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第11回ホワイト企業アワード、働きがいと働きやすさの向上を目指す16社を選出

月刊総務オンライン

第11回ホワイト企業アワード、働きがいと働きやすさの向上を目指す16社を選出

一般財団法人日本次世代企業普及機構(ホワイト財団、大阪府大阪市)は11月13日、第11回「ホワイト企業アワード」の授賞企業を発表し、今年度はエントリー総数296社から16社が受賞した。

全国から特色のある優れた社内制度を募集

同アワードは、働きがいと働きやすさの向上を目指す企業を、「ホワイト企業」として表彰するイベント。全国から「将来性」「独自性」「再現性」「社会性」に特色のある社内制度を募集し、優れた取り組みを発信することで、企業に対し、学びや気付きの場を提供する。企業規模にかかわらず、中堅・中小企業が多数選出されているのも特徴だ。

表彰は全8部門。同財団や企業の代表者が選ぶ企業部門のほか、学生審査部門がある。

第11回「ホワイト企業アワード」の授賞企業は以下の通り。

 ・三方よしの企業経営部門:パナソニック コネクト(東京都中央区)、グローバルパートナーズ(東京都豊島区)

 ・柔軟な働き方部門:QVCジャパン(千葉県千葉市)、ネクスキャット(東京都豊島区)

 ・健康経営部門:日本ナレッジスペース(東京都港区)、東京冷機工業(東京都文京区)

 ・働きがい部門:ビジョンクリエイツ(長野県北佐久郡)、Massive Act(東京都港区)

 ・福利厚生部門:MS&ADビジネスサポート(東京都中央区)、きぼう(大阪府堺市)

 ・D&I部門:ヘンケルジャパン(東京都品川区)、HRマネジメント(東京都豊島区)

 ・人材育成部門:建新(神奈川県横須賀市)、リアルソフト(神奈川県横浜市)

 ・学生審査部門:プラスト(埼玉県さいたま市)、アイレット(東京都港区)

各賞を受賞した企業の主な取り組みと評価ポイントを紹介

三方よしの企業経営部門

パナソニック コネクトは、企業と個人の成長を目指し「キャリアオーナーシップ制度」を導入。社員が自らキャリアを考え、行動する自律的な文化を醸成している。また、外部有識者との対談動画視聴を取り入れるなど、キャリア形成に対する主体的な意識が社員全体に浸透している点も特徴的だ。

企業価値の向上と社会貢献を両立させている姿勢は、まさにホワイト企業の模範であり、今回の受賞にふさわしいと評価された。

柔軟な働き方部門

企業向けにDX推進サービスなどを提供するネクスキャットは、「場所の自由」「時間の自由」「キャリアプランの自由」「環境の自由」「距離感の自由」の5つの自由を掲げ、従業員の柔軟な働き方を支援している。特に「場所の自由」では、役員、バックオフィスも含め全員がフルリモート勤務で働いている。

ライフスタイルに合わせた働き方ができる体制を整備している点が評価された。

健康経営部門

ソフトウエア開発を手掛ける日本ナレッジスペースでは、睡眠やがん対策への取り組みなど各種健康増進関連の福利厚生制度の導入に加え、ワークライフバランス実現に向けて、労働時間管理やGLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の加入など、幅広い施策を積極的に実施している。

また、代表取締役自らが「健康経営エキスパートアドバイザー」資格を取得するなど、経営陣の意識の高さも高く評価された。

働きがい部門

ホテルやレストラン事業を展開するビジョンクリエイツでは、人材育成において、社員個人の目標を設定し、達成までに必要な項目を明確化する「チャレンジシート」を取り入れている。

チャレンジシート活用では、人事担当者だけでなく、経営陣が一緒に向き合っている点を評価した。

福利厚生部門

MS&ADインシュアランスグループ内の人事・総務等のシェアードサービス機能を担うMS&ADビジネスサポートは、従業員の処遇改善に力を入れる。これまでに、新入社員の1年間のみに支給する「入社時精励手当」を新設したほか、入社後1年以上経過しないと人事考課の対象ではなかった制度を、入社1か月目から人事考課の対象とする変更などを実施している。

これらの取り組みにより、キャリア採用者によい緊張感が生まれパフォーマンスが向上したことや、処遇の差をつけることでエンゲージメント向上につながった点が評価された。

D&I部門

ヘアコスメなどの製品を扱うグローバル企業の日本法人であるヘンケルジャパンは、「だれでも本当の自分を出せて仕事できるインクルーシブな職場」を標榜(ひょうぼう)し、全社員があらゆる機会やサービスに平等にアクセスできる制度や職場環境を整えている。同制度の浸透に向けては、イントラネットやプレスリリース、部門会議などさまざまな方法で周知活動を行っている。

多国籍企業特有の課題を乗り越え、日本での実効性を確保している点が評価された。

人材育成部門

不動産事業を展開する建新は、従来の「数値重視型」の人事評価制度を改め、従業員の個性や貢献の多様な側面を公平に評価する「新人事評価制度」を採用。同制度では、業績だけでなく、日々の行動やチームへの貢献も評価対象となり、自己目標設定による成長の促進と、従業員のモチベーション向上につながっているという。また、2020年には、全従業員に必要なスキルを段階的に習得させる制度の運用を開始した。

社員一人ひとりの成長を支援する人事評価制度と人材育成プログラムを展開し、企業全体の成長に貢献する人材を育成する取り組みが評価された。

学生審査部門

学生の目線から企業を評価する同賞では、クラウドを活用したシステム・アプリ開発を手掛けるアイレットが選ばれた。審査を担当した学生たちは、健康や働きがい、ワークライフバランスなど多角的な視点に基づき、働きやすい職場環境を整えている点を評価した。

特に、健康経営に関する取り組みは評価が高く、健康維持一時金制度により、仕事面に加えて生活面でも健康維持を支える仕組みを整備している点や、在宅勤務の費用助成制度、出産・育児支援といったワークライフバランスを大切にした制度などは学生から見ても魅力的だと語った。

ホワイト企業アワードは、企業と従業員の双方にとって健全で持続可能な職場環境の実現を促進することを目的に設立されたもので、2016年に始まった。社会的な模範となる全国の「素晴らしい会社」を広く紹介し、社会全体での働き方改革を推進している。

第11回アワードの受賞結果は公式サイトで確認できる。

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