスタートしたTVアニメ『この恋で鼻血を止めて』。

退屈な毎日にうんざりしていたOL・モカは、突然エイリアンたちの戦いに巻き込まれ、「退屈すると死んでしまう」という体に!? 心原虫(しんげんちゅう)という寄生虫をうっかり逃してしまった、どこか不器用な宇宙人・ヤーセンが彼女を助けるため奮闘する!

そんな異色のヒーローラブ(?)ストーリーを彩るのは、モカ役の潘めぐみさんと、ヤーセン役の花江夏樹さん! 今回はおふたりに、作品の魅力やキャラクターに込めた思い、そして“退屈しない”日常についてたっぷり語っていただきました。

 

 

【写真】潘めぐみ&花江夏樹が挑む異色の春アニメ『この恋で鼻血を止めて』インタビュー

自分以外の人といることの大切さを知ることができる

──オファーを受けたときの率直な感想を教えてください。

潘めぐみさん(以下、潘):嘘だろと思いました(笑)。オファーが来たときは全く別のタイトルだったんですけど、次のメールから「『この恋で鼻血を止めて』の件なんですけど」となっていて、「嘘!?」って思ったんです(笑)。でもこのタイトルって比喩だと思うじゃないですか? でもホントにこの通りなので、それも含めて「嘘だろ?」と思いました。

花江夏樹さん(以下、花江):設定を見て面白そうだなと思ったんですけど、あまり見たことがない設定ではあったので、どういうテイストなのかな?と思いました。アニメの映像を見たら、結構鼻血が出ているし、何ならちょっと緑色も混ざってるし、衝撃的な作品だなと思ったんですが、「モカ役は潘さんの予定です」と言われて、潘ちゃんだったら、ちゃんとしている作品なんだろうなと思いました(笑)。

潘:あははは(笑)。私の名前で?

花江:いや、安心感という意味で(笑)。

潘:でも私も、ヤーセン役は花江さんと聞いて、安心安全じゃん!って思ったのは確かでした。

 

 
花江:ずっとレギュラーで、1年くらい一緒にやっていたことがあるから。

潘:すっごく久しぶりではあるけど、安心感はありました。

──実はそのとき、取材させていただきました(笑)。ではこの作品で、魅力に感じた部分を教えてください。

潘:ヒーローがいる世の中で、敵に立ち向かっていく作品なのかなと思ったんですけど、意外と自分自身と向き合わなければいけない話でもあるところが面白いと思いました。ヒーローをやりながらも、ヒーローの社会みたいなものも描かれているので、意外性と面白みがあるんです。だから、「生きている中で、こういうことにぶつかることもあるよな」って、身近に思ってもらえたりするんじゃないかな……。

花江:潘ちゃんが言うように、設定は変わっているんですけど、誰もがこういう思いをするよな、悩んでいるよなっていうことがテーマになっているところがあるんです。

それは、完璧でないことに対する捉え方をどうするのかみたいなことでもあるんですけど、それを「未熟だ」と捉えるのか、「それも人としての美しさだし、楽しさだよな」って捉えるのか。その考え方が変わっていくのが、見ていて面白いなと思いました。しかもそれを正面から叩きつけるのではなく、ギャグテイストにすることで、あまり抵抗なく考えられる作りになっているんですよね。だから、かなりとっつきやすく、キャッチーに仕上がっている作品だと感じました。

 

 

──ギャグテイストにすることで、メッセージがすんなり受け入れられるかもしれないですね。このカラフルな世界の描き方もポップですし。

花江:色みがすごくおしゃれだなと思いました。

潘:おしゃれだった。映像としての面白さもありますね。

──おふたりが演じているキャラクターの魅力も教えてください。

潘:モカは、生きることを諦めてないか?というところから始まるんですけど、それに対して、抵抗もなければ、のうのうと日々が続いていくことに対しても無感情になっているんですよね。彼女にとっての敵が退屈だというのが納得できるところから始まるんです。

でも、本来の彼女がそうだったのかと言えば、違っていて、ヤーセンと出会ったことによって、どんどん変わってくるんですよね。生きることへの執着も出てきて、諦めが悪くなって、ふてぶてしくなっていく(笑)。だから、自分以外の人といることの大切さを、モカを通して得たような気がしました。

 

 

──モカにとって、ヤーセンとの出会いが大きかったのですね。

潘:今までは、会社の同僚がいてもひとりで過ごすことがほとんどだったと思うので、その中でイレギュラーであるヤーセンという存在が大きかったのではないかなと思います。人間らしさを取り戻していったような感じがしたので。

──花江さんは、モカをどう思いましたか?

