「映画史上いちばんデタラメな作品を」昭和100年の世界で“岡本太郎×特撮”描く『タローマン』制作秘話
『大長編 タローマン 万博大爆発』まもなく公開!
言わずと知れた日本を代表する芸術家・岡本太郎と、こちらも日本を代表するエンタメである特撮を組み合わせた映画『大長編 タローマン 万博大爆発』が、8月22日(金)より全国公開となる。
このたび、本作の監督を務めた藤井亮とプロデューサーの竹迫雄也が”映画化への道のり”を明かしてくれた。
放送毎にバズりまくった伝説の5分番組が大長編特撮映画に
本作のベースとなったのは、“1970年代に放送された特撮ヒーロー番組”という体裁のもと岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作された「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」。<NHK Eテレ>の深夜放送(1話5分)からクチコミで話題が拡がり、続編の制作や関連書籍が増刷を重ね、関連イベントも盛況ぶりをみせるなど話題性もさることながら、第49回放送文化基金賞のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞、藤井亮が脚本・演出賞を受賞するなど高い評価を獲得してきた。
そして『大長編 タローマン 万博大爆発』として映画化および公開日が発表されるや、SNS上では期待と興奮、そして渦巻く驚嘆の声をもって瞬く間に話題となり、「X」でトレンド1位を獲得。さらに後日、ミュージシャン・山口一郎の出演が発表され、「タローマン大好きだからとんでもなく嬉しい…さらに山口一郎…はあ最高」「令和のタローマンには山口一郎がいないとな」などといった待望の声が相次いだ。
「これまでの映画で1番“でたらめな”映画を作りたいです」
2022年7月にNHK Eテレで始まった「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」はカルト的な人気を博し、子供から大人まで多くのファンを生み出した。そんな、でたらめなヒーロー“タローマン”に目を輝かせたファンの一人が、今回の映画化の発起人でもある竹迫雄也プロデューサーだ。
幼少期から特撮が好きで、岡本太郎の著書「自分の中に毒を持て」(青春出版社刊)が愛読書だったという竹迫。5分の映像に凝縮された特異な世界観に酔いしれ、いつか藤井亮監督と仕事がしたいと思うようになったという。その想いは、同年12月に放送された特別番組「岡本太郎式特撮活劇 タローマンヒストリア」の反響を受け、やがて確信に変わり、映画化に向け本格的に動き出すことになる。
公開のタイミングは、2025年の大阪で行われる万博開催時期。岡本太郎がテーマ展示プロデューサーを務めた1970年の大阪万博から55年の時を経て、映画として、万博の話題性を取り込んで、 “タローマン”を世に放ちたいと思いました。(竹迫P)
さっそく藤井監督にコンタクトをとり、「これまでの映画で1番“でたらめな”映画を作りたいです」と熱い想いをぶつけた竹迫。すると藤井も「私も“タローマン”を大きなスクリーンに映したいと思っていました」と明かし、監督としても“タローマン”であえて描かなかった万博をテーマにした作品にしたい”と吐露。こうして、2025年大阪・関西万博開催時期に公開させるべく、急ピッチでの映画づくりが始まった。
今こそ伝えるべき「岡本太郎が抱いた万博への想い」
企画当初は、やはり“5分の番組をいかに映画化するか”が大きな課題だったという。5分という尺がタローマンの魅力を最大限引き出せたのでは? という不安要素はありつつも、藤井監督はあえてマイナスに飛び込む岡本太郎の精神で、長尺の映像にチャレンジしたと語る。
一番大変なのは、一本の長い映像で“でたらめ”をやること。5分のタローマンの”でたらめ”のテンションを維持しながら、長編としての大きな流れをもったものにする。そこに挑戦しようと思いました。(藤井監督)
本作で監督・脚本だけでなく、アニメーションやキャラクターデザイン、背景制作など多くのパートを担っている藤井監督。膨大な量の作業をこなしながら、映画化にあたり改めて岡本太郎の言葉をインプットするなど研究を絶やさず、映画の完成ギリギリまで、ストイックに作品に向き合ったのだという。
岡本太郎に魅了された大人たちが、多大なるリスペクトと愛を込めて贈る映画『大長編 タローマン 万博大爆発』。<岡本太郎が抱いた万博への想い>が、今こそ伝えるべきテーマとして描かれる。1970年代に夢見た未来都市を舞台に、よりエネルギッシュで、よりでたらめに、スクリーンに帰ってきた“タローマン”をぜひ目撃しよう。
『大長編 タローマン 万博大爆発』は8月22日(金)より全国ロードショー