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中小企業必見!申請からフォローアップまでわかる【2025年版】補助金徹底ガイド

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補助金イメージ

「このまま同じような仕事をしていても限界がある」「新しい事業を展開したいけど資金面が不安」と、経営者の方の悩みは尽きないのではないでしょうか。競争が激化する令和の時代において、新たな取り組みを行うことは企業が生き残るためにも必須といえます。

そのようなときにおすすめなのが、国や自治体が支援する様々な「補助金」の活用です。新型コロナウイルス感染症の影響、原材料費の高騰、人手不足など、厳しい経営環境が続いているため、国や自治体が中小企業の方に様々な補助金を用意しています。

この記事では、中小企業が活用できる補助金について、特徴や申請の方法、採択率を上げるためのコツなど、事例も踏まえて詳しく解説します。ぜひ、活用して新たな一歩を踏み出していきましょう。

中小企業新事業進出補助金

特徴と申請方法

中小企業新事業進出補助金とは、既存の事業とは異なる「新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等」に対して支援される補助金のことです。

昨今の人手不足や、賃上げなど社会情勢が変化する中で、中小企業のさらなる成長を促すには既存事業の拡大のみならず、新規事業への取り組みが必要となります。

新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、事業規模が拡大し、生産性の向上によって賃上げにつなげることを目的としています。

申請方法は以下の通りです。

出典:中小企業庁|「中小企業新事業進出補助金」shinjigyo_shinsyutsu.pdf

2025年3月現在、申請方法などは公式に発表されておらず、補助金などを運営している事務局を選定している段階です。ただし、2025年4月ごろに第1回の公募が開始される予定であるため、公募開始までに申請書を準備しておきましょう。

なお、期限が過ぎた場合は申請ができなくなるため、注意しておく必要があります。中小企業新規事業進出補助金では、オンラインの申請のみ受付が可能です。

その際に「GビズIDプライムアカウント」が必要となるため、事前に取得しておく必要があります。「GビズIDプライムアカウント」とは、1つのIDとパスワードで、複数の行政サービスにログインができる法人・個人事業主向けの共通認識システムのことです。

補助対象の事業内容

中小企業新事業進出補助金の補助対象となる事業内容は以下の通りです。

補助対象者

新製品・新サービスを新規顧客に提供するために新たに挑戦する中小企業等

基本要件

①付加価値額の年平均成長率が4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率2.5%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表等、基本要件を全て満たす3~5年の事業計画への取り組み

補助率

1/2

補助上限額

従業員数20人以下の場合、2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人の場合、4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人の場合、5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上の場合、7,000万円(9,000万円)

※ただし補助下限金額は750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額)補助対象経費

建物費、構築物費、システム構築費、広告宣伝・販売促進費、専門家経費、運搬費、技術導入費など

出典:中小企業庁|「中小企業新事業進出補助金」 shinjigyo_shinsyutsu.pdf

補助対象となる事業として押さえておくべきポイントは「新製品や新サービス」に挑戦することが前提です。既存事業を少しアレンジしただけでは新事業とはみなされない可能性が高いため、気をつけておきましょう。

また、基本要件の②、③が未達であった場合、未達成率に応じて補助金の返還が求められる点にも注意が必要です。ただし、付加価値が増加しておらず、かつ企業全体が営業赤字の場合、天災など事業者の責めに期さない理由があった場合は返還が免除されるという特例があります。

申請手続きと成功のコツ

中小企業新事業進出補助金の申請方法は以下の通りです。

申請書類の作成公募期間内に申請交付候補者決定交付申請と決定補助対象事業の実施確定検査と補助金交付事業化状況報告

補助金を活用する場合、まずは基本要件を確認し、すべての基本要件を満たしましょう。1つでも満たしていなければ補助金の交付は受けられません。

そこで、少しでも採択率を上げるためのコツをお伝えします。

基本要件の確認事前準備の徹底質の高い事業計画書の作成専門家によるサポートの活用

まず、事前準備を行う上でポイントとなるのは「公募要領」を読み込んで、計画書を策定することです。その際に、専門家のサポートを活用することをおすすめします。

計画書は採択の可否を決める重要な書類であり、入念に作りこむことが必要です。自身で計画書を作成することは可能ですが、多数の応募者の中で採択されるためには、ほかの応募者よりも優れた事業計画でなければなりません。

