「父と家族で過ごした最期の日」家族で乗り越えた介護生活で得たものとは【体験談】
家族の認知症と向き合うことは、決して簡単なことではありません。私の介護体験は、その困難さと同時に学びと成長にも満ちたものでした。今回は、私が家族の介護を通して経験したエピソードをお伝えします。
認知症の初期症状に気付く
私の父に認知症の初期症状が見え始めたのは、私たち家族にとって衝撃でした。父の日常生活におけるささいな変化に最初は気付きませんでしたが、次第に物忘れや言動の変化が目立ち始めました。例えば、家の鍵や財布の置き場所がわからなくなったり、炊事や掃除などの日常的な家事を忘れたりすることが増えました。
また、会話の中で同じことを何度も繰り返すことが増え、昔の思い出を話すことが好きだった父が、その昔話を繰り返すことが増えました。最初は「老化現象だろう」と考えていましたが、段々と症状が悪化していく中で、家族全員がその違和感を抱くようになりました。
医師の診断により、父親が認知症の初期段階にあることが明らかになりました。この診断は、私たちにとって大きな衝撃でしたが、同時に父親の状態を理解し、適切なサポートを提供するための第一歩となりました。
家族全員でのサポート体制の構築
父が認知症と診断されたあと、私たちは家族全員が協力し合い、父親の介護に当たることを決意しました。兄弟姉妹がそれぞれの役割を担い、母親は特に精力的に父親のお世話をしました。私は仕事と育児の間で介護を担当しましたが、家族の結束力と励ましの言葉が常に支えとなりました。予定の調整や医療機関との連絡など、介護に関するさまざまな面で協力し合いました。
また、家族で情報を共有し、父の健康状態や日常の変化を常に把握するよう努めました。困難な時期においても、家族全員が協力し支え合うことで、父が安心して生活できる環境を作り上げることができました。家族の結束力は、介護の重荷を軽減し、父親にとっても私たちにとっても心の支えとなったのです。
施設探しと新たなステージへの移行
父親の認知症が進行するにつれて、自宅での介護が難しくなってきました。家族で話し合い、専門の介護施設を探すことに。施設探しは時間と労力を要しましたが、父親の安全と安心を考えると必要な選択でした。新たな環境への移行は父親にとっても私たちにとっても大きな変化でしたが、その後の父の安定した生活は私たちにとって救いとなりました。
父親の最期の日々は家族全員にとってつらいものでしたが、父のそばにいられたことに感謝しています。父が私たちの手を握りしめる中、静かにその人生を送ることができました。父の介護は決して簡単なものではありませんでしたが、その経験を通して私たちは愛情と絆の大切さを再認識しました。
まとめ
認知症との闘いは家族全員にとって大きな試練でしたが、その中で絆を深め、お互いに支え合うことができました。介護という大きな課題に直面しても、家族の愛と結束力があれば乗り越えられることを知りました。父親の介護を通して学んだことは数多くありますが、その中でも「家族との絆を大切にすること」が、私にとっての一番です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:杉浦はじめ/40代女性・パート
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)