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藤水咲桜、私の新章のタイトルは「これまでも、これからも」

Pop’n’Roll

藤水咲桜、私の新章のタイトルは「これまでも、これからも」

本日よりスタートするPop’n’Rollの新連載「new chapter -私の新章-」。この企画は、表現者として新たな活動の臨んでいる人物の現在地に迫っていくインタビュー連載である。

記念すべき第1回目に登場したのは、今春立ち上がった芸能プロダクション『NRC PRODUCTION』への所属を発表し、安藤咲桜から改名した藤水咲桜。アイドルグループ・つりビットでの活動を経て、ソロタレントとして幅広いフィールドで活躍していた藤水は、これから新しい環境で、どのような表現を届けていこうと考えているのか。

藤水咲桜が、これまでの活動と、タレントとしての新章への想いを語る。

・藤水咲桜の写真 7枚

編集協力:竹内伸一

アイドル時代には本当に感謝しかない

――藤水さんのキャリアを振り返る上で、大きなトピックはやはりつりビットの解散ですか?

藤水:
そうですね。私、もう芸歴11年目で、だいぶ長いんですよ。その中で6年間……芸歴の半分以上をアイドル活動に費やしていたので、自分の人生の中で大事な想い出というか、自分の歴史の中では大きなものでしたね。芸能の世界を何も知らない状態だった自分に、すべてを教えてくれた場所だったので。

――アイドルを通じて身につけたことで、現在の活動の中で活きていることはありますか?

藤水:
これはいい意味に捉えてもらいたいんですけど、“慣れ”って大事だなって思ってて。アイドルは“曲を出して歌って踊って”っていうのが基本ですけど、そこに付随していろいろなお仕事をさせていただくんですよ。雑誌に出るとなれば、写真撮影があって、そこでの経験はグラビアの仕事に活きていると思うし、取材での受け答えは、バラエティ番組に出た時に役立った……瞬発的なリアクションとか言葉のつなぎ方は、取材のやり取りで身についたと思います。MVでは、ちょっとドラマっぽいことをやったりもするじゃないですか。そういう時ってドラマと同じような撮り方をするので、それも今に活きていると思います。今、ナレーションの仕事もやっているんですけど、アイドル時代にクロちゃん(安田大サーカス)と一緒にラジオをやっていたから、それが活かされていたりとか。そもそもステージに立っていたので、ステージ度胸みたいなものが備わったと思うし、それは舞台の仕事に活きていて。アイドル時代にやってきた1つひとつが、ソロになってからも活かされていると思います。全部つながっているので、アイドル時代には本当に感謝しかないです。

――アイドル時代を否定する気持ちはないんですね。

藤水:
今までやってきたことってまったく無駄がないっていう想いが、私の中には強くあって。アイドルをやっていたことが枷になっちゃう場合もあるのかなって思ったりもするんですけど、今のところそれはまったくないですね。アイドル時代があっての私だと思うし、過去は絶対に否定しないって自分の中で決めているので、誇りに思ってやっています。それでついてきてくださっているファンの方も多いんじゃないかな。それにも恵まれているなって思いながら日々を生きています(笑)。

――ファンの方がずっとついてきてくれているのは、人柄がオーラとして出ているからだと思いますよ。

藤水:
ホントですか!? バレてないですか、腹黒いところ。隠せているならよかった(笑)。

――あはは(笑)。グループアイドル時代に、タレントとしての下地を学んだということですが、グループには調和が必要で、その中で個性も出さないといけないですよね。でも、ソロだとそれはないじゃないですか。ソロになる時に、そういう部分での切り替えは意識しましたか?