当然、全員が採択されるわけではないため、専門家に依頼することで、採択率を上げることができます。事業計画書を作る前に、これらの準備を怠ることなく、着実に通るように準備しておきましょう。

中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、生産性の低さや人手不足に悩まされる中小企業が、Iotやロボットなどの省力化機材の導入を支援する補助金のことです。申請方式として「カタログ型」と「一般型」の2つがあります。まず「カタログ型」の概要について見ていきましょう。

カタログ型

補助対象者

人手不足の状態にある中小企業などが、省力化製品を対象商品のリストから選んで導入し、販売事業者と共同で「労働生産性年平均成長率3%向上」を目指す事業計画に取り組むもの

基本要件

①「労働生産性の向上目標」の策定
補助事業終了後3年間で申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定。採択を受けた場合はその事業計画に取り組む
②「賃上げの目標」の策定
賃上げの目標策定により、補助上限額を50%引き上げる。賃上げ目標は、申請時と比較して以下2点の達成を見込む事業計画を策定

(a)事業場内最低賃金を45円以上増加
(b)給与支給総額を6%以上増加

※給与支給額を用いるのが適切でないと判断される場合、給与支給総額増加率の代わりに、一人あたり賃金の増加率でも可補助率

1/2

補助上限額

従業員数5人以下の場合、200万円(300万円)
従業員数6~20人の場合、500万円(750万円)
従業員数21人以上の場合、1,000万円(1,500万円)
※大幅賃上げ特例適用事業者の場合、補助上限額を上乗せ(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額)

補助対象製品

清掃ロボット、自動倉庫、検品・仕分システム、券売機、自動精算機等

出典:中小企業省力化投資補助金のチラシ shoryokuka_leaflet.pdf

中小企業省力化投資補助金を活用することで、省力化機器を導入しやすくなるため、業務の生産性が向上するでしょう。これまで、人の手で行ってきた業務を機械化することで、付加価値の高い業務に移行できるため、さらに業務の改善につなげられます。

また、単純作業でありながらも時間がかかっていた業務を省力化することで、労働時間を短縮することも可能です。長時間労働から解放され、従業員のワークライフバランスを保てるだけではなく、賃上げにより従業員の士気向上にもつながります。

職場環境が改善され、働きやすい職場となれば、新たな人材の雇用も図れるなどメリットも出てくるため、積極的に活用しましょう。なお、2025年2月28日から中小企業省力化投資補助金が、以下の通り一部変更されます。

販売店の登録要件が緩和:販売店は製造事業者からの招待不要で、販売事業者登録ができるようになります。登録する販売価格(補助金額)は、製造事業者の実績ベースから販売事業者の実績ベースへ:販売・商流の実態に合わせて、販売事業者が登録する省力化製品の販売実績に基づき、補助上限額が登録されるようになります。製造業者:製品登録申請時に価格の申請がなくなります。(納品実績については申請が必要です。)販売事業者:登録する製品の販売実績に基づき補助上限額が登録されます。※変更点の詳細、手続き方法は、今後公開される資料の確認が必要です。

引用:2025年2月28日 中小企業省力化投資補助金が変わります カタログ注文型 change_announcement_250228_leaflet.pdf

一般型

つぎに、一般型の概要について見ていきましょう。

補助対象者

カタログ型と同様

基本要件

①労働生産性の年平均成長率+4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上増加
③事業場内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表等(従業員21名以上の場合のみ)

※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみ補助率

中小企業1/2、小規模再生2/3

※補助金額1,500 万円までは1/2もしくは2/3。補助金額 1,500 万円を超える部分は1/3補助上限額

従業員数5人以下の場合、750万円(1,000万円)
従業員数6~20人の場合、1,500万円(2,000万円)
従業員数21~50人の場合、3,000万円(4,000万円)
従業員数51~100人の場合、5,000万円(6,500万円)
従業員数101以上の場合、8,000万円(1億円)

