「楽しみ」は人の印象を変える?キャラクターを深める「楽しみ」の効果とは【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】
NO.05 楽しみ【たのしみ】
[英:Enjoyment ]
【意味】
うれしかったり、面白かったりして胸が弾むこと。愉快で満ち足りた気持ち。
【類語】
至楽 愉楽 謳歌 満喫 一興など
体(フィジカル)の反応
興奮して息が上がる目に輝きが出てくる表情筋が緩むはしゃぐ姿勢が前のめりになる没頭する口数が多くなる肩の力が抜ける嫌なことを忘れる足取りが軽い声にハリが出るアクティブになる顔に血色が増す思わず声が出る満たされて笑顔になる胸がスッとする
心(メンタル)の反応
胸が躍るようなワクワク感がある寛容になる爽やかな気持ち充実感で満たされる和やかな気分晴れ晴れした心地ストレスが解消される面白い多幸感でいっぱい解放感があるこの時間が続いてほしいと思う元気が出る気分が高揚する何でもできる気がする何かしてあげたくなる期待感が高まる
「楽しみ」は人の印象を変えるキャラ造成の小道具として
愉快で満ち足りた気持ちになる「楽しみ」は、人が抱く感情のなかで誰もが欲する状態といえるでしょう。
実際、私たちは「楽しみ」を求め、日々暮らしています。
ところが物語においては、主人公に「楽しみ」を与えすぎてはいけません。楽しい状態には波乱や苦難が訪れないため、読者が退屈してしまいます。さらに主人公に与える「楽しみ」には意識すべき重要なポイントがあります。それは人間性や過去や家庭環境、現在の暮らしぶりを如実に反映させる「楽しみ」に設定すること。
たとえば、酒やギャンブルが「楽しみ」で仕方ない主人公にどんな印象を持ちますか?子どもの成長が何より「楽しみ」な主人公の場合はどうでしょう?
もうおわかりですね。「楽しみ」はその人の印象をがらりと変えてしまうキャラ造成の小道具となり得るのです。主人公を含む登場人物の「楽しみ」の設定は、役どころを意識して与えてください。
人それぞれの「楽しみ方」には人間性が色濃く出るように
満たされて笑顔になる/解放感がある/晴れ晴れした心地
【出典】『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』著:秀島迅