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兄弟猫が『急に仲が悪くなった』!考えられる3つの原因と対処法

ねこちゃんホンポ

1.八つ当たり

転嫁行動と呼ばれる、人間で言う「八つ当たり」が原因で兄弟猫の仲が悪くなってしまうことがあります。転嫁行動は、猫が興奮し驚いたり怒ったりした状況になったとき、たまたま近くにいた同居猫や飼い主さんに対し攻撃をすることです。

例えば、兄弟猫が外にいる猫を発見して興奮状態になり、攻撃できないイライラを兄弟猫にぶつけてしまい、関係が悪くなってしまうということがあります。元々仲が良い猫同士でたまたま1回攻撃した程度では、仲が悪くなっても一時的なもので、時間とともに元の関係に戻ることが多いです。

しかし、転嫁行動をとったときの状況が思い出されると、そのたびに兄弟猫同士で争いが起こり、関係修復が難しくなってしまうこともあります。原因となった状況を作らないようにして、兄弟猫が近づかないように食事場所などを離したり、部屋を分けたりしましょう。新入り猫を迎えたときのように、お互いのにおいに慣らすところから始めるなど少しずつ距離を縮めていきます。

2.知らないにおいに警戒

猫は縄張りを持つ動物なので、知らないにおいには敏感です。兄弟猫から知らないにおいがすることで警戒し、けんかになってしまうことがあります。例えば、動物病院帰りです。動物病院に行った兄弟猫に対し、留守番をしていた兄弟猫が警戒してしまうのです。

時間がたてばにおいが消えて、兄弟猫の仲も元通りになることがほとんどです。けんかになってしまったり、警戒心が強い、怖がりなど猫の性格によっては、動物病院帰りの猫を1日ほど別室に隔離した方が安全な場合もあります。

お互いがどんな反応をするか分からない場合、帰宅直後は外出していた猫をキャリーケースから出さずに、いつもの生活スペースに連れて行きしばらくの間待ちましょう。お留守番をしていた猫がキャリーケースに近づいて、本来のにおいや鳴き声で「兄弟だ」と認識できるまで待ってから出してあげると、急な対面に比べ怖さは軽減されます。

3.成長による変化

子猫の頃は仲良しでも、成長にともなって大人の猫らしく行動が変わり、兄弟猫の関係も変化することがあります。猫には人間のような「兄弟」の感覚はありません。また、本能的に「ほかの猫より優位に立ちたい」という思いや、縄張り意識の芽生えなどが原因で争いになることがあります。

寝る場所、食事場所、お気に入りの場所などを巡って争いが起こり、関係が悪くなることがあります。さらに、成長によって兄弟猫の性格の違いがはっきりしてきて、相性が合わないことがストレスとなり、仲が悪くなることもあるのです。

仲良しな猫同士でも1~3mのパーソナルスペースを保つのを好むと言われています。それぞれの食事場所、トイレ、お昼寝の場所などを距離をあけて用意してあげるとストレス軽減につながるでしょう。

まとめ

兄弟猫の仲が急に悪くなってしまうのは、転嫁行動やにおいの変化、本能的な行動などが原因としてあげられます。仲が悪くなったときの状況が再現されないようにしたり、兄弟猫の距離を保てるようにしたりしてストレスを少なくしてあげましょう。

また、どちらか一方の猫が明らかに性格が変わってしまった場合などは、病気の可能性も考えられます。猫の様子をよく観察し、性格が変わってしまったと感じる場合は動物病院を受診しましょう。

たとえ兄弟猫でも激しい喧嘩を繰り返すようになる場合は、隔離した部屋で生活させることも検討してください。


(獣医師監修:唐野智美)

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