※大幅賃上げ特例(補助上限額を250~2,000万円上乗せ(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。最低賃金引上げ特例事業者、各申請枠の上限額に達していない場合は除く))

① 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加
② 事業場内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準
上記①、②のいずれか一方でも未達の場合、各申請枠の従業員規模区分別の補助上限額との差額について補助金を返還。

補助対象製品

清掃ロボット、自動倉庫、検品・仕分システム、券売機、自動精算機等

引用:中小企業省力化投資補助事業(一般型) 公募要領 application_guidelines_ippan.pdf

基本要件②が未達の場合、未達成率に応じて補助金の返還が必要です。ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が免除されます。

また、基本要件③が未達の場合は「補助金額/計画年数」で補助金を返還しなければなりません。ただし、こちらも基本要件②の場合と同様の理由がある場合は例外もあります。

参考事例と成果

省力化設備投資を行うことによって、成果に結びついた実例を紹介していきます。

建設事業の活用

建築業界は、建築需要が増加する一方で、就業者数が減少し、慢性的な人手不足に陥る企業が少なくありません。人手不足を解消するために、重機ロボットや自律走行搬送ロボット、遠隔監視ロボットなどの活用事例があります。

飲食事業の活用

アフターコロナによるインバウンド増加により、集客数が増加するなどの影響で人手不足に悩む事業者が増えています。解消の1つとして導入が増えているのが「自動配膳ロボット」です。自動配膳ロボットは走行ルートや店内の見取り図を記憶させると、ガイドなしで自動走行できます。

医療・介護事業の活用

医療・介護業界では、日本の社会的問題である「少子高齢化」への取り組みが必要不可欠です。深刻な人手不足を、介護ロボットや介護入浴機器、手術支援ロボットなどの導入によって解消を図っています。

介護現場での入浴介助をロボットに頼ることで、複数人のスタッフで行っていた入浴介助が1人のスタッフのみで支援できるようになりました。

申請時の注意点

省力化補助金を申請するにあたっての注意点を紹介します。

虚偽申請や不正行為の禁止

補助金を申請する際は、必ず正しい情報を記載しなければならず、これは「補助金適正化法」で定められています。昭和30年(1955年)に施行された補助金適正化法は、補助金等の交付の申請や決定等、基本的なことに加え、不正な申請や使用の防止、執行や交付の適正化が目的です。

なお、違反が発覚すると、補助金の返還や、法的措置が取られる可能性があるため気をつけておきましょう。

GビズIDプライムアカウントの取得

省力化補助金を申請する際、申請に必要なアカウント「GビズIDプライムアカウント」を事前に取得しておく必要があります。アカウントの発行には時間がかかる場合もあるため、早めに準備しておきましょう。

最低利用期間の遵守

省力化製品を導入する上で注意しておかなければならないのは、最低でも1年以上利用する必要がある点です。1年未満で利用を中止した場合、補助金の返還が求められる可能性もあります。

効果報告の徹底

補助金交付後は、製品の使用状況、生産性の向上、賃上げの状況などを5年間報告しなければなりません。仮に、報告を怠ると、交付決定が取り消される可能性もあります。補助金の要領を理解しておかないと、返還や交付決定の取り消されるため注意しておきましょう。

ものづくり補助金

基本要件と補助内容

ものづくり補助金は、中小企業や小規模企業者が革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスを改善するために設備投資を支援する制度です。本件では、ものづくり補助金の19次締切に基づく情報をもとに、詳細を解説していきます。

基本要件

以下を満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行
① 付加価値額 年平均成長率+3.0%以上増加
② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が地域別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、または給与支給総額 年平均成長率+1.52.0%以上増加
③ 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の交付(従業員21名以上)
※3~5年の事業計画に基づき事業の実施に加え、毎年、事業化状況報告の提出により事業成果を確認します。
また、基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。

補助対象経費

<共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費など
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

