【横浜市港北区】大綱中合唱部 悲願の文部科学大臣賞 表現力磨き、栄冠
大綱中学校合唱部が、10月26日に富山市で開催された「第78回全日本合唱コンクール全国大会」中学生部門同声合唱の部で、最高賞となる金賞と文部科学大臣賞を受賞し、実質的な日本一に輝いた。部長の大金まどかさん(3年)は「今までで一番納得のいく演奏で、今までの大綱中を更新できた」と語り、悲願達成の喜びをかみしめた。
悲願の最高賞受賞は、関東大会を終えてからの綿密な分析と、たゆまぬ努力の賜物だった--。大金さんは、全国の強豪の演奏や自分たちの音を聴き、「自分たちには『日本語の表現の引き出し』が少ない」という課題意識を持ったという。ここから、言葉を聞きとりやすくすることを徹底。基礎に立ち返り、「子音の方向、母音のつながり」を改めて意識し直す練習を重ねた。さらに、楽曲の強弱や和音を再確認し、歌詞の一つ一つに表情を付けるため、「どんな情景を届けたいか、みんなでイメージを共有した」ことが、聴衆の心に響く豊かな表現につながった。3年生にとっては最後の大会であり、「一人ひとりが後悔しないように力を発揮できた」ことも、今回の勝因の一つになったと振り返る。
大会当日は、上手な団体の演奏を聴き、会場には適度な緊張感が漂っていたという。部員たちはリハーサル前に全員で円陣を組み、結束力を高めて本番に臨んだ。演奏直後には、込み上げる思いから涙がこぼれる部員もいた。そして得た栄光。
大金さんは、活動の中で「今までの大綱中」を最大のライバルとしてきたと明かし、その過去の自分たちを「更新できた」と表現。「今までで一番納得のいく大満足な演奏ができたことがとても嬉しい」と満面の笑みを見せた。また、目標としてきた文部科学大臣賞の受賞は「本当に光栄」と感無量の様子で、「今までの努力や、悩みながらも行った言動は間違っていなかったんだという思いが込み上げてきた」と、部長として苦悩を乗り越えた達成感をにじませた。
顧問の藤井大輔教諭は今回の結果を総評し、「部員たちが今まで熱心に取り組み、積み重ねてきたことを、しっかりと舞台で出し切ることができた」と生徒の努力を称賛した。今大会の成功を土台に、「これからも彼らの求める音楽と向き合っていきたい」と決意を新たにしている。