ジョージ・クルーニーは「素晴らしい人で、一緒に仕事をする相手としても最高」ノア・バームバック監督最新作『ジェイ・ケリー』
アカデミー賞ノミネートのノア・バームバックが手がける、映画業界で活躍する主人公の苦悩をユーモアを交えて描き出すコメディドラマ『ジェイ・ケリー』が、11月21日(金)より一部劇場にて、Netflix配信(12月5日配信)に先立ち先行公開される。このたび、ノア・バームバック監督のコメントと場面写真が解禁となった。
私の思い出はすべて映画だった
本作は、有名な映画俳優であるジェイ・ケリー(ジョージ・クルーニー)が、献身的なマネージャーであるロン(アダム・サンドラー)とともに、現在と過去の自分と向き合う旅に出る物語。ショービズ界に身を捧げた人生の輝かしき栄光と後悔が錯綜する時を、感動とユーモアたっぷりに、ありのままに、そして細やかに描き出す—。
アカデミー賞ノミネート監督のノア・バームバックは、『イカとクジラ』や『マイヤーウィッツ家の人々』『マリッジ・ストーリー』などに至るまで、キャリアを通して「老い」という現実を見つめてきた。彼のフィルモグラフィーは、年を重ねたことで自らを見つめ直し、その結果、こじれた人間関係への向き合い方を改めるような人物像であふれている。
主役を演じるのは、今も映画界で輝き続けるジョージ・クルーニー。本作で思慮深い演技を披露している彼が、培ってきた知恵と直感を駆使し、架空のキャラクター、ジェイ・ケリーという役柄に挑んでいる。彼を支えるマネージャーのロン役は、クルーニーの長年の友人でもあるアダム・サンドラーが務め、息の合った駆け引きを繰り広げている。そのほか、ローラ・ダーン、パトリック・ウィルソン、イヴ・ヒューソン、ジム・ブロードベント、グレタ・ガーウィグら 豪華キャストが脇を固める。素晴らしいアンサンブルキャストの見事な共鳴により本作は、映画スターであれ、平凡な夢想家であれ、後悔を抱えた“今を生きる”人間の心に共感と感動を与えるのである。
「一日と経たないうちに『やるよ』って返事が来た」
本作のメガホンを取るノア・バームバック監督は、ジョージ・クルーニーの起用について「エミリーと私は、ジョージを念頭に置いて書いていました。最終的に彼に脚本を送ったとき、そんなことはめったにないことなんですが、一日と経たないうちに『やるよ』って返事が来たんです。映画自体はあらゆる手を使って隠したりごまかしたりするキャラクターを描くわけですが、それを演じる俳優は、自身をさらけ出し、リアルなもろさを見せなければなりません。ただ、ジョージがそれを楽しみにしてくれたので、私も確信が持てました。私たちはみな、俳優として、映画スターとしてのジョージ・クルーニーを長年にわたって見てきました。映画スターとは、私たちにとってそういう存在です。彼らに自分自身を重ねたり、またある種自分の願望が実現する感覚を味わったりもします。ジョージは素晴らしい人で、一緒に仕事をする相手としても最高でした。それに演技はとても繊細です。彼は常に自分がいるべき場所を把握する術を持っています。とても複雑な感情の中で、まったく迷いのない演技でした。それが必然だったということです。とんでもない才能だと思います」と絶賛。
また人生の岐路に立つ有名俳優を描いた映画を作るというアイデアについては、「このキャラクターとアイデアには説得力があると思ったのですが、当時はその理由をうまく説明できませんでした。今になって言えるのは、俳優についての映画を作るということは、本質的にアイデンティティと演技についての映画を作ることだということです。私たちは人生のある時点で、自分自身とはこういう人間だという考えに落ちつきます。「親として、息子として、娘として、同僚として、プロフェッショナルとして、友人として、これが自分だ」と。しかし、私たちは皆、心の奥底にある自分と他人に見せている姿との間にギャップを抱えていますし、それは人生で演じる様々な役割によっても異なってきます。年を重ねて経験を積み、おそらく知恵もつけていくにつれて、私たちはどのように自分自身と再び出会い再定義していくのでしょう。そこで、人間であることとは何かを具体化し明確なメタファーを作るために、俳優を用いることにしました」とした。
場面写真では、ジョージ・クルーニー演じるジェイ・ケリーの輝かしい日常から一転、娘と深刻な面持ちで語り合うシーンや、砂埃を浴びながら疾走する姿、さらにアダム・サンドラー演じるマネージャーのロンがフェンス越しに妻と会話するカットまでが切り取られている。笑顔と緊張感に満ちた表情の対比が、ジェイ・ケリーが劇中でどのような旅をたどるのか、予測できない印象を与えるカットとなっている。
『ジェイ・ケリー』は11月21日(金)より一部劇場にて公開/Netflixにて12月5日(金)より独占配信