長風呂は逆効果!? 冷えと乾燥を防ぐ“10分入浴”の新常識【眠れなくなるほど面白い 図解 冷えと乾燥の話】
長風呂は血液にも肌にもNG 保湿のリミットはわずか10分
全身浴でぬるめのお湯に10分
冷え対策に欠かせないのが入浴。ですが正しい入浴法を知らないと、冷えの改善どころか乾燥も進んでしまいます。そこで、体に負担をかけずあたたまる入浴のコツを覚えておきましょう。
まず、健康にいいとされている半身浴ですが、冷え性の人には向いていません。なぜなら、首があたたまらないから。冷えを感じているときは、首までつかる全身浴がおすすめです。温度は 41℃くらいが理想。時間は10分で十分です。10分では体があたたまらないという人は、入浴直前にスクワットを20~30回行ってみてください。代謝が上がってあたたまりやすくなり、運動不足の解消にもなるので習慣にするといいでしょう。
また、長風呂は気づかないうちに大量の汗をかき、脱水状態になる可能性があります。体内の水分が減少すると血液がドロドロになり、血流も悪化。血行を促進するはずの入浴が逆効果になることも。ただし、「余分な水分を抜く」という意味では、半身浴やサウナで汗をかくことは有効です。
また、入浴後は肌のバリア機能が失われた状態。体温を下げようと熱を放散させるため、皮膚から水分や油分が流出しやすくなります。放置すると急速に肌の乾燥が進行。「お風呂ドクター」の東京都市大学・早坂信哉教授によると、お風呂上がり後の10分間がお肌の分かれ目。10分以内に保湿ケアをすれば、乾燥を抑えられます。
あたため&保湿入浴術のキーワードは、「41℃/全身浴/10分」
熱いお湯+長時間の入浴は体に負担がかかり、水分も蒸発するので逆効果。保温・保湿入浴術の3つのキーワードを覚えておきましょう。
● 首までつかる「全身浴」:太めの血管が通る三首を一気にあたためるのがポイント。
● 「41℃」がおすすめ:血流がよくなり、交感神経も活性化。
● 長風呂NG「10分以内」に:のぼせるほどの入浴は逆効果。
どうしても冷える場合は、入浴直前にスクワットを20〜30回
筋肉が収縮することで体温が上がり、体があたたまるので、入浴前に筋肉の多い下半身を動かす=スクワットを行うのがおすすめ。いい運動にもなり一石二鳥です。
お風呂上がり(出浴)後は10分で乾燥する
出浴後はすぐに水分や油分が流出して乾燥するため、早めのケアが必要。「出浴10分以内の保湿が重要」というデータも出ています。
【入浴前後の肌水分量】
グラフ出典: 日本健康開発雑誌39:1-5.(2018年)、「お風呂と肌乾燥」に関する最新研究発表会(2017年9月13日、東京にて発表)
■は、40℃、10分間の入浴前後の皮膚水分量の変化を計測。皮膚水分量が入浴前より高い、出浴10分後までの保湿が重要であることがわかります。
【入浴中の保湿による出浴後の肌水分量】
グラフ出典: 日本健康開発雑誌39:1-5.(2018年)、「お風呂と肌乾燥」に関する最新研究発表会(2017年9月13日、東京にて発表)
●は入浴中に保湿化粧品を塗布し、■は無塗布の状態。出浴1分後、●は■の2倍近い水分量で、出浴60分後まで水分量がキープされています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 冷えと乾燥の話』著:石原新菜