【川崎市】第2期空家等対策計画 改定1年、52戸に改善指導 川崎市「制度効果みられる」
年々増加する空き家の問題を解消するため、川崎市の「第2期空家等対策計画」の一部が昨年8月に改訂されて1年が過ぎた。行政指導の対象となる「管理不全空家」に52戸が認定されるなど新制度の効果は見られるといい、市は制度に関する啓発チラシを作成して一層の周知を図る方針を打ち出している。
全国的に空き家は増え続けており、総務省によると2023年の時点で約900万戸という。このため国は23年12月に「空家法」の一部を改正し、市区町村が空き家の持ち主などに改善を促しやすいしくみを整えた。
川崎市内の空き家も増加しており、23年時点で戸建て住宅約6千戸が空き家の状態だ。市は「空家法」の改正に伴い、昨年8月に「第2期空家等対策計画」を改定。保安上の危険が生じる可能性のある空き家などを「管理不全空家」と認定して指導・改善を促し、対応が見られない場合には「勧告・命令」のうえ、固定資産税の軽減措置を解除する制度となった。
周知の啓発チラシも
市によると、昨年9月の新制度開始から今年3月までに「管理不全空家」と認定されたのは52戸。所有者に対して文書で適切な管理を求めた結果、解体を始めたり、更地に戻したりしたケースが確認された。一方で対応が確認されないため「勧告」に至ったケースは13件で、このうち市が裁判所に清算の申し立てを行ったケースも2件あった。いずれも清算人による解体などの作業が進められているという。
市の担当者は「新制度により少しずつ空き家の解消につながっている」と語る。より広く制度を周知する必要があるとして、このほど啓発チラシを作成し、区役所などで配布する。市ではまた、地域活動などに空き家を利用したいと考える希望者と、空き家の所有者を市がつなぐ「マッチング制度」も試行実施中だ。
空き家に関する相談窓口は所有者向けが市住宅供給公社【電話】044・244・7590、空き家の近隣住民は市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。各区の地域振興課でも受け付ける。