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Amber Time(アンバータイム)

湘南人

読者の皆様はオーセンティックバーをご存じでしょうか。本物や伝統的という意味を持つオーセンティック(Authentic)の名を冠するバーで、落ち着いた雰囲気と大人のマナーが保たれた場所と言われています。

その一方で、SNSやお酒系のコミュニティサイトでは「オーセンティックバーで失敗しないために」などと題したコンテンツを目にした経験もあるでしょう。オーセンティックバーには興味はあるけれど、何か特別なお約束があるのではないか、一見さんお断りの暗黙のルールがあるのではなど、敷居の高さを感じているかもしれません。

そこで今回はお酒好きの湘南人ライターが、平塚市で35年以上の歴史をもつオーセンティックバー「Amber Time(アンバータイム)」を取材。同店の代表である花島マスターに、オーセンティックバーで失敗しないための「大人のマナー」を伺うと共に、マスターお勧めのウイスキーをオーダーしてみました。

Amber Timeはオールドボトルと呼ばれる終売品やコダワリのカクテルが評判を呼び、都内から通うファンも居ると伝えられる老舗です。ファンが熱い視線を送るオールドボトルは、店内に並べられているだけでも1,300種類を超えるのは驚きのひとこと。オーセンティックバーを学ぶには、相応しい名店です。

オーセンティックバーのルールには理由がある

取材時にAmber Timeのドアを開けようとすると、重厚感のあるドアに掲げられた「5名以上のグループはお断り」と書かれたプレートが目に入ります。脳裏に「一見さんお断り」の言葉が浮かびましたが、その意図をマスターに伺うと納得する答えが得られました。

Amber Timeの店内には、カウンター席と4人掛けのテーブルがあります。ここに5人以上のグループで訪れるとテーブル越しの会話となり、必然的に声が大きくなります。そうすると他の席でお酒と向き合っている方がノイズと感じ、楽しい時間の妨げになりかねません。「5名以上のグループはお断り」のルールは、他のお客さんに配慮する「大人のマナー」への配慮が根底にあります。

もちろん花島マスターも、親しい友人や店内で知り合った人と盛り上がる文化を否定してはいません。そのような盛り上がりに適した店があり、それはAmber Timeではないというだけなのです。店内にもそれ以上の注意書きは見当たりませんし、他のお客さんの邪魔をしない立ち振る舞いこそが、オーセンティックバーに求められる大人のマナーなのでしょう。少なくともAmber Timeに限っては、そこを守れば誰でもウエルカムな場所でした。

勘違いされやすいオーセンティックバーでのお約束

ここで取材時にライターがマスターとの会話を通じ、「そうだったの?」と驚いたマナーもご紹介します。

映画やコマーシャルで目にするウイスキーをロックで飲む時に氷を回し、カラカラと音を立てるのはNG。また乾杯時にグラスを当てるのも、オーセンティックバーではマナーに反する行為でした。音を立てることがマナー違反なだけでなく、グラスが欠けるリスクも生じます。カクテルなどに使われるクラッシュアイス(氷)をガリガリとかじるのもNGです。

またオーセンティックバーで特別なウイスキーを飲んだ際には、ボトルの画像をSNSにシェアしたくなる人もいると思います。そこはローカルルールに従うのが正解。Amber Timeではフラッシュを使わなければ、撮影やSNSへのポストは問題ないとのこと。ただし撮影だけでなく、ボトルに触ることもNGなバーもあるそうなので、撮影する際には必ずバーテンダーに確認しましょう。

さらに今さら聞けない「お酒が飲めないとオーセンティックバーに行ってはいけないの?」という基本的な疑問には、ノンアルコールカクテルも用意していますので歓迎しますとのお返事でした。パートナーや友人がお酒が苦手なので、オーセンティックバーに行くのを躊躇っていた人にとっては耳寄りな情報でしょう。もちろん飲めない人に無理やりアルコールを勧める無粋な行為も、大人のマナーに反しますので念のため。

Amber Timeの常連さんでも薬を飲んでいるのでお酒が飲めなくなった人や、妊娠でアルコール類を控えている女性が、店の心地よい雰囲気を楽しむためにノンアルコールカクテルをオーダーされているそうです。

マスターも店を開業して暫くは利益を優先し、来店者にルールを守ることを求めなかった時代もあったと話してくれました。ただ、開業時の借金も払い終え、最低限守って頂きたい大人のルールをお願いし続け、自分らしい場所になったと笑っていました。世の中のオーセンティックバーが全てAmber Timeと同じスタンスでは無いのでしょうが、お酒を飲めないタイミングでも足を運ぶ常連さんのエピソードを伺うと、大人のマナーを守る大切さが理解できると思います。