藤水:
やっぱり解散して1人になった時は、フォローしてくれるメンバーがいなくて、戸惑いはありました。5人でいれば、トークでちょっとこけちゃったり、パフォーマンス中にちょっと間違えちゃったり、マイクトラブルがあったりしても、誰かしらが助けてくれましたから。そうやって補い合うことでグループって成立していると思うんですけど、ソロだと自分で全部どうにかしなきゃいけなくて、最初は“どうしようどうしよう……”って、いっぱいいっぱいでした。でも、1人になったとはいえ、マネージャーさんもスタッフさんもいらっしゃるので、結局私は支えられて生きているというか、そんなに気負わなくてもいいだなって思って。そう思うようになってからは、そんなに苦戦せず、気楽にというか、リラックスしてお仕事ができるようになったと思います。

――最近は、サッカー関連の仕事も多いですよね。

藤水:
サッカーは自分で“やりたいです”って言って始めたことなんです。今、DAZNの『やべっちスタジアム』でリポーターをやらせてもらっているんですけど、その番組で、Jリーグが好きなサポーターに密着して、それぞれのチームにフォーカスしようっていう「やベスタ特派員」という企画があったんです。私はJリーグが大好きなので、“これ、私しかいないんじゃないか”と(笑)。それで、番組の制作会社さんを調べて、“この会社が制作しているみたいなので、どうにか連絡してくれませんか”ってマネージャーさんにお願いしました(笑)。

――すごい行動力ですね!

藤水:
ははは(笑)。それでマネージャーさんが連絡してくれたんです。そうしたら、そのコーナーの担当はもう決まっちゃっていたんですけど、“全体のリポーターとしてどうですか?”っていうお話をいただいて。言ってみるもんだなって思いました(笑)。「やベスタ特派員」だったら1回出たら終わりになっちゃうんですけど、今は準レギュラーとしてやらせていただいているので、ありがたいです。ラッキーって感じです(笑)。

――やっぱりその行動力が幸運を呼び寄せたんですよ。

藤水:
なんか、居ても立ってもいられずって感じだったんですよ。今回、事務所を移籍したのも、自分でSNSで見つけて、自分のやりたいことに合っているなと思って、衝動的にホームページの“お問い合わせ”から連絡しました(笑)。

――そんなやり方で移籍したんですか!?

藤水:
そうやって連絡が来たのって、私が初めてだったらしいです(笑)。

藤水咲桜

まずは、演技のお仕事をもっとやりたいと思っています

――今回、事務所も移籍して新しいステージに進むことになるわけですけど、それも衝動的に決めたことなんですか?

藤水:
う~ん、前の事務所っていわゆる芸能プロダクションではなかったんですよ。もちろんしっかりした会社でしたし、たくさんサポートもしてくださったんですけど、芸能プロダクションじゃないとできないこともやっぱり多くて。グループ時代からお世話になっていた恩も感じていましたし、環境はすごくよかったんですけど、現状維持では後退につながるんじゃないかなって思ってしまって。それで事務所の方と話をしたんです。“もっともっといろいろなお仕事がしたいんです。でも、もしかしたら現状では限界があるんじゃないかと思っています”って正直に言ったら、“私たちではできない部分を補ってくれる場所があるんだったら、そこに行ってみることもいいことだと思う。あなたのためになるはず”って後押ししてくださって。それで、自分自身でも探しましたけど、前の事務所でも移籍先を探してくださって。そんなタイミングで、NRC PRODUCTIONをSNSで見つけたんです。“なんだこの事務所は?”って調べてみたら、やりたいお仕事だったり、イメージだったり……なんか腑に落ちたんですよ。

――“まさにここだ!”だと直感したんですね。

藤水:
そうなんです。それで“お問い合わせ”から連絡しました。そうしたらけっこう早めにお返事をいただいて。そのことを前の事務所に伝えたら“じゃあ、私たちも一緒に行くよ”って言ってくれて、マネージャーさんと私でNRC PRODUCTIONとお話したんです。それで移籍することになったんですけど、普通、移籍となるといろいろあるじゃないですか。でも、そういうのは一切なくて、すごく円満でした(笑)。

――なかなかないですよ。

藤水:
そうですよね! 前の事務所が、ホントに愛を持って接してくださって。“新しいところでも頑張ってね”っていう言葉もいただいて、すごくありがたかったです。

――話が戻ってしまうんですけど、“もっともっといろいろなお仕事がしたい”と思い始めたのはいつ頃だったんですか?

