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シチューとカレーの専門店 銀座古川

湘南人

「ごちそうさま。美味しかったです。いつも堪能させてもらってます!」
お店に入ると、お会計をしていたお客さんの言葉が聞こえてきた。
「堪能」
これ以上の褒め言葉は、あるのだろうか。
“十分満足した”ってすごいな。
そんな店でこれから食べると思うと、どんな料理が出てくるのか考えただけで嬉しくなる。

シェフに「お知り合いですか?」と聞くと、月に1、2度来てくれるお客さんだと言います。
ここは、リピーターのお客さんが多いらしい。
お店が銀座にあった頃からのお客さんも多いそうで、「鎌倉まで来たのだから、八幡宮でも見て行ったらどうですか?」と聞くと、「お店に来るのが目的だったので、このまま帰る」というお客さんもいらっしゃるとか。
わざわざ食べるためだけに、鎌倉まで通ってくれるお客さん。
嬉しいですよね。

今回は、そんな老舗の美味しい一皿を食べられるお店。
シチューとカレーの専門店 鎌倉『銀座古川』をご紹します。

鎌倉『銀座古川』ロケーション

鎌倉駅からは徒歩5分。
若宮大路に出て鶴岡八幡宮方面に向かい、豊島屋本店を過ぎたらすぐの大路ビル2階にあります。

折角なので、二の鳥居からは段葛を歩いてみるのも粋なものです。

入り口は、懐かしさを感じる昭和な雰囲気。

店内もシックで気品のある落ち着きがあります。

では、さっそく料理を紹介していきます。

料理紹介

カレー

野菜カレー 2,500円(税込)

カレーの上に、オクラ、ナス、カリフラワー、カボチャ、パプリカ等の鎌倉野菜が、カラフルに盛り付けられています。
「美味しい!」
カレーには、一つ一つの食材が、じっくりと煮込まれて溶け込んでいるのがわかります。
そこに、スパイスやハーブが複雑に絡み合っている。
カレー独特の香りも食をそそります。
濃厚なカレーに、野菜がぴったり合ってとても美味しい。

シェフに、美味しさの秘密を聞いてみました。

「うちは、インドカレーとかのスパイスカレーではなく、とろみのある欧州カレーです。
まず鶏を煮込んで濃厚過ぎるくらいのチキンブイヨンを作ります。
そこに32種のスパイスと野菜を入れて煮込んで、味を作って行く。
気候に合わせて辛さを変えたりもします。
それから『銀座古川』の味の基本は、ご飯で食べること。ご飯に合う味にすることが鉄則なんです。」

なるほど。
確かに、ご飯が進みます。
カレーを一口食べたらすぐに、またご飯を食べたくなる。
ご飯を一緒に口に入れることで、美味しさが何倍にもなっていくのがわかります。

クリームシチュー

魚貝類のクリームシチュー 3,800円(税込)

「魚介類は、銀座時代からお付き合いのある豊洲から取り入れています。
まず魚貝と玉葱をワインで煮込みます。
とことん煮込んで、ぎゅっと漉して濃厚な出汁を取るんです。
そこに生クリームやバターを入れて、さらにコクを出す。
フレンチのべシャメルソースの技法でソースを作って、それを元にシチューにしています。
銀座にもホワイトソースを出しているお店はあまりなかったので、当時からの人気メニューです。」

確かに、私もあまり外でホワイトソースのシチューを食べた記憶がありませんでしたが、でもそれは、美味しいシチューを知らなかったのだと反省しました。
シチューの中には、大きめのホタテ、カニ、エビetcが入っています。
「めちゃくちゃ美味しい!」
とにかく魚介の風味をものすごく感じます。
一口食べた瞬間に、口の中が魚貝でいっぱいになる感じ。

ちなみに、取材に付き合ってくれた友人は、毎回“魚貝類のクリームシチュー”一択です。
カレーとかハンバーグとか迷いはしますが、「やっぱり“魚貝類のクリームシチュー”を食べずには帰れない」となります。
説明するより、まずは食べてほしい一皿です。
シチュー激戦区の銀座でも人気だった、“魚貝類のクリームシチュー”お勧めですよ。

