今週のヘラブナ推薦釣り場2025【山梨・精進湖】
今年も列島を猛暑が襲っている。涼しさを求めるならヤマに逃げるしかないだろう。山梨県富士河口湖町にある精進湖なら標高が900mあり、晴れた日中でもパラソルがあれば汗をかくことなく釣りができる。しかも魚影は山上湖のなかではトップクラスであり、近年は型も驚くほどよくなっている。狙うは本湖筋で、であれば立地的に有利な金風荘利用が便利だ。同湖に精通した舟宿オーナーの助言を頼りに、ヤマの釣りを思いっきり満喫してほしい。
精進湖の概況
精進湖は富士五湖の1つで水面標高は約902m。西湖・本栖湖も同じ標高であり、かつては一つの湖だったとする説が有力だ。標高は同じでも水深は大きく異なり、もっとも深いのが本栖湖で約125m、次いで西湖が76m、もっとも浅く面積の小さいのが精進湖で約16mとされている。
小さく浅い自然湖ではあるが、ヘラの魚影は五湖でもっとも濃い。これは長年にわたる成魚放流の成果であり、今後も規模は縮小されながらも継続されるだろう。また近年では型も驚くほどよくなっており、かつての型の西湖、数の精進湖の定説は崩れかかっている。
ポイント
この時期は水深がある本湖筋がメインで、とくに中央ロープの人気が高い。取材時も湖畔荘から出舟の例会組が同ロープにほとんど並んだほど。こうなると距離的にも有利なのが金風荘であり、とくに日曜日などの混雑時はこの恩恵を受けやすい。また同店オーナーが現役のフィッシャーマンであり精進湖の釣りに精通しているので、ポイントなどに迷ったら相談してみるといいだろう。
もし中央ロープが人災気味なら大割れ、小割れがあるし、天神ロープなども近い。逃げ場に困らないので、ひいきの舟宿がないなら金風荘の利用をお勧めしたい。余談だが配達弁当のカツ丼が絶品なのも付け加えておく。カツが大きくご飯もたっぷり盛られているので、おなかがいっぱいになること請け合いだ。
釣り方とエサ
夏のヤマと言えばチョウチン両ダンゴがメインだが、精進湖に限っては浅ダナも面白い。とくに水面が荒れ気味の時や雨天時などは、チョウチンをしのぐ釣果が得られることも多い。
浅ダナ
ウキの位置が舟から近いと魚に警戒心を与えてしまうので竿は12~15尺がいい。タナはメーターが基本だがアタリが続かない時はセミカッツケ~2本は探ってみよう。上層ほど型がよく引きがめっぽう強いのでハリスは太めを使いたいところだが、上ほどコイの攻撃を受けやすいので太さは0.5号を基準にしたい。
ハリはバラサなら6~7号、ウキはボディ6~8cmのパイプトップでいいだろう。エサはカクシン400cc+コウテン200cc+バラケマッハ150cc+水200cc。これを基エサとし小分けして浅ダナ一本やカルネバでナジミ幅を調整しよう。
チョウチン
本命と言っていいだろう。竿は12~24尺で水深や日並みで使い分けるが、朝はタナが高く晴れた日中ほどタナが下がる傾向がある。逆に曇天や雨天は終始タナが高め。ウキはパイプでもムクでも好みでいいがボディ浮力はしっかり確保したい。
軽いとジャミの攻撃を受けやすかったり途中でコイの餌食になりやすいなどいいことはあまりない。エサはカクシン400cc+バラケマッハ200cc+BBフラッシュ200cc+水200cc。これでフワッとしながらも芯残りするタッチに仕上がるので、あとは小分けして手水や押し練りで釣れ続くタッチを探る。傍らにカルネバとバラケマッハを置いておき調整エサとして使ってみよう。
山上湖に限ったことではないが風流れが出るとセットではバラケと食わせがリンクせず、かえってアタリが出にくいことが多々ある。時間はかかるがチョウチンでタナに集魚し、触りを厚くすることで突破口が開けることも多いので、チョウチン両ダンゴの釣りは山上湖において必須なのでぜひマスターしたい。
なお混雑時やベタナギ曇天など、条件次第では両ダンゴを追わないことも多々ある。とくに近年は魚の口数が減り、経験値を上乗せした百戦錬磨の良型がメインとなっている。こうなると釣りが余計に難しいのでセットでしかアタリを出せない日が多くなっているのも事実。よっていつでもすぐにセットに切り替えられるよう準備だけはしておきたい。
セット釣り
竿はそれまで両ダンゴで使っていたものを使うのがセオリーだが、同時にタナを替えてしまうのも一つの手ではある。食わせは力玉や同さなぎ粉漬けなどの固形物系を使い、ハリスは上6~8cm下35~45cm程度からはじめよう。
バラケは粒戦100cc+ふぶき200cc+水100cc。たった2種のバラケではあるが実績もあり使いやすいので、荷物を減らしたい時などに最適だ。ただし日曜など混雑が予想される場合は使い慣れたセットバラケを持参して、朝から徹底的にやり込んだほうが無難かもしれない。
<週刊へらニュース・伊藤さとし/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年7月25日号に掲載された記事を再編集したものになります。