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断崖絶壁の岩塊除去に特殊重機投入 上越市の国道8号土砂崩れ現場で「ロッククライミングマシーン」活躍

上越タウンジャーナル

能登半島地震で大規模な土砂崩れが発生した新潟県上越市茶屋ヶ原の国道8号の復旧工事に、2024年1月4日から6日まで、特殊な重機「ロッククライミングマシーン」が威力を発揮した。垂直に近い崩落現場の斜面に張り付くようにして作業し、上部の不安定な岩塊を崩すなどして除去した。

《画像:急斜面の崩落現場で作業するロッククライミングマシーン(高田河川国道事務所提供)》

国交省高田河川国道事務所によると、地震によって土砂は幅80m、高さ55mにわたって崩れ、通行止めが続いている。崩れた大量の土砂に加え、崖の上部には不安定な状態の岩塊や土砂があり、早急に取り除く必要があった。

この困難を極める作業に投入されたのがロッククライミングマシーンだ。崖の上部に2本のワイヤーの先端を固定し、小型の油圧ショベルをつり下げている。油圧ショベルに設置されたウインチでワイヤーを巻き取ることで、急斜面での上下移動ができる。断崖絶壁でも油圧ショベルは水平が保たれ、通常と同程度の作業が可能という。

《画像:上越市茶屋ヶ原の土砂崩れ現場。崖の上部に不安定な状態の岩塊をロッククライミングマシーンが除去(高田河川国道事務所提供、1月2日10時撮影)》

今回茶屋ヶ原の土砂崩れ現場に投入されたのは、無人の遠隔操作と作業員が乗り込んだ有人操作の両方が可能なタイプだったが、作業効率を考慮しほとんどの作業を有人で行った。特殊重機の活躍で、当初は3日程度かかるとされていた上部の土砂の除去は、作業面積が拡大したにもかかわらず約2日で終了。6日夕方からは、本格的な崩落土砂の搬出作業に着手している。

ただ崩落した約1万6000立方mのうち、雪の影響などもあり、9日朝までに搬出できたのは約1600立方mにとどまり、復旧の見通しは立っていない。土砂の中には、旧国鉄の線路跡地を利用した久比岐自転車道の倒れたコンクリート擁壁もあり、破壊しながら搬出作業を行っているという。

 

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