藤水:
けっこうずっと(笑)。“私、もっと頑張れるぞ”っていう謎の自信があるんですよ。それで、2023年になったくらいから、今のままでは限界があるんじゃないかなって思うようになりました。同じように前の事務所も思っていたらしくて。“最善は尽くしているけど、満足のいく結果になっていないのは、こちらとしても不甲斐ない”と。

――その“いろいろなお仕事”というのは、具体的にどういうものなんでしょうか?

藤水:
今まではマルチタレントみたいな扱いでいろいろなお仕事をしていたんですけど、そんな中でお芝居がすごく楽しくて。まずは、演技のお仕事をもっとやりたいと思っています。今の事務所とは“女優としてしっかり活躍できるように頑張りましょう”という話をしました。ただ、今後は演技しかやりませんというつもりはなくて、私に可能性があるなら、何でもやりたいです。ナレーションのお仕事もすごく楽しかったので、声を使うお仕事もやりたいですし。

――藤水さんの声は素敵ですよね。

藤水:
ありがたいことに、そういうふうに言っていただけることも多くて。“声優もできるんじゃない?”みたいなお声もいただいたので、可能性があるならやってみたいですね。声のお仕事って、声だけにフォーカスするから、年代も性別も超えられるじゃないですか。もっと言えば、人間じゃない役もできる。そういう無限の可能性がある仕事だと思っていて。声優だったらもっといろいろなことができるかなと思っています。

――声だけであれば、何者にもなり得ると?

藤水:
そう思います。もちろん、演技すること自体も楽しいです。自分じゃない誰かになれますからね。日常生活でも何かを偽ることはできますけど、それって“嘘”じゃないですか。よしとされるものではなかったりしますけど、演技だったらそれが“正義”になると思うんです。何だか素敵なお仕事だなって思います。

――藤水さんは、常に挑戦したい、自分の型や固定観念を壊していきたいというような気持ちがあるように感じます。

藤水:
そうですね。想定以上の人になりたいなとは思っていますね。それでファンの方に驚かれることもありますけど(笑)。

――小さい頃からそういう性格だったんですか?

藤水:
そんなことないですよ。私、プライドが高くて(笑)。高すぎるあまり、自分を守ってしまう部分があったように思います。特にアイドル時代は、アイドルとしての自分に対する理想が高いというか、“アイドルである自分はこうするべきだ”みたいな凝り固まった考えがありました。アイドルとしての理想像や、アイドルらしさが崩れないとか、それで守られるものもあったと思うので、そのプライドが全部悪いとは思いませんけど。ただ、臨機応変に対応できないというか、独りよがりになってしまうというか、調和を保てなくなってしまうので、そこはやっぱりよくないですよね。それに新たな可能性も生まれなくなってしまうだろうし。アイドルとしての自分にとっては正解の部分もあったと思うけど、1人になってからは、そんな凝り固まった考えは取り払いたいなと思いました。

――凝り固まった考えを取り払うという意味では、新たなインプットも必要になると思うんですけど、普段、インプットみたいなことは、どういうふうにされていますか?

藤水:
“よかったら観に来て”って誘っていただけるので、以前共演したことがある方たちの舞台を観に行ったりしています。そういう舞台慣れされている方のお芝居に触れる機会は、きっとインプットになっていると思います。

――実際に観劇すると、“この役を自分がやったらどうなるだろう?”とか、いろいろ刺激を受けますよね。

藤水:
ありますあります! そうやってインプットしたら自分でもアウトプットしたくなるので、自分もお芝居やりたいなってすごく思います。

藤水咲桜

趣味は多いので、好きなことは全部やりたい

――今やってみたい役はありますか?

