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【藤沢市】鵠沼を語る会 調査研究続け半世紀 たゆまぬ知的好奇心と探求心

タウンニュース

編集作業に取り組んでいる会誌を手にする竹内会長(下段中央)と会員たち

市南部に位置する鵠沼地区にまつわる調査研究をしている団体「鵠沼を語る会」が今年11月に発足50周年を迎える。これまで扱ってきたテーマは歴史や史跡、文学、民俗、風土などさまざま。それら活動内容を会誌『鵠沼』にまとめてきた。「調べても調べても調べ足りない」。知的好奇心と探求心をくすぐる地元の魅力を多くの人に伝えようと、会員たちは現在、会誌第125号の発行に向けた編集作業に没頭中だ。

同会は鵠沼公民館(現鵠沼市民センター)の館長だった故・高松敏夫さんの呼びかけにより、1975年11月に立ち上がった。明治期に日本初の別荘分譲地として開発された鵠沼地区。「最高の土地であることは誰でも知っているが、昔はどんな土地であったか。その歴史をひもといてみるのは興味深い」という発想だった。

当時サークル活動は女性が中心で「男性も参加しやすいように」と、鵠沼海岸商店街の店主らを巻き込み、会が発足。文化人や医師の他、大正末期に逗留した作家、芥川龍之介の姪なども会員に加わった。

日頃の勉強会や活動報告をはじめ、公民館まつりでの資料展示や講演会を実施。同商店街で精肉と酒店を営む会の古株、有田裕一さん(88)らによると、相模国準四国八十八カ所や巨樹、玉石垣といった「知る人ぞ知る鵠沼」を足を使って情報収集。「年をとっても、どんどんテーマが浮かんでくる」という。また2001年には、割烹旅館「東屋」跡地への碑の建立に尽力、03年からは鵠沼郷土資料展示室に資料を提供するなど、史跡保存にも貢献してきた。

現在の会員数は41人。定例会と運営委員会を毎月開き、活動内容を決めている。同会の竹内広弥代表(82)は「これからも会員一人一人が能動的に、市民が驚くような鵠沼の側面を伝えられたら」と笑顔で語った。

あす記念講演

「開山700年遊行寺の歴史カリスマ的存在『生き仏』遊行上人」と銘打った50周年記念講演会があす8日(土)、鵠沼市民センターで開かれる。

講師は、歴史家で明治大学名誉教授の圭室(たまむろ)文雄氏。開演は午後1時30分。参加無料。

問い合わせは同センター【電話】0466・33・2002。

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