鎌倉『銀座古川』オーナー紹介

ここを切り盛りするのは、2代目オーナーシェフ 古川智久さんとお母様の百合美さん。
『銀座古川』は、もともと銀座にありました。
初代オーナーは、父親の喜春さん。
帝国ホテルに35年勤務し、在籍中には、イギリス日本大使館、パナマ日本大使館などの公邸料理人として活躍。
大阪帝国ホテル、グランドアーク半蔵門などの立ち上げも任された程の料理人です。
そして喜春さんは、2001年4月「美味しい料理を身近に感じてもらいたい」という思いで、念願だったお店を銀座にオープンしたのです。
当時、智久さんは帝国ホテルでシェフとして修行中でしたが、25歳の時に、喜春さんにお店を手伝ってくれと頼まれ、『銀座古川』で共に働くことになったそうです。

実は智久さん、いつか喜春さんと一緒に働くのが夢だったとか。
嬉しかったでしょうね。
智久さんは、父親の料理を側で見ながら学んでいったそうです。

画像出典:銀座古川ホームページ

「聞けば何でも教えてくれるのに、ちょっとくやしくて(半分はずかしくて) 教えてくれと言わなかった」とか。

親子で一緒に働く風景って素敵ですよね。
そんな二人をホールから見守るのは、母親の百合美さん。
家族ぐるみの温かいレストランの風景が思い浮かびます。
絶対に、プラスαの何かが料理に加わって、他では真似できない美味しさになっていますよね。

余談ですが、百合美さん、実は元タカラジェンヌ
ホールにいても背筋がピンと伸びていて、ステップを踏むように軽やかに店内を歩きます。
まるでステージ上にいる様です。
昔のことも笑顔で話してくれるので、聞いてみてくださいね。

お店のPVがあるので、こちらもご覧ください。
『銀座古川』PV

料理紹介(続き)

ハンバーグステーキ

ハンバーグステーキ シチューソース掛け 3,200円(税込)

「牛肉100%。和牛と輸入牛のミックスです。
和牛は美味しいけれど油が気になるので、輸入牛を混ぜています。
粗挽きの輸入牛で食感を出し、和牛は細かくして旨味を広げます。」

芸術的なデコレーションが、見た目にも素敵ですよね。
そして、一口食べると肉の旨味が口いっぱいに広がります。
「美味しいー!」
食べ応えのある触感。
お肉がギュっと詰まった感じです。
ほんとに美味しい。

ビーフシチュー

和牛と牛タンミックスシチュー 3,200円(税込)

「デミグラスソースの元に和牛と牛タンを煮込んだフォンドボーをつくる。
そこに野菜を入れ、さらに煮込んでいきます。」

じっくりコトコト丁寧に煮込まれた味。
味わい深く、口の中にいろいろな美味しさが広がっていくのがわかります。
お肉も大きいのがゴロゴロ入っています。
ご飯にも合う合う!
まさに伝統の味です。

セットのサラダ

山盛りです!
ドレッシングは、ニンジン、玉葱、にんにく、醤油で作るそうです。
そして何よりうれしいのは、食べていると百合美さんがドレッシングを追加でかけてくれるのです。
このちょっとしたサービスも、うれしいものですよね。

ワイン

美味しいワインも沢山有ります。
・ロリマー ブリュット【オーストラリア産 白泡/辛口】
グラス 600円(税込み)、ボトル 2,500円(税込み)
・ロリマー セミヨン/シャルドネ【オーストラリア産 白/辛口】
グラス 600(税込み)円、ボトル 2,500円(税込み)
・ムートン・カデ・ブラン【フランス産 白/辛口】
グラス 800円(税込み)、ボトル 4,000円(税込み)
・ロリマー シラーズ/カベルネ【オーストラリア産 赤/ミディアムボディ】
グラス 600円(税込み)、ボトル 2,500円(税込み)
・グレッツァー ワラス シラーズ/グルナッシュ【オーストラリア産 赤/フルボディ】
グラス(税込み) 1,000円、ボトル 5,500円(税込み)

とてもリーズナブルな値段にびっくり!
おまけに、どのワインも料理にぴったりです。

受け継ぐ味

父・喜春さんの思い出

喜春さんは、家でもよく料理を作ってくれたそうです。

「友達が来ると作ってくれた“タンメン”は絶品でした。
野菜の甘味と鶏で出汁をとったスープのタンメン(帝国ホテルのまかないでも評判だったらしいです)。
他にも、たまご10個くらい使った、でっかいオムレツとかいろいろ。
父が、『美味しい』って言って貰いたくて作っていたのを、今なら分かります」

と、智久さん。
間近で、料理の楽しさを見てきたんですね。

子供の頃、よく外食にも連れて行ってもらったそうです。
そして、食べると必ず味を聞かれて、“おいしくない”というと、「どうしたらいいと思う?」と聞かれていたとか。
自分なりの感想を言うと、「良い舌してるな」と褒められたそうです。
料理人親子のキャッチボール。
聞いていて、じんわり温かくなりました。