藤水:
今までやってきた役って、なぜか悪役が多くて(笑)。ドラマもヒール役でしたし、ちょっとだけ出演したキャバ嬢の役も、少しヒールっぽい役回りでしたし。舞台では極道の娘もやりました(笑)。それはヒロインではあったんですけど、ちょっと素行が悪いというか、乱暴というか、過激というか、そんな役でした。なので、王道ヒロインみたいな役もやらせてもらいたいな(笑)。オーディションの段階では、王道のヒロイン役っていうことも多いんですけど、なぜか決まる役は悪役だし、オファーをいただくのも全部悪役なんです。

――そうなんですね(笑)。悪役のオファーが来る理由って、ご自身ではどう考えますか?

藤水:
ははは(笑)。たまたまだと思いますけど、なんででしょうね? でも、悪役、楽しいんですよ。プロレスも好きなんですけど、プロレスってヒールがいてこそ盛り上がるじゃないですか。だから、いつもノリノリでやっています(笑)。

――ただ、今後はそこに留まらず幅広く演じていきたいと?

藤水:
そうですね。そろそろもうちょっと心優しい役をやってみたいです(笑)。

――プロレスもヒールが急にベビーターンすることもありますし。

藤水:
そうですよね。それでまた盛り上がったりしますよね。敵対していたキャラたちが、ピンチになった時に“一時休戦だ”って言って仲間になるみたいな展開って、熱いじゃないですか。そういうストーリーを目指して(悪役ではない役もできるように)頑張ります(笑)。

――これからの方向性としては俳優と声優が中心になりそうですか?

藤水:
そうですね。あとはやっぱりグラビアのお仕事で写真を撮られる楽しさも知ったので、モデル……できるかな、私に。

――いや、『やべっちスタジアム』みたいなこともあるので、希望は言っておいた方がいいですよ。

藤水:
言ったもの勝ちですよね(笑)。

――そういえば、以前“コロナ禍で急に仕事がなくなったので、グラビアのお仕事をください!”みたいなことをSNSで発信されていましたよね?

藤水:
ああ、そうです! イベントMCのお仕事を1ヵ月ほどやる予定だったのが、コロナで全部なくなっちゃったんですよ。それで“グラビアのお仕事ください”って投稿して。そうしたらホントにお仕事をいただけたので、言ってみるもんだなって(笑)。行動を起こしてみたら、意外と何とかなるんですよね。

――すごく大事なところですよね。動かないと何も始まらないですし。

藤水:
そうですよね。せっかくだから、やりたいお仕事、もっと言っておこう(笑)。

――どうぞどうぞ。

藤水:
CMに出たいです。ずっと言ってるのは『ポカリスエット』。以前、グラビアの撮影で五島列島の福江島に行ったんですよ。そこで制服を着て綺麗な海に飛び込むシーンを撮ったんです。その時、担当編集さんが『ポカリスエット』を飲んでて、そのシチュエーションが、『ポカリスエット』のCMみたいで“うわぁ、めっちゃ合うじゃん!”って盛り上がって(笑)。それでみんなで“いつか『ポカリスエット』のCMが決まったらいいね”みたいな話をしたんですよ。それ以来、ずっと出たいなって思ってます。

――実現するといいですね。ほかには?

藤水:
バラエティ番組にも出てみたいですし、コメンテーターとか、お天気お姉さんもやりたいです。お天気お姉さんへの近道は気象予報士だと思って、資格を取ろうと教材を買ったんですけど、難しすぎて1週間で諦めました(笑)。私は気圧で頭痛になる人なので、そのメカニズムがわかったらいいかなって思ったんですけど、道半ばで(笑)。あとはゲーム系のお仕事……ソシャゲのキャラクターボイスをやりたいです。趣味は多いので、好きなことは全部やりたいですね。

――ありがとうございます。それでは、最後にスタートしました藤水さんの新章のタイトルを教えてもらえますか?

藤水:
「これまでも、これからも」。過去は否定しないというモットーから、このタイトルにしました。

藤水咲桜

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