【眠りのプロに聞いた!】毎日使う寝具、適切なお手入れは?枕の買い替えどきは?
寝具は毎日使うものですが、衣類のように使ったら洗うというものでもありませんよね。そうなると汚れや匂いが気になってきますが、そもそもどうやってお手入れをしたらいいのかわからないという声も少なくなさそうです。そこで西川株式会社でスリープマスターをされている田中大地さんに、寝具のお手入れや買い替えどきについて伺います。
寝具の洗濯。注意点は?
――寝具は毎日使っていますが、お手入れはどうすればいいのでしょうか?
スリープマスター田中大地さん(以下、田中さん):綿の敷き布団は湿気を吸ってボリュームがなくなってしまうので、定期的な天日干しが必要になります。ウレタン素材のマットレスなどの場合は、天日干しをする必要はありません。むしろ天日干しをすると紫外線の影響を受けて変色や劣化してしまうことがあります。とはいえ敷きっぱなしでいいかというと、そうではありません。湿気はきちんと飛ばしたいので、起床後はマットレスを壁に立てかけ、裏面に風が当たるようにしましょう。手間や時間に違いはありますが、基本的にはお手入れを全くしなくてもいい敷き布団はないと思っていいでしょうね。
――枕はニオイが気になることもあって……。洗ってもいいのでしょうか?
田中さん:枕は素材によって洗えるかどうかが違います。ポリエステルやパイプであれば洗濯は可能ですが、羽毛やウレタンなどは洗濯ができません。洗濯ができない枕は、陰干しで対応していきます。消臭スプレーをかけることも可能ですが、かけすぎると湿気を吸ってしまいます。シュッとひと吹きしたら湿気を飛ばすようにしたいですね。また枕を洗濯機で洗う際には、洗濯ネットに入れて枕単体で洗います。そうしないと枕が変形してしまうこともあるからです。またドラム式の洗濯機など、枕の洗濯ができない洗濯機もありますので、取扱説明書などを確認するようにしましょう。そしてニオイやカビなどを防ぐため、洗ったらなかまできちんと乾かすことが大切です。枕を洗うのは手間や時間がかかるものなので、頻繁に洗うものではないと思います。カバーを毎日取り替えるようにした方が、お手入れとしては楽になってきますね。
寝具を買い替えるタイミング。これで判断!
――寝具もいずれ買い替えることになりますが、そのタイミングはどうやって判断すればいいのでしょうか?
田中さん:敷き布団には、それぞれ耐用年数があります。商品によって異なりますが、例えばウレタン素材のマットレスの場合は7〜8年といわれています。もちろん使う人の体重や体格によって異なりますし、湿気の影響をどのくらい受けるかでも違ってきます。もう1つの判断方法としては敷き布団を上から下まで手で撫でるように触ったとき、腰部分が他よりもへこんでいるかどうかです。寝ているときは腰部分に最も体重がかかるので、そこが明らかにへこんでいたら腰にも影響が出てくる可能性があります。
――枕にも買い替えどきはあるのでしょうか?
田中さん:枕も素材で耐用年数があります。ポリエステルや羽毛、ウレタンなどは2〜3年、パイプは3〜5年です。枕も敷き布団と同じようにヘタリが出てくるので、高さが合わなくなってきたら買い替えどきと考えられます。寝具は安いものではないですが、半永久的に使えるものではありません。睡眠の質を上げるためにも、適切なタイミングで買い替えをしていただきたいですね。
編集後記 毎日使っている寝具は、できるだけ湿気を飛ばすようなお手入れをすると長く使えるようになるそう。一方で毎日使うからこそヘタリが出てくるものですから、体に合った寝具を使うためには買い替えも大事ですね。
※取材は2024年11月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。