『銀座古川』伝統の味・父親の味

『銀座古川』で、親子三人が一緒に仕事を始めたのもつかの間でした。
喜春さんが、一年足らずで他界されます。
急な不幸に、智久さんは悲しむ間もなく、お店のことも考えなくてはなりませんでした。

「レシピが無かったんです。
料理の手伝いをしていたので、手順や作り方はなんとなく分かっていたものの、材料やその配分、調味料、火の入れ方、何も残っていませんでした。」

お店を続けるにも、何もレシピが残っていない。
一つ一つのメニューを、自分で再現するしかなかったそうです。

「やって、だめなら仕方ない」

百合美さんの言葉に背中を押され、智久さんは、レシピ起こしに奔走します。

発注伝票から材料を割り出し、喜春さんにも認められた“自分の舌”だけを頼りに、試行錯誤しながらレシピを作っていきます。
そして頑張り抜いて完成したレシピは、常連さんたちも納得してくれる味をまた再現出来ていたそうです。

『銀座古川』の味を再現したんです。
喜春さんの味を再現したんです。
すごいことですよね!
感動で鳥肌が立ちました。

でもこれはゴールではありません。
智久さんの味への追求はまだまだ続いています。
伝統の味を受け継いだ者の宿命として、さらに味を追求していく。

「環境も材料も代わってくるので、レシピは微妙に変えていきます。
それと、食材の差による味のブレ幅をいかに小さくしていくか。それを常に考えています。」

その探究心は、父・喜春さんの味をも越え、もっともっと美味しくなっていくのでしょうね。
『銀座古川』は、その後も銀座の人気店として繁盛していましたが、2019年7月に思い出の銀座を離れ、智久さんが学生時代から縁のある鎌倉へと移転することになったのです。

次回食べるやつ

他にも食べたいものが沢山あります。
『銀座古川』のホームページからもメニューが見られますので、覗いてみてください。
ちなみに今度来た時は、絶対これを食べようと思っているものを紹介しておきますね。

ポークカツカレー 2,100円(税込)

画像出典:銀座古川ホームページ

海老フライとドライピラフ クリームカレー添え 3,100円(税込)

画像出典:銀座古川ホームページ

そしてやっぱり、魚介類のクリームシチュー 3,800円(税込)

画像出典:銀座古川ホームページ

どれも美味しそうでしょう!

最後になりますが

伝統の味、老舗の味。
それだけ聞くと敷居が高くて緊張してしまいそうですが、そんなことはありません。
このお店、とにかくアットホームなんです。
お客さんたちも、みんなにこやかに食事をしています。
百合美さんも、智久さんも笑顔が素敵。
そして、お二人の喜春さんへの思いがいっぱい詰まったお店なんです。
家族っていいなって思いました。

気軽に、ぶらっと入ってみてください。
「いつ来ても、美味しい!」って笑顔になれるお店です。
ほっぺ落ちますよ!

最寄り駅
JR横須賀線, 鎌倉駅

住所
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2丁目12−35 大路ビル 2F

駅徒歩
鎌倉駅(東口)から徒歩5分

営業日
月曜日, 火曜日, 水曜日, 金曜日, 土曜日, 日曜日

営業時間
11:00〜20:00(お客様が食べ終わるまで)

営業時間詳細
ランチ ・月火水金 11:00~14:00(LO) ・土日祝 11:00~14:30(LO) ディナー ・金    17:00~19:00(LO)  ・土日祝 17:00~19:00(LO) ※月火水曜日のディナーはお休みです

定休日
木曜日

予約
ネット予約, 電話予約

電話番号
0467-50-0016

受付開始
登録なし

受付終了
登録なし

予算(下限)
2000

予算(上限)
10000

支払い方法
現金, クレジットカード, QRコード決済

席数
12席

席の種類
テーブル席

席の種類詳細
6テーブル

個室

貸切
貸切可能

喫煙可否
全席禁煙

駐車場
無し

設備・サービス
落ち着いた空間

コース内容
無し

ドリンクメニュー
ソフトドリンク, ビール, ワイン

利用シーン
ランチ, ディナー

アクセス
隠れ家レストラン

サービス
テイクアウト

お子様連れ
可能

公式サイト
https://www.ginza-furukawa.com/

開業年月日
2019-07-08

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