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多摩に誇りを持って“TM”に~「TM NETWORK・小室哲哉さん」

TBSラジオ

東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも多摩を愛していただきたいという番組。
MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週のゲストも、「TM NETWORK・小室哲哉さん」(府中市出身)! 「TM NETWORKの“TM”は“多摩”なのか!?」の謎を名付け親である小室さんに直接尋ねました! また、「武蔵国府中大使」の小室さんに府中や多摩の魅力、そして「TM NETWORK」の結成秘話についてもたっぷり語って頂きました。

多摩に誇りを持って“TM”に~「TM NETWORK・小室哲哉さん(府中市出身)」②

「小室哲哉さん」が語る、「TM NETWORK」結成秘話

土屋:今週もゲストのご紹介です、先週に引き続き、小室哲哉さんです! よろしくお願いします!

小室さん:はい、よろしくお願いします。

土屋:先週は、小室哲哉青年が育んだ、小中、そして早稲田実業までのお話を伺いました。今週は・・・みなさんん、お待たせいたしました。「TM NETWORK」の結成、そしてそれ以降のお話を伺っていきます。小室さんが、「木根尚登」さん、「宇都宮隆」さんと結成しようと思った、当時の印象を伺えますか?

小室さん:出会ってから、「TM NETWORK」になるまでは数年かかっているんですよね。当時はまだSPEEDWAYという、メジャーデビューもした6人編成のグループがあって。

つる子:はい。

小室さん:僕はそこに後からキーボードプレイヤーとして参加する新メンバーという感じで。

土屋:入った時の印象を覚えてますか?

小室さん:うーん、ちょっと遠慮しながらですね。SPEEDWAYでは木根さんがリーダーですし、曲も書いて。全部を仕切っていたのが木根さんだったので。ボーカルは宇都宮くんですでにファンもいましたし。そういう所に入るのでたぶん、遠慮していたと思います。

土屋:「木根さん」も「宇都宮さん」ともずっと「小室さん」のことは意識していたっておっしゃっていました。そこら辺は感じていました?

小室さん:いや、感じていなかったですね。僕は僕でメインのバンドじゃないので。ヘッドライナーが木根さんたちのバンドで、その前の前の前みたいな感じで。自分たちがやってから木根さんたちのバンドを見るという感じでしたから。その話を聞くと、僕たちがやっていた時に2人は見ていたんでしょうね。

土屋:おっしゃってました。やっぱり格が違った、みたいな。やっぱり面と向かっては言えないもんなんですね。

小室さん:僕たちはポップスをやってなかったんですよ、フュージョンみたいな感じで。

「コンテストに出ても優勝がサザンやラッツ&スターで。ムリかもって」(小室さん)

土屋:そこから「TM NETWORK」になるわけですけど。改めて、ドラムとベースというリズム隊がいないというのは当時、なかなか覚悟がいることだった気がするんですが・・・

小室さん:そうですね。説得するのが大変だったと思いますよ。まず、木根さんをこういう音楽をやりたいって説得して。で、母体のバンドのメンバーに徐々に辞めていってもらわなければいけない役を僕と木根さんでやって。

土屋:ああ。

小室さん:ちゃんと理解してもらって。(好きなようにやった方が良いと思う。頑張れよ)みたいなふうに言ってもらったような気がします。それが・・・2、3年かかったと思います。

土屋:木根さんもそこは小室さんの音楽を信じようというお話を伺いました。

小室さん:18、19歳で出会って、「TM NETWORK」としてデビューしたのが僕が24歳の時ですから。そのくらい間が空いているんですよ。僕は大学に行ったり、音楽のアルバイトをしたりして、なんだかんだバタバタしながら。

土屋:「TM NETWORK」でデビューするまで、焦りみたいなのはありましたか?

小室さん:ありました。僕のやっていたバンドで渋谷まで行ってオーディションやコンテストに出ると勝てるわけないんですけど、優勝が“サザンオールスターズ”。

つる子:うわぁぁぁ。

小室さん:じゃあ来年こそ頑張ろうと言ったら、“ラッツ&スター”だったり。

土屋:おぉ! すごい!

小室さん:これは叶うわけないなって。シュンとして地元「府中市」に帰ってくるという、<渋谷、すごいな>って(笑)。

土屋:諦めようという瞬間なんて・・・?

小室さん:多々ありました。ムリかもって。しばらく木根さんと2人でメンバー探し、ボーカル探ししていたと思います。僕が<ウツは、、、やってくれないでしょう!?>って感じで。バンドサウンド、ロッド・スチュアートさんが好きだったので、典型的なロックバンドが好きだったと思うし。

土屋:はいはい。

小室さん:そこに、ドラム、ベース無しで、シンセ!みたいな感じで(笑)。ちょうどテクノポップが流行っていて、YMOが流行っていて。<あそこも3人じゃん>って言うと、<ドラムいるじゃん!><ベースもいるじゃん!>って(笑)。<ギターもあってちゃんと演奏もできるじゃん!>って。けっこう、どうするの!?とああでもないこうでもないと言ってたと思います。

つる子:ええ。

小室さん:で、もう僕が無理やりデモテープを作っちゃって、<3人でやろうよ!>って。

TM=多摩!「僕は“多摩”にこだわっていたんですよ。誇りを持っていいじゃんって」(小室さん)

土屋:そうやって活動するには、グループ名を作らなければいけないですよね?

小室さん:そうですね。その時、僕は“多摩”にこだわっていたんですよ。

土屋:ここが不思議なんですよ。都心に出たいと言っていた小室さんがなぜ多摩なのかって、ずっと思っていて。

小室さん:それは簡単にお答えできますよ。アメリカの世界的に有名なバンドで、町の名前をバンド名にしてたんですよ、「シカゴ」とか「ボストン」とか。そういうのがあったので、自分たちも「多摩」に誇りを持っていいじゃんって。

土屋:そこは渋谷にはしなかったんですか?

