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ドングリ育て初植樹 林業と福祉連携し里山再生へ 名張育成会

伊賀タウン情報YOU

苗を植える山本さん(左)と久保さんら=名張市長瀬で

 社会福祉法人名張育成会(本部・三重県名張市美旗中村)が、林業と福祉の連携を目指す「TSUNAGU(つなぐ)どんぐりプロジェクト」を展開している。ひきこもりなどからの社会復帰を目指す利用者らが拾って育て、地域の里山再生に参加する取り組みで、SDGs(持続可能な開発目標)の15番目「陸の豊かさも守ろう」にもつながる。市内で7月上旬、苗の初の植樹があった。

クヌギのドングリ(提供写真)

 同法人では2017年から、社会貢献事業として生活困窮者への就労訓練に取り組んできた。当初は除草作業や施設内の修繕などの環境整備に取り組んでいたが、社会経験の少ない参加者が増えたことから、作業内容を見直した。

 主導する同法人レインボークラブ主任の久保克之さん(50)は、法人関係者を通じ知り合った林業家の山本剛さん(45)(同市梅が丘)に「ドングリを育てて苗を植えることで、環境保全ができないか」と相談。山や自然に興味を持つ人を増やしたいと願う山本さんと、「利用者に地域や世代を超えた交流をしてほしい」という久保さんの願いが合わさり、22年秋に同プロジェクトが発足した。

 1年目はコナラ、アラカシ、マテバシイのドングリを拾い、法人敷地内にあるビニールハウスで苗ポットに入れて育てた。参加メンバーは水やりや雑草除去などの世話をした。

 2年目は専門家の助言を得て、より成長の早いクヌギを中心に栽培。今年7月までに約3000本の苗が育った。

ビニールハウスで育つ苗=名張市美旗中村で

 初植樹は7月6日、山本さんが所有する同長瀬の山林で実施。久保さん、山本さんら4人が参加し、軽トラックで運んだ苗約50本を、過去に木々が伐採された跡地に一本一本植えていった。

 参加した、ひきこもりだった男性(29)は「育成会に来るまでは外に出ることはほぼなかったので、こういった形で林業に関わるとは思ってもみなかった。自分が育てた苗を植えるところまでたどり着けて、本当にうれしい」と話した。

 今後は伊賀地域にある別の3か所で植樹が決まっている。久保さんは「今秋も新たにドングリを拾って育てる予定。採取の協力者や、苗の受入先を募集したい」と話している。

 プロジェクトの活動風景はインスタグラムアカウント(@tsunagudonguri)で紹介している。

 問い合わせはレインボークラブ(0595・67・4188)まで。

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