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墨田区の老舗和菓子4店の「うらおもて」を味わう。看板商品はもちろん、他にもおすすめがあります!

さんたつ

TOP用

老舗和菓子店が集まる向島〜曳舟エリア。押さえておきたい銘菓がずらりと勢揃いしている。その一方で陰に隠れた名品もあり、常連客やマニアの中にはそちらを目当てに訪れる人も。レコードになぞらえ、看板商品をA 面、隠れた名品をB 面としてご案内。

言問団子(ことといだんご)

【『埼玉屋小梅』のA面】あんこを丸めた愛らしい三色団子『小梅だんご』

小梅だんご215円。

明治30年(1897)、埼玉から出てきた初代が、当時小梅村と呼ばれていたこの地で創業。大福や団子など朝生菓子を並べる「町の和菓子屋さん」だ。串に刺した三色団子は、口に入れるとその正体にびっくり。上下の2つは丸めたこしあんを求肥で包み、それぞれにゴマ、青海苔をまぶしており、真ん中は梅肉入りの白あんを丸めて求肥で包み、きなこをかけている。あんこ好きにはたまらない一品。

【『埼玉屋小梅』のB面】透明感で涼を演出する夏のお菓子『くず桜』

くず桜190円。

透明感のあるつるりとした喉越しの葛餅を、塩漬けにした桜の青葉でくるりと包む。あんこが透けて見えるこの涼しげな和菓子がショーケースに並ぶと、いよいよ夏到来だ。こちらの店で使用されている吉野葛は、混ぜものをしていないいわば「葛100%の吉野本葛」。すっきりした後味にまとめるため、あんこもキレのいい甘みに調整しているという。初夏から8月いっぱいまでの季節限定。

『埼玉屋小梅』店舗詳細

埼玉屋小梅(さいたまやこうめ)
住所:東京都墨田区向島1-5-5/営業時間:9:00~19:00/定休日:月(1日、または祝の場合は水休)/アクセス:地下鉄浅草線本所吾妻橋駅・東武鉄道東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅から徒歩8分

【『青柳正家』のA面】可憐(かれん)な立ち姿が思わず目に止まる『菊最中』

菊最中3個入り972円。

美しい最中は、天皇や皇室を表す十六菊をかたどった特注のデザイン。大納言小豆でこしらえたずっしりしたこしあんに支えられ、天に向かって花を咲かせている。かじるとサクッとした歯触りを楽しめ、品のいい香ばしさがふわり。なお、こしあんは粘度が高く、それでいて繊細さも兼ね備えているので、その食感を保ちながらきれいな腰のくびれを形作るためには、熟練の職人技が必要なのだとか。

【『青柳正家』のB面】品の良さと素朴さが共存する奇跡『栗羊羹』

栗羊羹(ハーフ) 2160円。

向島周辺が都内きっての料亭街として栄えていた頃、おもたせの定番に。柔らかい栗がごろごろ潜む、藤色を帯びたきれいな羊羹(ようかん)で、宮家にも献上されている。贈答用にされることが多いが、ある時、地元の常連客に「自分用のおやつにしたいから」とハーフサイズをリクエストされたとか。丁寧に渋切りをしたことで生まれる澄んだ味わいと、手練りのあんこならではの素朴さを兼ね備える。

『青柳正家』店舗詳細

青柳正家(あおやぎせいけ)
住所:東京都墨田区向島2-15-9/営業時間:9:00~19:00/定休日:日・祝/アクセス:東武鉄道東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅から徒歩12分

【『志゛満ん草餅』のA面】爽やかなヨモギの香りを吸い込む『草餅』

草餅1個175円。

かつて隅田川にあった渡船場のそばで、茶店として始まったのが明治2年(1869)。生のヨモギを仕入れ、選り分けるところから自分たちで行うのは、その頃からの方法だ。大量のヨモギを茹(ゆ)で、アクや繊維を取り除くなど下処理をするのも大仕事。もち米ではなくうるち米の上新粉を使うことで歯切れがよくなり、噛(か)み締めるとヨモギの香りが舞う。あん入り、あんなしがあり、後者がより人気。

【『志゛満ん草餅』のB面】団子はむちっ、たれはとろりが絶妙『焼だんご』

焼だんご155円。

団子は網で焼き、みたらしのたれは注文ごとにつけるのがこだわり。おかげでフレッシュなうちに食べられ、とろりとしたたれの舌触りが心地よい。受け取って、店を出てすぐなら醤油の塩味が効いて、キリッとした味わいに。30分ほど置いて食べると、たれと団子がなじんで自然と甘みが前に出てくる。上新粉を使い、蒸し時間を長めにしているので、噛むとむちっとして米の旨味がじわり。

『志゛満ん草餅』店舗詳細

志゛満ん草餅
住所:東京都墨田区堤通1-5-9/営業時間:9:00~17:00(16:00以降売り切れ次第終了)/定休日:水/アクセス:東武鉄道東武スカイツリーライン東向島駅から徒歩12分

【『言問団子』のA面】柔らかい食感に癒やされるひととき『ことといだんご』

ことといだんご 6個入り1480円。

植木商だった初代が、来客があった際によく出していたとされる手作りの団子がルーツ。江戸時代末期、店ができるとたちまち評判となり、文人墨客にも愛された。元々は小豆あん、白あんの2種類だったが、やがて味噌あんを丸め、クチナシで染めた求肥で包んだものも仲間入り。在原業平が隅田川で詠んだ和歌「名にし負はばいざ言問はん都鳥我が思ふ人はありやなしやと」にちなんで命名された。

【『言問団子』のB面】軽やかなさえずりが聞こえてきそう『こととい最中』

こととい最中(小豆餡・白餡)1個320円。

デザインのモチーフは、くだんの和歌に登場する「都鳥」。薄皮の最中をかじるとパリッと軽快な音がして楽しい。宮城県産のもち米「みやこがね」を使用し、しっかり焼き込まれているため香ばしく、その対比効果でむしろあんこの存在感が際立つ。大納言らしい力強さがある小豆あんと、手亡豆のほくほくした食感や上品な甘さが感じられる白あんの2種類あり、食べ比べるのも醍醐味(だいごみ)の一つ。

『言問団子』店舗詳細

言問団子(ことといだんご)
住所:東京都墨田区向島5-5-22/営業時間:9:00~17:00/定休日:火/アクセス:東武鉄道亀戸線・東武スカイツリーライン曳舟駅、東武鉄道東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅から徒歩12分

取材・文=信藤舞子 撮影=原幹和
『散歩の達人』2025年8月号より

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