「コメディにはお金をかけない方が良い」 ─ 『裸の銃を持つ男』リブート版にオリジナル版監督が苦言「大予算とコメディは相反する」
往年の人気刑事コメディ映画シリーズを、リーアム・ニーソン主演でリブートした『裸の銃を持つ男』は日本での劇場公開が見送られたが、デジタル配信で楽しむ事ができる。2026年1月21日からはブルーレイ&DVDも発売予定。抱腹絶倒のおバカコメディが令和にカムバックだ。
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オリジナル版では、レスリー・ニールセン演じる刑事フランク・ドレビンのくだらない(褒め言葉)コメディが次々登場。ニーソンによるリブート版もおバカ加減はそのままに、昔ながらのお間抜けギャグがノンストップで飛び出す。
海外では2025年8月より劇場公開されると、世界興収は1億ドルを突破。批評家、観客からの評価も高く、「コメディ映画界の救世主」ともてはやされた。
ところが、オリジナル版の第1作と第2作を監督したデヴィッド・ザッカーはこのリブート版に否定的。米にて、新作は金の匂いがするのだと批判している。
「私の兄ジェリーとパートナーのジム・エイブラハムズは、50年前にパロディコメディを始めました。独自のスタイルを築いたのです。とてもうまくやったので、一見簡単そうに見えるのです。みんなが真似しました」。ザッカーはこう振り返りながら、「セス・マクファーレンの新しい『裸の銃を持つ男』もそうです。でも、彼は完全にスベっている」と、模倣の試みに失敗していると非難。この新作では、
『テッド』シリーズなどで知られるセス・マクファーレンがプロデュースを手がけている。
さらにザッカーは、「コメディにはお金をかけすぎない方が良いんだ」との持論を展開。「私たちのルールの一つは、技術的な派手さにおけるものでした。“大予算”と“コメディ”は相反するものです。新しい『裸の銃を持つ男』では、我々のスタイルをコピーしようとしつつ、技術的な派手さたっぷりのシーンにたくさんの費用を投じている様が見て取れました」。
ちなみにリブート版には、映画をパロディしたシリアスなオープニングシーンや、ハイテク企業の登場など、ある程度のコストをかけた(ように見える)シーンは確かに存在。製作予算は4,200万ドルだ。
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「今や、誰もが金のためになっています」とザッカーは嘆いている。「新しい『裸の銃を持つ男』も、そういう動機なんだと思います。コメディは変化するもの。今なら同じことはしないでしょう」。
リブート版でニーソンが演じるフランク・ドレビン・ジュニアは、オリジナル版主人公の息子である設定。劇中では父をはじめとするオリジナル版キャラクターの肖像画が登場したり、父との絆が思わぬ形でストーリーに絡む展開も。ザッカー監督はあまり評価していないようだが、新旧の“笑い比べ”を観察するのも楽しいだろう。
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