学生たちのレンズが捉えた“もう一つの戦後”を未来へ 写真記録の保存・発信活動 一般社団法人「もう一つの写真記録」【柏市】
戦後の日本は高度経済成長の一方で、公害や自然破壊などの深刻な問題が発生。当時のこの「陰」の部分を大学生・高校生たちは新鮮な若い目で捉え、商業写真とは全く異なる多くの写真を残しました。
知らされなかった「陰」の部分
1964年に学生の自主自立組織「全日本学生写真連盟」が創設され、高校生、大学生、大学OB・OGらが参加し、日本のさまざまな姿を撮ってきました。
多くは長く公表されないままでしたが、2013年、東京都写真美術館で開催された「日本写真の1968展」でその一部が展示されました。
それをきっかけに「写真をそのままにしてはいけない」「世に問い、写真史の中に位置づけよう」「貴重な写真集を保存しよう」「データ化しよう」との声が上がり、2017年に一般社団法人「もう一つの写真記録」が発足(本部=千葉県柏市)。
写真集やプリントやネガの収集・整理・保存・展示活動を始めました。
同一テーマで何年もかけ収集・整理
会員、賛助会員は全国に広がり、テーマごとにグループで活動しています。
そのテーマは、開拓史の中で虐げられてきた人々の「北海道101」や、写真集『ヒロシマ・広島・hirou-Sima(※)』、「原爆スラムと呼ばれた基町」、「足尾・谷中」、長崎・九州の「筑豊・旧大ノ浦炭鉱」や学生運動の記録など。
※Hirou-Simaの正しい表記は以下の画像を参照
「私たちは写真をデータ化し分類し、ホームページにアップしています。多くの方に見ていただき、これらの写真が今までの歴史と未来への轍となればと考えています」と同会。
4月12日(土)から、NPO法人足尾鉱毒事件田中正造記念館(群馬県館林市)で第21回企画展「写真展 足尾鉱毒事件サロマベツ原野移民と帰郷」が開催されます。
問い合わせ
電話番号/080-8842-4824
一般社団法人「もう一つの写真記録」 担当・東(ひがし)
足尾鉱毒事件 田中正造記念館
ホームページ/http://www.npo-tanakashozo.com/index.html
もう一つの写真記録
ホームページ/https://aajps.or.jp/