都内からもウイスキーラバーが足を運ぶオールドボトル

堅苦しい話題は一旦終わりにして、自らをコレクション体質と評するマスターに膨大なボトルの中から特別な年代モノをいくつか選んで頂きました。冒頭で「都内から通うファン」について触れましたが、そうしたウイスキーラバーのお目当てのひとつがAmber Time貴重なオールドボトルです。

こちらの画像は左からTALISKER(タリスカー)、BOWMORE(ボウモア)、CADENHEAD'S(ケイデンヘッド)の人気が高いスコッチウイスキー。ただ、いずれも終売したオールドボトルであり、ショット(シングル=30ml)の価格は2万円以上なのだそう。これを高いと感じるか安いと驚くかはウイスキーに対する知識量で異なるのでしょうが、マスターはウイスキーに詳しくなくても「感動が得られるボトルです」と胸をはります。

こちらの3本は禁酒法時代のバーボンです。1920年から1933年までアメリカにて施行された禁酒法により、バーボンの消費量が激減。その影響でバーボンの原酒は樽の中で長く寝かされることとなり、熟成が進んでいった歴史があります。この3種もショットの価格が2万円以上の貴重ボトルですが、上級者にとっては、この世代のバーボンが3種類も飲めることに驚かれるかもしれませんね。

こうしたショット価格が1万円を超えるウイスキーは、特別な日にオーダーする特別な1杯として、幅広い層が楽しんでいるそう。オールドボトルはマニア限定の趣味ではありませんでした。例えば親しい友人に1本1万円のウイスキーをプレゼントするのも良いのですが、本当に貴重なウイスキーを、オーセンティックバーで共に楽しむのも素敵な思い出のプレゼントになりそうです。

マスターお勧めのボトルを飲んでみました

オーセンティックバーで守るべき大人のマナーを理解したところで、マスターお勧めのウイスキーを飲んでみます。とは言ってもショットで1万円を超える貴重なオールドボトルではなく、1,000円から2,000円の間でお勧めを選んで頂きました。オーセンティックバーではウイスキーの銘柄に詳しくなくても、予算や味の好みを伝えるとお勧めを提案してもらえます。

この日、マスターには3本のボトルを勧めていただきました。その中でライターが選んだのは、「昭和の絵師」とも評された故上村 一夫さんの作品をラベルデザインに用いた、「スペイサイド・ブレンデッドモルト2010 9年 上村一夫美女画集」です。酒屋さんの店頭で見かけた事のないボトルでしたが、後で調べたところ、2020年に211本のみ出荷された限定品のようですね。酒屋さんで見かけないのも納得です。

マスターから「インパクト重視で選んだボトル」と説明を受けつつ口に含むと、確かに香りが豊かでしっかりとした甘味が感じられます。味の評価は好みに大きく左右されるので正しい表現かは分かりませんが、うま味が強い記憶に残るウイスキーだと感じました。

一般的に酒屋さんで目にするウイスキーの多くはアルコール度数が40度台なのに対し、このボトルは61.9度もあります。それにも関わらず口当たりは柔らかく、アルコールのピリピリ感も控え目。度数の強いウイスキーは水割りやハイボールで飲むイメージがありますが、ストレートでも美味しく飲めるのがスゴイ。もちろんハイボールで飲んでも美味しいボトルなのだとか。

さらにマスターからは「グラスから良い香りが立ってきますので、このまま下げずに置いておきますね」と提案されました。その言葉通り、しばらく経つと注ぎたてには無かった焼き菓子のような甘い香りが漂ってきます。経験を積み重ねたウイスキーラバーが楽しんでいる世界に導いてくれるのも、オーセンティックバーならではの楽しみと言えるかもしれません。

ウイスキーの知識が無くても楽しい時間が過ごせるのは、本格的なオーセンティックバーならではの魅力。次の週末には地元だけでなく、県外の愛好家からも高く評価される湘南エリアの名店で、特別な時間を楽しんでみませんか?

最寄り駅
JR東海道本線, 平塚駅

住所
神奈川県平塚市代官町1-9-103

駅徒歩
JR東海道線平塚駅より徒歩3分

営業日
水曜日, 木曜日, 金曜日, 土曜日, 日曜日

営業時間
19:00~25:00

定休日
月曜日, 火曜日

予約
不明(店舗にお問い合わせください)

電話番号
0463-24-1587

受付開始
登録なし

受付終了
登録なし

予算(下限)
3000

予算(上限)
10000

支払い方法
現金, クレジットカード

手数料
チャージ料 200(30分)

席数
17席

席の種類
テーブル席, カウンター席

席の種類詳細
カウンター7席、テーブル10席

個室
無し

貸切
不明(店舗にお問い合わせください)

喫煙可否
全席喫煙

駐車場
無し

設備・サービス
オシャレな空間

コース内容

ドリンクメニュー

利用シーン
友人, お一人様

アクセス

サービス

お子様連れ
不明(店舗にお問い合わせください)

公式サイト
https://blog.goo.ne.jp/baramber

開業年月日
19891210

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