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「まるで認識が書き換えられていくような……」際立つ亜鳥の特異性を表現するため「この子の中では日常」「普通に言う」を意識して──『ばっどがーる』水鳥亜鳥役・花宮初奈さんアニメ振り返りインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年7月より放送中のTVアニメ『ばっどがーる』。こだわり抜かれたフェチと次々展開されるボケ・鋭いツッコミなど、放送開始から大きな注目を集めています。

アニメイトタイムズでは、これまでに放送されたエピソードをキャスト陣が振り返るインタビューを実施! 第9話放送後の今回は水鳥亜鳥役・花宮初奈さんに登場いただき、優や涼、るら、水花、清の魅力を皮切りに、これまでの『ばっどがーる』を振り返ります。

特異性を見せつけ続ける亜鳥を演じるために意識したことは? 作中屈指のカリスマ性を体現する亜鳥について、花宮さんはどのように感じ、考えているのでしょうか。

【写真】『ばっどがーる』水鳥亜鳥役・花宮初奈 アニメ振り返りインタビュー

「みんなの魅力が詰まっている回だと思います」

──TVアニメ『ばっどがーる』の完成映像をご覧になった感想をお聞かせください。

水鳥亜鳥役・花宮初奈さん(以下、花宮):とにかくテンポが良い原作なので「どうやってアニメで表現するんだろう」と思っていたんです。漫画は自分のペースで読み進められるけれど、映像は流れてしまうものですから。

完成映像を見てみたら、アニメでも原作の魅力を引き出す形でテンポ良く進んでいって! いつの間にか今週分が終わってしまう……という現象が毎回起きています(笑)。あっという間ではあるものの、魅力が凝縮されているので物足りなさはないんですよね。スゴいなぁと思いながら、毎話楽しんでいます。

──本編終了後のDパートも、デザート感があって。

花宮:そうですよね。Dパートに救われている方もたくさんいらっしゃるのではないかと(笑)。原作ファンの方々が見ても確実に楽しめるだろうと思っています。

──アニメを見て、さらに好きになったキャラクターはいますか?

花宮:みんな魅力にあふれていて、毎話誰かが可愛いので一人に絞るのは難しいのですが……亜鳥ちゃんとはまた違う方向性の変人で親友でもある(清木)清さんが気になります。あとは妹の(水鳥)水花でしょうか。登場するたびに可愛いなと思っています。

しかも可愛いだけではなくて、亜鳥ちゃんのこととなるとちょっと気持ち悪い面も見えてきて(笑)。そのシーンの前田佳織里さんの演技が好きなんです。気持ち悪さの中に可愛さがあってスゴいなと思いますし、より水花の魅力が増しているなと感じました。

──清を演じるLynnさんの演技も筆舌に尽くしがたいものがありました。

花宮:肉丸先生もおっしゃっていましたが、スゴかったですね……。お二人のお芝居を見させていただき、とても勉強になりました。

Lynnさん演じる清さんはヤバいキャラクターではあるものの亜鳥ちゃんとは親友の関係性ですから、一番亜鳥ちゃんのことに詳しい人物だと思っています。それでも漂ってくるヤバさのようなものを、掛け合いの中で感じていました。

明らかに匂わせているわけではないのに、なぜか節々に感じるキケンな香り……素晴らしいなと思いましたし、その様子を現場で見ていた全員がキャッキャしてました(笑)。何度でも聞きたかったです。

そのヤバさを、Lynnさんが何でもなくこなしてしまうんですよね。プロだなと思いました。

でも、Lynnさんも「ここまでヤバい子は初めて演じた」とおっしゃっていて、初めてでこのクオリティなんだ……!とビックリした記憶があります。

──水花を演じる前田さんについてもお聞かせください。

花宮:ご本人が気さくな方でありつつ、少し変わってもいると思いますので水花と合っていたのかなと。可愛いシーンと、お姉ちゃんのことを想ってデュフデュフしているシーンのギャップが良かったです。

優ちゃんに見せることが多い「(亜鳥は)私のお姉ちゃんだから!」というようなお芝居が可愛らしいのに、デュフデュフ、ハァハァしているシーンはこれでもかというくらい表現されていて。『ばっどがーる』の現場は勉強になることばかりだったのですが、特に学ばせていただきました。毎週楽しみでしたね。

あと、アフレコ現場で印象に残っているエピソードなのですが、前田さんのバッグになぜか日本酒が入っていたことがあって。

──バッグに日本酒……?