花江:最初は、わがままだなと思ったんですけど(笑)、それは逆に気持ちがいい性格をしているとも言えますよね。けど、彼女なりに日常に退屈を感じていて、これからどうしたらいいのか悩んでいたりするんです。それが、ヤーセンと関わっていくことによって、いい方向に変わっていくところもある。

序盤で、平穏が一番いいと思うけど、危険で刺激的な日常を私は選ぶ、みたいなことを言うんです。そこに、今までにない意思の強さみたいなものを感じて、すごく憧れる、カッコよさを持っているキャラクターだなと、変化していきました。

 

 
潘:2話くらいで、もうふたりの距離も近づいてきた感じもありますよね。

──では、次にヤーセンについて教えてください。

潘:サイウェル星人のヒーローなんですけど、地星人に近い感覚でいてくれるヒーローというか。ヒーローだと見せつけるわけでもなく、助けになってくれるし、モカに対しては、身の回りのお世話までしてくれる。そこまでしてくれるヒーローはなかなかいないし、いつもフラットでいてくれるところが彼の魅力的な部分だと思います。

心原虫という寄生虫が、モカに寄生したことで、モカは「退屈すると死んでしまう」んですけど、モカを退屈させまいと、エンターテイナーになる一面もあって、モカに生きる活力を与えてくれるので、人として、ちゃんとした真っ当な感覚を持っている人だなぁって思いました。彼も彼なりに抱えているものはあるんでしょうけど、それはこの先に明かされるのかなと思います。

 

 
花江:ヤーセンは、すごく辛抱強くて忍耐力がある、物事を投げ出さない真面目さがある人だなって、演じていて思いました。モカには、心原虫のことで迷惑をかけてしまったけど、それが自分の責任にも取られてしまうから、奉仕している部分はあるんです。でも、彼が本来持っている優しさだったり、思いやりっていうのが、端々から感じられるシーンが多いので、そういったところは、すごく不器用なんだなと思いました。

だから、ヒーローとしての彼のパワーがどのくらいかは、これから明らかになっていくんですけど、単純にヤーセン本人を応援したくなるような、そういう気持ちにさせられるキャラクターだと思います。

 

 

退屈を感じないものは何?

──アフレコはいかがでしたか?

潘:ヤーセンと掛け合っていて、花江さんは、お芝居とかセリフに対しての真摯さが抜かりないし、丁寧な人なんだなと改めて思いました。そういうところがヤーセンに通じるんですよね。几帳面さというか、妥協のなさを感じました。

花江:そうですか。感じますか(照笑)。

潘:第1話で超長台詞があったんですけど、聞き惚れちゃう感じで、それを聞いていて、出遅れそうになるっていう。そのくらい、いつも感動しちゃいます。

あと、モカに関しては、演じていて、追いつかないですね。追い抜かされていってトチることもあったので、そのくらいスピードと切り替えが大事な作品だなと思いました。

 

 
花江:以前共演した作品が、クールで落ち着いた役だったから、どんな感じなんだろうなと思ったら、すごくいいよね。

潘:ホント? 恥ずかしーな〜。

花江:モカは、気力のなさの中にワイルドさみたいなものがあって、聞いていて心地いいんです。しかも次、どういうアプローチで来るんだろう?っていうのが楽しみになるお芝居なんです。

あと、モカはポンポンポンポンセリフと表情が切り替わるし、途中でジュースを飲んだり、変な効果音が入ったり、アドリブが挟まれるんですね。そこも、原音とはまた違った、潘ちゃんならではの音で演じるので、聞いていて楽しかったです。共演して以来、本当に久しぶりに一緒になったから、そういうところも新鮮で。

潘:共演していたときも、私にとって花江さんはヒーローでしたけどね(笑)。役だけではなく、花江くん自体がヒーローでした。

 

 

──今、原音とありましたが、吹き替えという意味で、中国語の音も意識はされたのでしょうか?

