話を聞く限り問題ありまくりなポテト屋なのだが、なぜか最後はハッピーエンドになる話【カンバ通信:第388回】
ジャンボ! 今日もポテ活……なんだけど、その店は入店前から不穏な空気が漂っていた。違和感というか。
店名は「トレース イン デリカシーズ(trace inn ,delicacies)」で、サザンバイパスロード沿いにある。
何がどう違和感なのかを眺めていたら、ハッと私は気がついた。この店、入り口にドアというか、壁がないのだ。
【画像】接客さえ良ければ最高の店になれるのに……なんて思った
入店すると、店の中はホコリだらけ。また、客は私だけで、誰もいなかった。
誰かスタッフが出迎えてくれるのかと思いきや、スタッフたちは厨房の中にいる気配。
誰1人としてウエルカムしてくれるわけでもなく、私はただただホコリを被った椅子に座って待っていた。
すると、何人かのお客さんがレストランに入ってきた。客の1人は大声で話していて、その騒ぎを聞きつけたスタッフが厨房の中から飛び出してきた。
私の方が先に入店して待っていたのに──。
スタッフは、大声で話す客の対応をし始めた。
そしてそのスタッフが大声軍団の接客を終えた時、私にポテトを配膳してきた。
私はまだ何も頼んでいないのに!
この店にはポテト以外のメニューもあるのに!
いったいなぜピンポイントで私にポテトを?
私はモーレツに腹が立った。もしや私、ポテト顔(ポテトを欲しそうな顔)しているから……?
ポテトを食べながら店内を観察していると、かなり接客が “ずさん” であることがわかった。
ポテトを食べ、そのままお金を支払わずに立ち去る客もいた。なにせドアとか無いから、トンズラし放題。
一方、私のように「入店したけど誰も接客してくれないから何も頼めない客(女性2人組)」もいた。
さすがに放置されすぎなので、その女性客2名が店を立ち去ろうとすると、今度は逆にスタッフが「お金を払え」と言い始めた。
「私たちは何もサービスを受けていない!」
女性2人は怒りながら大抗議。そりゃ腹も立つだろう。
しばらく口論が続き、なんだかもう見ていられなくなった私は、仲裁に入ることにした。
「彼女らは何も食べていない。なのでお金を払う必要もない。そもそも、いったいなぜ君たちスタッフは厨房に引きこもっているのか。なぜサービスもせず、お客にこんなことをするのか」と。
するとスタッフは私に平謝り。大変申し訳ないことをしたと詫びてきた。そしてスタッフたちが厨房から出てこない理由を説明し始めた。
なんでも……
この日は、このレストランのシェフが誕生日で、みなで厨房の中でお祝いをしていたとのこと。なので、なかなか接客ができなかったと。
なるほど。
そんな理由で客を放置したり、すざんな接客をするのは店としてどうかと思うが、ポテトは美味しかったので許す! ちなみにポテトの価格は120ケニアシリング(約138円)とビミョーに少し高い設定。
私は、この店が気に入った。接客が多少問題アリでも、ポテトがウマけりゃ問題なし。では、クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.