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未来のリビングルームがそこにある。「Alternative Living展」が3月23日まで有楽町『SusHi Tech Square 1F Space』で開催中

さんたつ

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気鋭のクリエイターたちが、クリエイティブ×テクノロジーの融合による少し先の暮らしの形を提案する「Alternative Living」展が、2025年3月23日(日)まで有楽町『SusHi Tech Square(スシテックスクエア) 1F Space』で開催されている。

未来の東京の暮らしを想像しながら、部屋をめぐる体感型展覧会

展示スペースは、建築家・山田紗子氏の“外と内の境界が溶け出す”作品『透壁』で囲まれている。「普段は建築材として隠れたところに使用されている軽鉄でパーテーション。壁をなくし、光と色をまとうことでゆるやかさと軽やかさを表現した」と山田氏。

「Alternaive」とは「もうひとつの」「代替可能な」を意味する言葉。本展では、クリエイティブとテクノロジーの融合を通して、少し先の未来にある“もうひとつの豊かな暮らし”を提示する。

本展のクリエイティブディレクター・亀山淳史郎氏は「クリエイターの方々に“豊かな暮らし”をテーマに作品を作ってもらいました。ここには新しい主流を体験できる空間が広がっています。アートとテクノロジーの展示であり、ショールームでもあり、気軽に楽しんでもらえたら」と語る。

東京都政策企画局の 大橋さんは、「『サウンド』『映像』『フィジカルな展示』『手にとって遊べる展示』など、多彩なアーティストやクリエイターによる各々の思い描く『未来のリビングルーム』が有楽町駅前に出現します。入場無料で平日は21時まで。都心でリラックスできる穴場です。銀座、丸の内、日比谷などの散歩のついでにぜひお立ち寄りください」と見どころを語ってくれた。

部屋の中には体験して感じる疑問を一緒に考えてくれるアートコミュニケーターも常駐している。尋ねてみれば、新たな気付きが生まれそうだ。

Houxo Que(ホウコォ・キュウ)氏の“テレビの実在が暴れ出す”『Death by proxy』。「マルチメディア機器に囲まれている日々の中で、我々が見ている映像とは何か? ディスプレイ機器そのものは透明になって消えているなか、“モノ”への意識が及ばない現状に対し、本来どういう姿をしているのか、文化の姿を描くことに興味がある」とHouxo Que氏。
河野未彩氏の“雲がリビングに降ってきた”『3Dto4D』『inner sky』。「クラウドを表現した『3Dto4D』『inner sky』2つの作品の違いは、ChatGPTが出てくる前と後という制作時期。ChatGPT以前、クラウドはまだ外側にあったが、以降である現在は人の内側に存在する。生命体であり有機的に情報を提供するものとして、呼吸と連動する作品に変わってきている」と河野氏。
KURANOIEの“暮らしの砂場が時を積む”『TOKI:Caputure Park』。「時の流れを視覚的に表現し、触っても大丈夫な作品を制作。砂を使った照明作品で、モノが姿を消す過程を見せながら、最終的に作品が砂場に還ったときにまた創造性が生まれてくる」と倉員晃紀氏。
落合陽一氏の“デジタル水鏡に記憶が浮かぶ”『ヌル鏡止水』。走馬灯という人生の残響を“デジタルの水鏡の下”に可視化し、訪れた人々がこの水鏡をのぞき込むことで成長する有機的な作品となっている。
小林椋氏の“家具が役割から解放される”『この囲いの戸(木の島)で組む島』。一見家具のように見えて実際は使うことができない、意味と役割を失ったモノとして動き続けるオブジェのある部屋。そこに暮らすことが日常の当たり前から人々の心を解き放つ。
ユカイ工学の“ロボットたちが撫でられ待ち”な『しっぽがある暮らし』。やさしくなでるとゆっくりしっぽを振り、たくさんなでると喜ぶように激しく振る。唯一実際に購入できるプロダクトでもある。

3D空間上に自分でおもしろ家具を作ってみよう

未来の部屋で作品をめぐり、その暮らしぶりがイメージできたら、自分でもさまざまな模様の家具を3D空間上にブロックを配置して作ってみよう。完成した家具はほかの人の家具と一緒にギャラリーの好きな場所に展示したり、二次元コードを使って、作成した家具のデータを持ち帰ることもできる。

開催概要

「Alternative Living展」

開催期間:2025年1月18日(土)~3月23日(日)
開催時間:11:00~21:00(土・祝は10:00~19:00。入場は閉館30分前)
休業日: 月(2月24日は開場)・2月25日 ※臨時休となる場合があるため、公式サイトを参照。

会場:SusHiTech Square 1F Space(東京都千代田区丸の内3-8-3)
アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩1分
入場料:無料

【問い合わせ先】
公式HP  https://sushitech-real.metro.tokyo.lg.jp/alternativeliving/

取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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