【大和市】元大和市教育委員長の青蔭文雄氏 地方教育行政功労者表彰を受賞 読書推進、いじめ対策に尽力
大和市教育委員会で教育委員長を務めた青蔭文雄氏(75)が10月9日、令和7年度地方教育行政功労者表彰を受賞した。青蔭氏は、同日に文部科学省で行われた表彰式に出席し、同日夕方に大和市役所を訪れて古谷田力市長に受賞を報告した。
この表彰は、地方教育行政において特に顕著な功労のあった教育委員会の委員を文部科学大臣が表彰するもの。青蔭氏は今年5月に全国市町村教育委員会連合会表彰も受賞している。
在職16年
青蔭氏は、2005年6月から社会教育委員を務め、08年から24年まで教育委員、10年から12年、14年から15年までの2度にわたり教育委員会委員長を務め、昨年12月に4期目の任期満了で退任した。
市によると教育委員としての在任期間は同市で過去最長という。
在任中は、05年に策定した「大和市子ども読書活動推進計画」の策定に尽力。12年の「こども読書力向上プラン」策定時には教育委員長として深く関与し、市内小学校5校、中学校2校が文部科学大臣表彰を受賞する成果につなげるなど、読書活動の推進に大きく尽力した。
二度目の教育委員長を務めた15年には、「大和市いじめ防止基本方針」の策定に携わり、いじめ問題の解決に向けた教育フォーラム開催や匿名報告・相談アプリの導入を後押しした。
さらに、放課後寺子屋やまと事業を全市立小学校で実施する際には、基礎学力の向上と学習習慣の習得を支援し、子どもの学習意欲を高める独自の取り組みに貢献した。
教育上の配慮が必要な児童や生徒には、きめ細やかな支援の実現のために特別支援教育センター「アンダンテ」の開館に尽力。「はぐくみの教室」や相談センターを設置し、教職員への専門的な研修を進めるなど、機能の充実にもつなげた。
不登校の児童や生徒の社会的自立をめざしてもらう引地台中学校分教室の開室にも携わり、個々のニーズに応じた教育環境の整備に貢献するなど、大和市の教育行政の進化に深く関与した。
皇室とのご縁も
青蔭氏は、「花のお寺」や「五百羅漢」で名高い曹洞宗、常泉寺(大和市福田)で住職を務める。
市の人権擁護委員や青少年問題協議会委員のほか、県行政では大和警察署協議会の会長も歴任し、県警察行政にも深く尽力してきた。
本紙タウンニュース大和版では、随筆「徒然想」を97年9月から現在まで331回にわたり連載している。
文化活動では、18年から一般社団法人「日本盆栽協会」の理事長を務め、昨年2月の第98回「国風盆栽展」(東京都美術館)では、ご鑑賞に訪れた天皇、皇后両陛下と長女愛子さまの案内役を担った。
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地方教育行政功労者表彰を受賞した青蔭元教育委員長の話。
――今後の学校教育のあるべき姿について。
「(学校が)子どもも先生も、朝起きて、『早く行きたい』と思えるような場であるといい。先生方には、子どもを見るだけではなく、見つめてあげてほしい。子どもにとって学校がどんな場所なのか、そこをもう一度見つめ直してみてみるといいのではないか」。