顔に3キロ超の巨大な腫瘍を抱えていた保護犬、摘出手術を受け優しい家族と出会う(米)
米フロリダ州の動物保護団体に、酷い飼育環境から保護された犬がやってきた。犬は顔に3キロを超える大きな腫瘍を抱えており、すぐに摘出手術が行われた。頭を持ちあげられないほど重く大きな腫瘍を取り除いた犬は、他の病気の治療を受けながら保護施設で過ごしているうちに、散歩中に出会った工事現場の作業員と仲良くなり、そのまま家族として迎え入れられた。現在は優しい飼い主と一緒に幸せな生活を送っていると、米ニュースメディア『People.com』などが伝えた。
【写真】自身の頭と同じぐらいの大きさの巨大な腫瘍を抱えていた保護犬
米フロリダ州クリアウォーター市の動物保護団体「Humane Society of Pinellas(以下、HSP)」は6月18日、パートナー協定を結んでいる他の保護団体から“キング(King、5)”という名前の犬を受け入れた。
保護される前、酷い飼育環境の中で生活していたキングは、顔に7ポンド(約3.1キロ)もの巨大な腫瘍を抱えていた。右頬から大きく発達した腫瘍の重さのせいで、キングは頭を持ちあげていられず、かろうじて地面に触れないようにするのが精一杯だった。
キングを診察した獣医らは当時、腫瘍が良性か悪性か分からなかった。それでも、その大きさは普段の生活に著しく影響していることに変わりはなかったため、HSPに保護されてから数日後に摘出手術が行われることになった。
手術前のキングを撮影した写真では、手術台に横たわるキングの右頬に、キングの頭とほぼ同じサイズの巨大な腫瘍が確認できる。
難しい手術ではあったが手術は無事に成功。右頬から首にかけて大きな手術痕が残ったものの、キングは手術を乗り越えることができた。後日、摘出した腫瘍を検査すると、幸いにも良性のものだと判明した。
手術後、キングはフィラリア症(犬糸状虫症)にかかっていることが判明したため治療を行うことになり、同時に新しい飼い主の募集が開始された。
手術で大きな腫瘍がなくなったキングは、自由に動き回ることのできる新しい生活に少しずつ慣れていき、犬らしさを取り戻した。酷い飼育環境や巨大な腫瘍に苦しんできたキングだったが、非常にフレンドリーな性格で、一緒に散歩をしたりおもちゃで遊んだりしたHSPのスタッフは皆、キングにメロメロになった。
そしてある日、キングはHSPのスタッフと散歩中に、HSPが建設中の新しい里親センター「Sjouwerman Adoption Center」の前を通りがかり、その工事現場で働いている男性に出会った。この男性は、キングとすぐに仲良くなった。
しばらくして、同エリアに暴風雨の予報が出た際に、この男性が「暴風雨の間、キングの世話をさせてもらえませんか?」と申し出た。そうするうちに、フレンドリーで愛らしいキングに惚れ込んでしまった男性は、キングを飼うことに決めた。
HSPが、InstagramやFacebookで「キングに新しい家族が見つかって、私たちはとても嬉しいです」と報告すると、ユーザーからは「キングのストーリーに、涙が出ちゃった」「キングが素敵な人と出会えて本当によかった」「キングも新しい飼い主の人も幸せになってほしい」などといった声が寄せられた。
ちなみに過去にはスペインで、腫瘍で顔が2倍になり、複数の獣医から安楽死を勧められた犬が注目を集めた。この犬は飼い主の必死の訴えで摘出手術が行われ、無事に回復して普通の生活に戻っていた。
画像は『Humane Society of Pinellas Instagram「King’s heroic journey to recovery.」「King update!!!!」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)