花宮:前田さんが、お酒がお好きなことは知っていたのですが、まさか瓶で持ち歩いていらっしゃるとは……と。そのアフレコの際に、肉丸先生も美味しいお酒をたまたま持ってきていて「欲しい人いますか?」と聞いていらっしゃったんです。そのときに前田さんが「私もお酒を持ってます!」と盛り上がっていました。そんな偶然ある?と驚きましたね(笑)。

──前田さん、どうしてお酒をお持ちだったんでしょう……?

花宮:なんでなんだろう、たまたまだったようですが……。ビックリしたことも相まって、とても印象に残っています(笑)。

──放送されたばかりの9話で印象に残っているシーンを教えてください。

花宮:「さらなるいただき」というサブタイトルのお話がありましたが、みなさんお待ちかねのお風呂シーンでした。優ちゃんと水花が、どうしてもお風呂に入っている亜鳥ちゃんを見たい、というお話でして、原作の中でもとても好きなエピソードだったんです。これを映像で見ることができる喜びを感じていましたし、みなさんもそうなのではないかなと思います。

『ばっどがーる』は、どのお話も女の子の可愛い仕草やフェチが詰め込まれています。9話でも変わらず、確実に色々なものが詰め込まれているなと感じて大好きです。

──優と水花はもちろん、亜鳥と涼の会話も魅力的でした。

花宮:あの二人の組み合わせも良いですよね! (涼に)ちょっかいをかけ続ける亜鳥ちゃんを見ていて、面白いんだろうなと(笑)。

──涼役の松岡さんとの掛け合いにおける思い出について教えてください。

花宮:このシーンだけではないですが、基本的に涼風さんって亜鳥のことを……嫌っているわけではないと思うのですが好きでもないじゃないですか。9話のリンスを塗りたくるシーンでも表情や口調が怒っていて、松岡さんもそのような演技をされていました。

その声を受けた亜鳥ちゃんはゾッとするのですが、亜鳥ちゃんがゾッとするシーンがこれまであまりなくて。(これまでは)ゾッとさせる側だったので初めて攻撃されているなぁと感じましたし、松岡さんも楽しかったのかノリノリで悪巧みしているような様子で演じていました(笑)。

──(笑)。涼から見ると、優が遭難してしまったのは亜鳥のせいでもある、というように見えてしまったのかもしれません。

花宮:でも、そのあとの涼風さんも亜鳥ちゃんに「ちょっとやりすぎました」と謝っているんですよね。良い子だなぁと思いましたし、亜鳥ちゃんも(涼の)そういう部分も好きなんだろうなぁと思いました。みんなの魅力が詰まっている回だと思います。

花宮さんが思う「水鳥亜鳥」とは

──実際に亜鳥を演じる花宮さんから見て、亜鳥とはどのようなキャラクターだと思われますか?

花宮:不思議な子だと思っています。枠にとらわれないといいますか、いわゆる〇〇系などのジャンル分けがない気もしていて。だからこそお芝居においても「突拍子もない感じって、どうやって表現したらいいんだろう」と悩むこともありました。今までにないキャラクターで、毎話楽しみながらアフレコをしていました。

演じてみても「変だな」と思っていましたが、それが正解なのではないかと思います。この子は最後までわからないんだろうなと。橘(杏咲)ちゃんと亜鳥ちゃんについて喋るのですが、謎のままで終わることが多くて。何でもありだからこそ、どのような結果でも「亜鳥先輩だしなぁ……」で終わる気がしています(笑)。

花宮:キャラクターによっては「この子はこんなことをしない!」という解釈が生まれると思うのですが、亜鳥ちゃんは何でもやりそうですよね。お淑やかで美人な振る舞いもできると思いますし……掴めないところが魅力だと思います。

──亜鳥を演じる際に、特に意識していたポイントを教えてください。

花宮:変なワードでも「この子の中では日常」と思いながら「普通に言う」を心がけていました。亜鳥ちゃんの発する言葉に、ただみんなが驚いているだけなのではないかと。

──たしかに最近、亜鳥が発する一言一言について驚きはするものの、違和感を覚えなくなっているような気がします。

花宮:(笑)。それが本質なのかもしれませんね。「亜鳥ちゃんがそう言ってるから……」と、まるで認識が書き換えられていくような……。でもそうなっても仕方ないのかなと思います。怖いですね。

──よりその一面が色濃く出るのがADC(亜鳥様大好きクラブ)との掛け合いかと思います。ADCのみなさんとのアフレコはいかがでしたか?

