『木の上の軍隊』や『母と暮せば』など、舞台と映画の両方でこまつ座「戦後“命”の三部作」を特集放送
2025年は、第二次世界大戦の終結から80年。CS放送「衛星劇場」にて、「映画『木の上の軍隊』公開記念 終戦80年 演劇と映画で観るこまつ座<戦後“命”の三部作>」特集を8月に放送することが発表された。
映画『木の上の軍隊』公開に合わせ、こまつ座<戦後“命”の三部作>がこの度、一挙放送される。
井上ひさしが残した大量の資料本とメモ1枚を基に、劇作家・蓬莱竜太が書き下ろし、栗山民也が演出を手掛けた『木の上の軍隊』(2016年版)。ある南の島。ガジュマルの木に逃げ込んだ兵士二人は、敗戦に気づかず、二年間も孤独な戦争を続けた。実話から生まれたいのちの寓話が今、語りかける。山西惇が、再び本土出身の“上官”を演じる。今や人気俳優となった当時注目の新キャスト・松下洸平が、柔らかく、おおらかな存在感で島出身の“新兵”に挑む。
富田靖子、松下洸平出演の『母と暮せば』(2018年版/2021年版/2024年版)。井上ひさしの遺志を娘・こまつ座代表井上麻矢が引き継ぎ、企画した『母と暮せば』。山田洋次監督が映画『母と暮せば』を製作、2018年にこまつ座の舞台として初上演。『父と暮せば』、『木の上の軍隊』に続く、「戦後“命”の三部作」第三弾となる。初演から母・伸子役の富田靖子、息子・浩二役の松下洸平が演じた。
そして、こまつ座「戦後“命”の三部作」第一弾。2020年紫綬褒章を受章した演出家・鵜山仁が捧げる、原爆投下から3年後のヒロシマを舞台に父と娘が織りなす命の会話。山崎一、伊勢佳世出演の『父と暮せば』(2021年版)をおくる。
さらに、長崎を舞台に描く、母と息子の愛情の物語『母と暮せば』。作家・井上ひさしが、広島を舞台にした自身の戯曲『父と暮せば』と対になる作品として実現を願いながらも叶わなかった物語を、名匠・山田洋次監督が映画化。原爆で亡くなった息子が家に舞い戻る姿を描く人間ドラマ。『母べえ』『おとうと』でも山田監督とタッグを組んだ吉永小百合が、母親・伸子役を演じ、今回が山田組初参加となった二宮和也が息子・浩二役を演じる。
また、戦後の広島で、原爆から独り生き残った後ろめたさから、自分が幸せになることを拒否し、苦悩に生きる娘・美津江。幽霊となり現れた父・竹造に励まされ、悲しみを乗り越え、未来に目を向けるまでの4日間の父と娘の交流を描いた感動作。宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信ら出演の『父と暮せば』の映画2作品も放送。
舞台と映画の両方で<戦後“命”の三部作>の世界を堪能できる貴重な機会となっている。