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東京から名護へUターン移住「ジャングリアで働く」ことで見つけた”沖縄移住”の新しい魅力は?

OKITIVE

翁長 龍太郎(オナガ リュウタロウ):オペレーション本部 テクニカルサービス部 アトラクションテック

沖縄の今年最大級の話題のひとつと言っても過言ではない、テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した。全国的にも大きな注目を集めたパークには、日々たくさんの人たちが訪れ、多くのメディアやインフルエンサーも様々な形でレビューを上げており、それに対する色々な反響も目にする。ただ、アトラクションやパークの“攻略法”、グルメなどについての言及は多々あるが、実際にジャングリア沖縄の現場で働いている人たちの声はなかなか見かけない。 そこで、OKITIVEではジャングリア沖縄で働くスタッフ(ナビゲーター)が今何を感じているのかを、県外からの「移住」というキーワードを絡めつつインタビューを実施。 沖縄で働きながらの生活で得た実感や、新しいテーマパークで働くということについて尋ねてみた。 今回はバギーに乗り込むアトラクションで、メンテナンスも含めて車両を管理する翁長龍太郎さんに話を聞いた。 —ジャングリアを知ったのはどんなきっかけでしたか? 僕は出身が沖縄なんですけど、ジャングリアを知った時は県外で働いてたんですね。母からジャングリアが沖縄にできるらしいよ、と聞いて存在を知って。興味を持って色々調べてみたのがきっかけですね。 —ジャングリアで働くと同時に、沖縄にも戻ってきたんですね。 そうですね。 20歳で沖縄を出て、東京の方で4年ほど働いてたんですけれども、その間も何か沖縄に還元できることや沖縄のためになるような仕事をしたいと常々考えてまして。前職でも沖縄で働くという選択肢はあったんですが、これから沖縄を盛り上げいくということで、自分も挑戦してみたいという思いもあって戻ってきました。 —県外で5年間過ごして、沖縄に戻って住んでみて感じることはありますか? 前に住んでたところが東京の都会の方だったので、そこと比べると人が豊かといいますか、すごい親切で温かさを感じますね。沖縄に帰省した時も毎回思ってたんですけれども、改めてちゃんと帰ってきた時に、すごく良いなと感じました。沖縄には親戚がたくさんいるので、簡単にいとこたちと会って遊べるということも楽しいし、帰ってきて良かったと思えることのひとつです。 あとは、東京で海を眺めてても、ため息しか出てこなかったんですよ(笑)20年間ずっと住んでたのに、当時は沖縄の海の特別さに気がついていなくて。沖縄に戻ってきてからは改めて特別だということに気がついて、今は海を見に行くためだけに出かけたりもします。 そんな風に、沖縄の自然にはすごい魅力があるんだなって、再発見できた気がします。 —でも、海入らないですよね?(笑) 入らないです(笑)

—いつか沖縄に戻りたいという気持ちはあったんですか? 最終的には絶対に沖縄で働きたいということは、最初に就職した頃からずっと考えていたんですよ。戻ってくるタイミングは、周りの人からは「ちょっと早いんじゃない?」と言われたりもしますけども、今回のチャンスが僕の中では「今だ!」というベストなタイミングで帰ってこれたと思っているんです。 これを逃すと、10年後とかに戻ってきた時に後悔するような気がしたので、ここで行かないのは自分の気持ち反すると思ったんですよね。 —東京の都会から名護に移り住んで、ギャップを感じたことはありますか? 生活面で言えば移動が少し大変なのと、名護は今家賃が上がってきてもいて、食事なども含めると生活費は意外と割高になっている気がします。東京と比べて、すごく生活しやすくなったかと言われると、そこまでではないかもしれません。 僕は20歳になるまで電車に乗ったこともなくて、逆にちょっと憧れてたところもあったんです。それで東京に行きたいっていう気持ちがあった。でも1年…2年経たないぐらいで、人の多さと電車と、あと周りの歩くスピードが速かったりで、だいぶ嫌気がさしてきたっていうか…(笑) 独特のゆったりとした雰囲気や時間は都会では味わえないので、その点については名護に来てすごく良かったなと思っています。 —逆に東京の恋しいものってありますか? 観光で出かける時に、簡単に県外にいけるのは魅力でした。沖縄だとどうしても飛行機に乗らないといけないですから。旅行が大好きなので、色んな移動手段で色んな場所に行けたような状況は良かったですね。 —そのほかに物足りないと感じることもありますか? 僕は結婚してて、子どもはまだいないんですけれども。東京と比べて教育関係を考えた時には、名護以外の選択肢も検討しなきゃいけないかなとは思ってます。でも逆に言うと、今すぐパッと思いつかないぐらいには住みやすく感じています。