ものづくり補助金では、2つの枠があります。枠ごとに補助の上限額が異なるため、詳細について確認しておきましょう。

製品・サービス高付加価値化枠

・補助上限:750万円~2,500万円
・補助率:中小企業1/2、小規模・再生2/3

グローバル枠

・補助上限:3,000万円
・補助率:中小企業1/2、小規模2/3

なお、大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額が100万円~1,000万円上乗せされます。
ただし、次の要件を満たさなければなりません。

・給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加
・事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準

どちらか一方でも満たさない場合、補助金の返還義務があるため気をつけておきましょう。

また、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる事業者は、補助率が2/3に引き上げられます。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版
令和6年度補正予算ものづくり商業サービス生産性向上促進補助金 チラシ r6_mono.pdf

申請方法は以下の通りです。

申請書類の作成公募期間内に申請採択の通知補助対象事業の実施実績報告

申請は公募期間中にオンラインで行います。こちらも「GビズIDプライムアカウント」を事前に取得しておきましょう。また、補助金の審査では事業計画の内容が重要となるため、専門家のサポートを活用することで採択率を高められます。

イノベーション促進に向けた補助

イノベーション促進は、企業や社会全体が新しい価値を創造し、変革を起こすための取り組みです。技術革新だけでなく、ビジネスモデルやサービスに加え、組織構造などの革新も含んでいます。

各自治体を始め、様々な取り組みがなされており補助金にはさまざまな種類があります。今回は特にイノベーション促進に関する3つの補助制度をご紹介します。

TOKYO戦略的イノベーション促進事業ゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業補助金

TOKYO戦略的イノベーション促進事業は、東京都が推進する先端技術やイノベーションの育成・支援プログラムによって、都内産業の競争力、地域経済の活性化が期待される事業です。

都市課題の解決に向けた成長産業分野などの開発支援テーマに基づいて、革新的な技術や製品の開発を支援します。他にも、各自治体や大学、銀行なども積極的に取り組む分野です。

詳細はそれぞれの公式サイトで確認してみましょう。

参照:
令和6年度 TOKYO戦略的イノベーション促進事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社
ゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業
フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業補助金の募集開始について|フィンテック産業の育成|スタートアップ・国際金融都市戦略室(東京都)

補助金を活用するには

補助金審査に通るための戦略

補助金には審査があるため、応募すれば通るというわけではありません。審査に通過するためには、いくつかのポイントとコツがあるため把握しておきましょう。

詳細は以下の通りです。

公募内容の確認加点項目を把握する申請書の内容を分かりやすく記載する事業の健全化専門家のサポートを受ける1.公募内容の確認と加点項目を把握する

公募内容を確認することは当然ですが、案外できていない事業者も多いようです。各種補助金には必ず公募要領が公開されているため、事前に必ず確認しておきましょう。また、公募要領には補助金の内容だけでなく、目的や審査基準などが記載されています。

2.加点項目を把握する

補助金によって基準は変わりますが、加点要素を確認することは重要です。公募要領に加点要素があった場合は、採択率が上がりやすくなるため、自社に取り入れられないかを必ず確認しましょう。

3.申請書の内容を分かりやすく記載する

審査員は、全員が応募される分野に精通しているわけではありません。ポイントは「自社の事業に詳しくない人」が読んでも分かりやすく記載することです。できる限り、専門用語を使わず、図やグラフを用いて分かりやすくするなど工夫してみましょう。

4.事業の健全化

補助金の申請において、企業の収益力や財務状況が健全なほど、審査に通りやすくなります。当然ながら、事業が継続できなければ、補助金は受けられません。仮に応募した段階で赤字が続いている、債務超過の金額が大きいなどであれば採択されることは難しいでしょう。

5.専門家のサポートを受ける

補助金の申請は難しく、ノウハウがなければ採択される確率が下がってしまうでしょう。事業計画の立て方、書類の作成方法など専門的な知識を有するものが多く、簡単に通るものでもないため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。専門家であれば、自社にあった補助金の提案や、書類作成のサポートまで幅広く対応してくれるでしょう。

