全国高校選抜大会 フェンシング女子 個性と感性を磨き日本一を目指す別府翔青 【大分県】
県高校新人大会で優勝、続く九州大会で準優勝と結果を残し、女子エペ団体で３年連続全国選抜出場権を獲得した別府翔青。昨年の全国選抜大会では準優勝で、あと一歩、優勝に届かなかった。悔しさを知るキャプテンの竹内花菜子（２年）は「今年は優勝を目指す」と話しており、一丸となって頂点を目指す。
チームは少数精鋭の５人で、ジュニア時代から活躍している岡田風花（１年）以外は全員が高校からフェンシングを始めた。｢一人一人スタイルが全く違う｣と佐藤麻依子監督が話すように、対戦相手からすると戦いにくいチームであることが最大の強みだという。
エースとしてチームをけん引する岡田は、中学３年時から２年連続国体に出場し、経験値の高さからくる試合のコントロール力はチーム随一。専門はフルーレだが、｢岡田が勝ってくれるという安心感が他の選手の力になっていることは間違いない｣と佐藤監督も期待を寄せる。また、竹内の統率力も団体戦では欠かせないカギ。佐藤監督が｢独特のリズム感を持っていて、相手は動きを読みにくい｣と言うように、独自の感性に磨きをかけながら成長中だ。
フルーレやサーブルとは異なり、エペは全身が有効面となり、同時に突きが決まった場合は両選手に得点が加算されていく。そのため、｢いかに(自分のみの得点になる)シングルランプを重ねられるかがポイント｣と佐藤監督は話すが、我慢の守備も重要な課題で、攻守ともに技術力を高めなければいけない。また、岡田一人に頼るのではなく、｢それぞれが着実に得点を取らなければ｣と、チームワークを武器に全員で勝ちにいく。
昨年度から決勝戦が特別舞台となり、華やかなピストで試合が行なわれる。｢今年もあの憧れの舞台に立たせてあげたい。連続出場というプレッシャーを力に変えて楽しんでほしい｣と佐藤監督。強い者だけが立てる特別な決勝戦に向けてチームが一つになっている。昨年惜しくも登れなかったもう一つ上の表彰台を目指して、気持ちを高める。
（黒木ゆか）