熱闘クライマックス!“106回目の夏”はどこが勝っても初優勝 神村学園と青森山田には「県勢初」の悲願もかかる
神村学園が挑む“Wの初優勝”
8月7日(水)に開幕した『第106回全国高等学校野球選手権大会』もいよいよ最終盤。雷による試合中断などはあったものの、雨天による順延などはなく第12日目までの日程を消化した。
残すは準決勝と決勝。今夏のベスト4は青森山田(青森)、関東第一(東東京)、京都国際(京都)、神村学園(鹿児島)という顔ぶれになった。
強豪校としてお馴染みの4チームという印象だが、意外にも全チーム春夏通じて甲子園の優勝経験はなし。どのチームが勝っても初優勝となる。
21日の第1試合では神村学園と関東第一が激突。神村学園は2年連続7回目の出場で、昨夏は準決勝まで勝ち進むも仙台育英に敗れた。春は2005年に準優勝があるが、夏は準決勝が現状の最高到達点。昨年の悔しさも糧に、決勝進出に向けて闘志を燃やす。
また、鹿児島県勢としても夏の最高成績は1994年・樟南の準優勝となっており、神村学園は県勢初優勝という悲願も背負っての戦いとなる。深紅の大優勝旗を地元に持ち帰ることができるだろうか。
対する関東第一は5年ぶり9回目の出場で、準決勝進出は2015年以来9年ぶり。1987年の春に準優勝があるものの、夏は2度準決勝で敗退しており、こちらも初の決勝進出をかけた戦いとなる。
なお、東京のチームといえば2011年に日大三が夏の頂点に立ち、2006年には早稲田実が大フィーバーを巻き起こして栄冠を掴み取っているが、東東京のチームに限れば1995年の帝京を最後に優勝がない。
低反発バットでも1試合平均「6.75」得点を叩き出して勝ち上がってきた神村学園か、対照的に1試合平均「1.33」失点のディフェンス力で競り勝ってきた関東第一か。注目の一戦は21日(水)8時にプレイボール予定だ。
まだ優勝がない青森と68年ぶり優勝目指す京都
21日の第2試合では京都国際と青森山田が対戦。2年ぶり3回目の出場を果たした京都国際は2021年に準決勝まで勝ち進んだが、その時は智弁学園に1-3で惜敗。上述した2校と同じく、初の決勝進出をめざす。
京都から決勝進出となれば、2005年の京都外大西以来で実に19年ぶり。その時は駒大苫小牧に敗れて準優勝だった。思えばその前の1998年は京都成章が松坂大輔を擁する横浜に敗れ、その前年も平安が智弁和歌山に敗れるなど、夏の決勝は4連敗中だ。
最後の優勝はというと、1956年の平安までさかのぼる。68年ぶりの優勝なるか、京都国際にかかる期待は大きい。
対する青森山田は7年ぶり12回目の出場で今回がはじめての4強入り。東北勢の悲願、深紅の優勝旗の“白河の関越え”は2022年に仙台育英(宮城)が成し遂げたが、青森県勢としてはその前に2011年・2012年と2年連続で決勝進出を果たしながら、あと一歩栄冠に手が届かなかったという悔しい思い出がある。
68年ぶりか、県勢初の悲願か。両者は今春のセンバツ1回戦で対戦があり、その時は青森山田が京都国際に4-3でサヨナラ勝ちを収めた。春から続く因縁も含め、こちらも見逃せない戦いとなる。
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記事:SPAIA編集部