潘:日本語でこの作品を観たときに、心地良くあればいいなぁという意識はあったりしますし、「たぶん中国ではこういうニュアンスなのかもしれないけど、日本でオンエアするにあたり、こういうニュアンスで演じていただきたいです」というディレクションがあった箇所もあったので、そこは臨機応変に、という感じでした。

花江:原音を参考にする部分もあるんですけど、基本的にはあまり気にしないでやっている部分が多かったです。というのも、実写の吹き替えだと、本人のお芝居と声が、完全に口と顔に合っているので、そこは大いに参考にするんですけど、アニメなので、また違ったアプローチをしてもいいし、おそらく原音の方は、絵がすべて出来ていない状態で声を当てていると思うので、絵が出来た状態で当てたほうが、こうしたいああしたいっていうことができるんですよね。

だから、いいなと思うことは取り入れつつ、ここはもっとこうしたほうが面白くなるんじゃないかなと思ったところは、積極的に絵に合わせていきました。基本的には口パクに合っていればいいというお話だったので、そっちを優先することは多かったです。

 

 

──アクションが派手だったから、結構大声になったのではないですか?

潘:だいぶ大きくなりました。息くらいで入っているところも、大げさにやってみたりしたので、だいぶ賑やかになっているんじゃないかな。きっと元のアフレコでは、SEとか音楽も入っていない収録だったろうから、それが完成形で出来るというのは、あとから声を吹き込める吹替えの強みですよね。このくらい効果音が聞こえるんだったら、このくらい叫んでも大丈夫でしょうとか。そういう調整も出来たりしたので、ありがたかったです。

──おふたりが、これをやっていれば退屈しないなと思う、熱中しちゃうものを教えてください。

潘:私はオンラインゲームはずっとやっていられるなって思っています。やれることが多すぎるんですよ。なので、今はハウジングにハマってます。

花江:『ファイナルファンタジー』?

潘:そう。14。土地を買うまでにもすごい苦労があって、抽選になかなか当たらないんです。それを土地が手に入るまでやって。私、土地代が家代だと思っていたら、土地とは別に、家代もかかるんですよ。

花江:へ〜。リアルだね。

 

 
潘:家具も作る技術も必要だけど、ないからお金が必要なんです。お金がないと引っ越しもできないというのもリアルで……。この世界にずっといてもいいと思っちゃうし、1時間でゲームを止めるなんて無理!って思うくらい、延々とできちゃうんですよね。しかもそれを友達とやるのも楽しいんですよ。退屈させてもらえない!

花江:僕もゲームかなぁ。ハマる期間と何もやらない期間があるけど、今結構やっていて、人と対戦するゲームをやっているんです。今ハマっているのは、キャラクターが数百体いる対戦ゲームなんですけど、能力やスキルが全部違っていて、このキャラと戦うときは、どういう戦術を取らなければいけないのかとかを、全部考えないといけないので、その対策をYouTubeで調べたりして(笑)。

潘:最初は見ないで挑まないの?

花江:一回挑んで、ボコボコにされて、こいつに勝つにはどうしたらいいんだろうって調べて、再度チャレンジする感じかな。だからゲームをやっていたら、全然時間が足りないなと思うんですけど、よくないですよね(笑)。

潘:でも、楽しいから。

 

 

──ありがとうございます。では最後に、ファンへメッセージをお願いします。

潘:この作品、何と戦っているんだろうと思うかもしれません。敵らしい敵が出てくるのかな?と思いきや、そうじゃなかったりするんです。進展的に、1話の中で大きく変わったりはしないんですけど、皆さんの実生活に寄り添える、心情、感情が散りばめられていると思っています。なので、そういうことを感じられるものが、ひとつでもあればいいなと思っています。

花江:タイトルのインパクトがあるので、内容が気になると思うんですけど、わりと気軽に楽しめるような、ノリがいいアニメなんです。その中でも、日常生活で、ふとした時に感じる題材が詰め込まれているので、いろんな方に見ていただきたいです。ぜひ最後まで楽しんでください。

 
[文&写真・塚越淳一]

 

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