【要注意】納豆を摂り入れるメリット&食べ過ぎによるデメリット
納豆の食べ過ぎによる体への影響
竹内先生:
「ワルファリンのように血液を固まりにくくする薬を服用している場合や、マリンスポーツが好きな方やクラゲに刺されたことがある方で納豆を食べた後にアレルギーを認めた場合は、納豆に注意が必要です」(※12)
注意点
太る原因に
プリン体の過剰摂取で痛風のリスクが高まる
ビタミンKと薬の相互作用に注意
イソフラボンの過剰摂取につながる
腹痛や便秘を引き起こす
塩分の摂り過ぎに注意
太る原因に
ヘルシーなイメージがある納豆ですが、1パック(40g)あたりのカロリーは76kcalです。意外と多いと感じる方もいるのではないでしょうか。
納豆を一日に何パックも食べるとカロリーの摂取過剰となり、ダイエットの妨げになるおそれがあります。(※34)プリン体の過剰摂取で痛風のリスクが高まる
納豆1パック(約40g)には、プリン体が約46mg含まれています。プリン体は体内で尿酸となって排出されますが、尿酸が過剰になると尿酸塩となり、関節に蓄積するおそれが。
プリン体は過剰摂取すると尿酸が多くなり過ぎて痛風の危険性が高まるため、一日の摂取量は400mgまでが目安。これは納豆8パックほどに相当する量です。納豆のほかにも、レバーやビールなどにプリン体は多く含まれています。摂取量には十分気を付けましょう。(※3567)ビタミンKと薬の相互作用に注意
納豆には、出血の際に血液を固める作用があるビタミンKが多く含まれています。ワルファリンのように血液を固まりにくくする薬を服用している場合、ビタミンKの多量摂取によって薬の作用が弱まるおそれが。かかりつけの医師に相談したうえで、納豆の摂取は避けましょう。(※8)
イソフラボンの過剰摂取につながる
納豆をはじめとする大豆製品には、「大豆イソフラボン」が含まれています。大豆イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」と似たはたらきをするため有用性がある一方、摂り過ぎると健康を損なうリスクがあるとも考えられています。
特に健康食品やサプリメントで大豆イソフラボンを摂っている方は、過剰摂取になりやすいので注意が必要です。(※9)下痢や便秘を引き起こす
納豆は水溶性と不溶性の2種類の食物繊維をどちらも含んでおり、適量であれば腸内環境を整えるのに役立ちます。水溶性食物繊維は便をやわらかくする作用があり、不溶性食物繊維は便の量を増やして腸を刺激するはたらきがあります。しかし、食物繊維は摂り過ぎると下痢や便秘を引き起こすおそれが。
通常の食事以外にサプリメントから食物繊維を摂っている方は、過剰に摂り過ぎないよう気をつけましょう。(※410)塩分の摂り過ぎに注意
納豆単品に塩分は含まれていませんが、注意すべきはたれの塩分。たれを入れた納豆1パック(40g)あたりの塩分は約0.5gです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)で定められている食塩相当量の目標量は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満。納豆を食べ過ぎると塩分の摂り過ぎにつながるため、注意しましょう。(※1112)
※納豆のたれの塩分量は商品によって異なります。
納豆は一日にどのくらい食べて良いか
納豆を摂る量は、一日に1パック(約40g)が目安です。毎日納豆を食べるという方は、朝食だけにするといったように、3食のうち1回にとどめましょう。
また、納豆はたんぱく質が多く含まれているため、主菜に分類されています。野菜や海藻のおかずのような副菜ではありません。肉や魚のおかずと納豆を合わせると、主菜の摂り過ぎになるおそれが。食事のバランスが崩れないように注意してくださいね。(※3)
適量なら健康維持に役立つ!納豆を食べるメリット
納豆の効果
便秘対策
血液の健康維持
免疫力アップ
貧血対策
前述したように、納豆に豊富な食物繊維は便秘対策に役立ちます。納豆の食物繊維は不溶性と水溶性の割合が理想的な2:1に近いバランスで含まれていますよ。また、納豆の特徴的な成分であるナットウキナーゼは血液の中にできたかたまりを溶かす作用があり、血液の健康維持に役立ちます。
そのほか、免疫機能を高める納豆菌や、貧血対策に役立つ鉄が豊富に含まれており、納豆は適量の摂取であれば健康維持に役立つメリットが多くあります。(※413141516)
納豆の食べ方についてのQ&A
Q. 納豆を一日に2~3パック食べてもよい?
A. 日常的に食べるには、一日に1パックまでとし、2パック以上は過剰摂取であることを認識しておきましょう。
たまに一日2~3パック食べる日があってもよいですが、納豆に加えて、肉や魚も食べていると食べ過ぎです。カロリーや塩分の摂り過ぎにつながるほか、続けていると栄養がかたよるおそれがあります。(※3)
Q. 納豆を食べないほうがよい場合はある?
A. 血液を固まりにくくするワルファリンを服用している場合は、納豆は食べられません。
納豆に含まれるビタミンKの影響で薬の作用を弱めてしまうため、医師の許可なく納豆を食べることは避けましょう。
ワルファリンを服用している方が納豆を食べると、血液を固まりやすくなる度合いが高くなり、その影響は3日ほど続くといわれています。(※817)
Q. 納豆のおすすめの食べ方は?
A. 納豆に含まれるナットウキナーゼは、熱に弱い性質があります。ナットウキナーゼの作用を期待する場合は、納豆を加熱せずにそのまま食べましょう。
また、納豆に豊富なビタミンKは、油に溶けやすい栄養素です。脂質が豊富な食品と組み合わせたり、オリーブオイルと混ぜたりすると、吸収率が高まりますよ。
納豆に含まれる鉄を効率よく摂りたい場合は、鉄の吸収を促すビタミンCと組み合わせるのがおすすめ。ビタミンCは野菜やいも類に豊富です。(※4161819)
食べ過ぎに注意して納豆パワーを食卓にプラス
納豆の食べ過ぎはカロリーや塩分の過剰摂取や、便秘や下痢につながるおそれがあります。一日に1パックを目安とし、食べ過ぎないようにしましょう。また、ワルファリンを服用している方は、納豆を食べることは避けてください。
しかし、納豆は栄養満点の食品です。ナットウキナーゼや納豆菌など、特徴的な成分が含まれています。また、食物繊維や鉄も豊富です。適量を守って食べればメリットがたくさんあるので、食べ過ぎに注意して日々の健康維持に役立てましょう。
【参考文献】
※4 八訂食品成分表2021|女子栄養大学
(2024/02/23参照)