成功事例

補助金は中小企業にとって、設備投資や新規事業を立ち上げるための強力なツールとなります。しかし、実際に申請書を作成する段階で「公募要領の内容が分かりにくい」「どのように書けば審査が通過しやすいか」など、多くの疑問が出てくるのではないでしょうか。

ここでは、補助金の申請を活用し、事業がうまくいった企業の実例を紹介します。すでに実績を出した実例を見ることでゴールが明確になるため「さらに事業計画が立てやすくなる」「申請書が書きやすくなる」などのメリットもあります。

まずは、採択率を上げるための工夫を確認した上で、実際に採択を受けて補助金を活用しながら成果を出した企業を見ることで理解を深めましょう。

補助金でビジネスを進化させた企業の成功例

今回は、数ある補助金の中でも知名度のある「ものづくり補助金」の採択事例を見ていきましょう。なお、ものづくり補助金の18次公募では、応募総数5,777件の内2,070件が採択されたため、採択率は約36%でした。今後、申し込みを予定している方は、ぜひ他社事例を参考にして、計画策定などを行いましょう。

A社の事例
A社は工作機械で金属部品を加工する会社です。包装機械や医療機器などの多品種少量の部品加工が主力事業でしたが、新規開拓や利益率の改善などが課題でした。

ものづくり補助金を活用し「EV・PHV 向け コンデンサ用真空乾燥装置部品の開発試作・量産体制の構築」に取り組んだ結果、電子部品など技術力の高い試作や量産体制が整いました。

ここでのポイントは3つです。

積極的なVE/VA提案で顧客の信頼を得る成長分野のMLCC市場に参入果たす導入設備で加工領域が拡大し新規受注に

これまでの分野を維持しつつも、新たな取り組みにより業務の幅を広げられた事例でした。

参考:グッドプラクティス集 令和6年度ものづくり・商業・サービス補助金成果活用(goodpractice2024_a4_20250205.pdf)

申請後のフォローアップ

補助金は採択されて、活用したら終わりというわけにはいきません。取り組み状況の定期的な確認や、報告書の作成などが必要です。

事業進捗状況の確認追加支援の受け入れ評価とフィードバックネットワークの拡大将来的な補助金申請への影響

フォローアップにより、補助金の使用状況や事業の進捗状況を定期的に報告するため、問題が発生した場合の対応や、追加支援が必要な場合にも対応しやすくなるでしょう。また、定期的に報告することで、事業の成果についてフィードバックや、技術的な支援、専門家のアドバイスを受けられることで、事業の改善にもつながります。

中には、他の受給企業や支援機関とのネットワークが拡大する場合もあり、新たなビジネスチャンスやパートナーシップが得られることも期待できるでしょう。フォローアップは、事後の定期的な管理面で負担があるとはいえ様々なメリットも多く、今後の補助金活用に役立てるという意識で取り組むことが重要です。

まとめ

補助金を活用することで、既存の事業の大幅な改善や、新たなビジネスの取り組みによるビジネスメリットなどを説明してきました。中小企業新事業進出補助金・省力化投資補助金・ものづくり補助金などの概要や申請方法、成功のコツ、実際の活用事例を見ることで、自社への活用のポイントが理解できたでしょう。

いずれの補助金も、新たな事業を通じて、生産性向上やイノベーションを促進するための強力な支援策となりえます。

また、採択後のフォローアップによって定期的なフィードバックを受けることで、事業の改善ができるだけでなく、次回以降の補助金申請時にも有利に働きます。

とはいえ、誰もが補助金を活用できるわけではありません。そこで、税理士・行政書士・中小企業診断士など専門家の積極的な活用をおすすめします。プロのサポートを受けることで、煩雑な公募要件の確認、事業計画の策定を代行してくれるだけでなく、採択率アップの期待もできるからです。

今後、経営環境はより変化が激しく、迅速かつ的確な判断が企業には求められます。これらの補助金をうまく活用することで、少しでもリスクを抑えながら新しい挑戦を加速させ、自社の競争力を高めていきましょう。

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