名張のこども園で女児が「アナフィラキシーショック」 米粉パン食べ一時入院
園が小麦粉・卵入り見落とす
三重県名張市の認定こども園「名張きぼうのこども園」(丸之内)で、小麦や卵などの食物アレルギーのある5歳の女児がおやつで提供された米粉パンを食べた後、全身の激しいアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を発症して一時入院していたことがわかった。市は6月19日、運営法人の名張厚生協会から事故報告書の提出を受け、再発防止のために口頭で指導を行った。
園などによると5月30日午後3時過ぎ、女児におやつとして小麦粉や卵などが含まれた市販の米粉パンを使ったジャムサンドを提供。同4時10分ごろ、担任の保育教諭が女児の首元などに発疹が出ているのに気付き、まもなく皮膚症状が顔や足にも広がるなどした。
約5分後に連絡を受けた母親が駆け付け、女児は市立病院に救急搬送され、翌日の夕方まで入院した。医師からは「食物によるアナフィラキシーショック」と診断された。
園は市立幼保3園が統廃合し、今年4月に開園。開園後、初めて市販の米粉パンを園児に提供したが、アレルギー物質が含まれていない米粉100%の製品と思い込み、原材料の確認を怠っていた。市販品を提供する際には親の同意が必要とも決めていたが、同意を得ていなかった。
園長は取材に「命を預かる身でありながら、基本的なミスで重大な事故を起こし申し訳ない」と謝罪した。再発防止のため、保護者への聞き取り強化や園児ごとの対応手順書作成、アレルギーに関する研修の実施などに取り組むとしている。