花宮:錚々たる方々の前で、しかもその方々に崇められている役でドキドキしていました。ただ、こんな機会は多くないと思いますので、ありがたいという気持ちが一番でした。

ADC初登場のエピソードでは、亜鳥ちゃんが幼稚園児を目覚めさせるような行動をしていて、ワルいところが出ているなと(笑)。みんな手が止まってましたから。

──いつの間にか全員が亜鳥の虜になっていました。

花宮:本人はそれに困っていたようですが、あの回のおかげで優ちゃんと親密になったのかなと思います。優ちゃんとの関係値が変わったこともあり、個人的に印象に残っているお話です。ずっと犬でしたが、今は、人間に見えていたらいいなと思います(笑)。

──第5話の清との会話で「人間(こっち)側」という表現を使っていましたね(笑)。そう考えると亜鳥先輩から見た世界って……。

花宮:歪んでいるかもしれません(笑)。一回、亜鳥ちゃんの一人称視点で展開されるお話を読んでみたいです。もしかしたらスゴいことになっているかも……。

第4話の「秘密の教室」で亜鳥ちゃんが描いていた絵も、亜鳥ちゃんの視界に映る世界そのままかもしれませんから。「傑作」って言ってましたからね(笑)。

──優の「コヒュッ」を受けることも多かったと思います。横で見ていて、変化などは感じていましたか?

花宮:オーディションの時点から優ちゃん役は「コヒュッ」がキモになると思っていて、「コヒュッ」ができる方が優ちゃんを演じるんだろうなと考えていました。橘ちゃんの「コヒュッ」も、どんな「コヒュッ」なのかなとワクワクしながら聞いていました。

楽しげに演じているときもあれば倒れそうなときもあって。「コヒュッ」って日常生活で言わない言葉なのに、その時、その状況に合わせたバリエーションで「コヒュッ」を出せるのが橘ちゃんだからこそなのかなと。

基本的に「コヒュッ」の前に亜鳥ちゃんのセリフがあるので、優ちゃんが「コヒュッ」って「大丈夫!?」と声をかけるまでが一連の流れになるのですが、優ちゃんの「コヒュッ」が毎回違うので「大丈夫!?」も毎回違うものになっていたように思います。その変化は見ていて聞いていて楽しいなと思っていました。

──そんなTVアニメ『ばっどがーる』を彩るオープニング・エンディングテーマについて、映像付きでご覧になった感想をお聞かせください。

花宮:オープニングの「すーぱーびっぐらぶ!」は“きらら”感が全面に出ていて可愛いです。あとは、なぜか上半身に何も着ていないような気がするカットが多々あって。ありがたいですよね(笑)。

オープニングから飛ばしているといいますか「何でもあり」「楽しい」「ワチャワチャしている」世界観……終盤では亜鳥ちゃんも馬に乗っていて(笑)。隅々に様々なこだわりを感じます。

エンディングは打って変わるカッコよい仕上がりで。どちらの雰囲気も楽しめるのが『ばっどがーる』の良さなのかなと思います。天狼群として着ている衣装とキャラクターたちが着ている衣装がリンクしているのもこだわりポイントだと思いますし、個人的にもお気に入りです。

──これから放送される第10話の注目ポイントを教えてください。

花宮:亜鳥ちゃん不在でみんながお勉強会をする回があるのですが、(瑠璃葉)るらの勉強方法を聞いて「めっちゃいいね……!」とみんなで言っていました。覚えやすくてタメになるんですよね。学生のころに知りたかった方法だなと思いましたので、特に学生のみなさんにご覧いただきたいです。

今台本を見て思ったのですが、10話はすべてのサブタイトルに「♡」が付いていてスゴいですね……! 楽しみにしていただけたらと思います。

──最後に『ばっどがーる』および天狼群のファンへメッセージをお願いします。

花宮:TVアニメも終盤へと差し掛かっていますが、キャラクターの魅力が出揃い始めて虜になっている方もたくさんいると思っています。それぞれの組み合わせの魅力が原作から描かれ続けています。みなさんが好きなキャラクターの組み合わせがあれば教えてほしいです。

残りの話数でも可愛いだけじゃない魅力が溢れていますし、まだまだ新たな供給があると思いますので、毎週楽しみに見ていてほしいと思います!

【インタビュー・文:西澤駿太郎 編集:太田友基】

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