—ライフステージでも変わってくる部分もあるかもしれませんね。 そうですね。結婚でいうと、前の会社に勤めている時に東京で結婚しました。相手は沖縄出身ではありません。なので結婚する前というか、お付き合いするタイミングで「いずれ沖縄に戻るので」ということは最初に宣言していました。 奥さんはそれまで沖縄に1度も行ったことなかったんですが、それでもいいよって言ってくれて。沖縄に来る前に結婚しました。その時はまだジャングリアの話は出てなかったんですけれども。 沖縄に来て、もともとインドアだった奥さんが海で散歩するのが好きになったんですよ。そうやって外に出るようになったので、良かったと思っています。 —移動手段などのインフラや生活環境についてはどうですか? 移動の面で言うと、車は必須になってきますね。ただ、僕は運転することが大好きなので。何なら東京に住んでた時も、ちょっとだけ車を持ってた時期もあったぐらいです。(維持するのが)すごい大変だったんですけど(笑)それでも欲しいって思うぐらい。 ドライブが好きなので、例えば食材の買い出しに行ったり、ショッピングに行ったりとか、そういう時間がすごく好きなんです。そこに奥さんにも付き合ってもらって、一緒に行ったらデートにもなりますし(照)なので、良い楽しみがひとつ増えたなと考えているくらいですね。 —ジャングリアで働いて、どんなことを感じていますか? 毎日すごく大変なんですけれども、前職では感じられなかった毎日の充実感を感じています。働く量や大変さは増えてると思うんですけれども(笑)、それに勝るぐらい楽しく作業できてるので、これまでに社会人として働いてきた5年間で初めての感覚といいますか。 どうしたらここが上手くいくかとか、仕事じゃないプライベートの時でも、常に考えてるというか。仕事について考えるのが苦じゃなくなりましたし、それがプライベートも充実することにもつながってるのかなと思ってます。

—どんな時に充実感を感じますか? 立ち上げ段階のタイミングに入社したこともあって、0から考えて僕らで作っていくということは、今まで経験したことがないものだったんです。初めてのことで分からないこともありますけど、それが逆に新鮮です。 新しいことができるようになったり、取り組んでいたことが少しずつ形になって、オープンして1ヶ月になりますが、まだまだ改善する部分がたくさんある。でもそこで、今後どうしていくかを考えるのが、今はすごく楽しいんです。 —働いてて大変なことは? 今仲間が少し足りないんですよ。 もう少し一緒に働ける人がいてくれたら、もっと新たなアイデアも生まれると思いますし、作業効率を上げられたり、色んな新しい取り組みもできるんじゃないかと感じています。今はそこを何とか僕らの時間でカバーしてる感じなんですけど。 もう少し余裕を持って仕事できたら、もっともっと楽しく仕事ができるんじゃないかなと思います。 —ジャングリアで働く中での目標はありますか? 当面はアトラクションの稼働率を少しでも上げられるようにしたいということですね。 長期的な部分だと、沖縄に還元したいっていうことが1番の個人的な思いなので、今頑張っているメンテナンスのほかにも、色んな新しいチャレンジをしていきたい。別の新しい事業や取り組みがあれば、僕もぜひ飛び込んで参加してみたいと思っています。

—最後にジャングリアがこれから沖縄にとってどんなテーマパークになってほしいですか? もちろん観光客の方にもたくさん来てもらいたいんですけど、地元の人たちにもいっぱい遊んでもらって「楽しかったよ」って言ってもらえるようなパークにしたいと思っています。僕ももう何人かの親戚を呼んで、来てもらってるんですけど(笑) そのためには「ここがすごく楽しいから、ぜひ来てね」って言えるぐらいに、これからジャングリアのことをもっと深く知っていきたいと思っています。 ***** 5年の間の東京での勤務を経て、ジャングリア沖縄への就職をきっかけに沖縄に戻ってきた翁長さん。県外に出たことで、もともと好きだった沖縄の色んな魅力について再発見したことを嬉しそうに話す姿は、輝いて見えた。ジャングリアが地元の人たちに親しまれ、楽しめるテーマパークになれるように邁進してほしい。

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