小室さん:それはウソですから(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:そこは生まれ育った多摩ということで!?

小室さん:「宇都宮くん」、渋谷系とかまったくその色が無いですから(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:じゃあそこは多摩で、と。

小室さん:<多摩!? カッコいい?>って言われていたんですけど、僕だけこだわって。しかもその時にはまだインターネットも無い時代で、10年後くらいですから。<でも、ネットワークって付ければカッコいいんじゃないの>って。で、<TM>でもいいよって感じで。

土屋:本当なら「小室さん」としては「“TAMA” NETWORK」でもいいぐらいなんですか?

小室さん:そうですね。エピックソニーの方が<多摩なんてかっこ悪いよ!>って(笑)。もうバッサリですね。

つる子:そんなあ(笑)。

小室さん:他の名前も考えたんですけど、「TM NETWORK」でいいかなって。<TMはタイムマシーンにしよう>っていうことで、しばらくはそう言ってましたね。

土屋:“多摩”ってバラしたのって、いつくらいだったんですか?

小室さん:うーん、どれくらいだろう。木根さんがなんとなく、<サングラスとか、もういいか>とかなってきて(笑)。だんだんメガネになって。

土屋:木根さんのサングラスはけっこう大事なアイテムだったからね。

小室さん:そうですね。絶対に外さないものだと思ってたんですよ。もう生涯。TM NETWORKのドキュメンタリー映画「TM NETWORK Carry on the Memories 3つの個性と一つの想い」が公開中ですけど、もうメガネもして無いですから(笑)。

土屋&つる子:(笑)。

土屋:木根さん、自然体ですね。

小室さん:そこまで辿り着いたんですね。

土屋:作曲やプロデュースをすることで、多摩地域で育んだことが良い影響になっていることはありますか?

小室さん:作詞はあると思いますね。ワードとして。なんとなく情景として。ホッとしたい時みたいな情景として出てくるかもしれないですね。

土屋:「浦沢直樹さん」の漫画「20世紀少年」みたいな感じで。

小室さん:一緒です。

土屋:歌詞を見て、多摩の情景を勝手に想像しても素敵かもしれない。

小室さん:ま、無理やり言えば、ですけどね。

つる子:(笑)。

土屋:ありえる所もありますよね。リリースされたら、僕のモノですから(笑)。

小室さん:そうです、皆さんのものなので。(きっと、「多摩川」のここなんだろうなあ)って。

「今の僕が音楽活動をできているのは、多摩地域で2人に出会ったから」(小室さん)

土屋:「小室さん」は、「府中市の観光大使」もされていますが、「府中市」の魅力は?

小室さん:「府中市」の魅力、他よりは僕の中学・高校時代とそこまで変化してないんですよね。もちろん、「京王線」が高架になったり踏切が無くなったとか、そういう明らかに違うことがあっても、形作っているものは変わらない感じがしますね。

土屋:便利になりながらも懐かしさもあって。

小室さん:そうですね。いろんな企業さんとかも動かないですからね、今だにありますし。あと、「東京競馬場」もありますし。

土屋:“多摩愛”も変わらずあったりするものですか? 

小室さん:うーん、どうだろうなあ。そこまであるかな(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:でも、グループ名に“多摩”を付けたというのは、多摩の人間からすると誇りだったりするので。

小室さん:そうですね。発祥の地は多摩は間違いないのでね。今の僕が音楽活動をできているのは、多摩地域で2人に出会ったから。出会ってなかったら無いですからね。

土屋:木根さんと宇都宮さんに伺ったんですけど、最初に出会ったのも多摩のフェスみたいなイベントだったと。

小室さん:そうですね。

「タマソニをやりたいと思っていて」(土屋)「宇都宮君はアウェイが嫌いなんですよ笑」(小室さん)

土屋:この番組がいずれ、「タマソニ」という多摩地域に縁があるアーティストを招いてフェスをやりたいなと思っていて。

小室さん:「タマソニ」(笑)。

土屋:いつも妄想で、勝手に開催しているんです。ヘッドライナーは・・・許可も無く2年連続で「TM NETWORK」で。

小室さん:そうなんですね。「宇都宮くん」、アウェイが嫌いなんですよね(笑)。

土屋:「木根さん」は個人だったら・・・ということで快諾して頂いて。そういうことをいつかやれたらいいなと思っているので、心のどこかに・・・

小室さん:じゃあ、早めに教えてください。僕たちも年齢が(笑)。

土屋:覚えて頂けるだけで嬉しいです。

「遡って、木根さんちの応接間に集まってた空気感を思い出すんですよ」(小室さん)

土屋:そんな「小室さん」、地元の「府中市」で5月にビッグイベントがあるんですね?

小室さん:そうですね。偶然なんですけども去年、サプライズで母校の「府中4中」を訪問したんですよ。

土屋:サプライズ過ぎますよ!

小室さん:「府中4中」は公立なのにコーラス部が全国優勝で。

土屋:へえ。音楽が根付いているんですね。

小室さん:そうですね。「府中4中」の体育館に呼ばれて後ろから聞いていたんですけど、全校生徒が全員うまいんですよ! で、そこでサプライズで登場して。大丈夫かな、僕のこと知ってるかなと思ったら意外とキャーって言って頂いて。<じゃあ小室さんのアレンジで校歌を歌いましょう!>って。(え?僕のアレンジ??)みたいな(笑)。校歌ってなかなか難しいんですよね。

土屋:そういう縁もあって・・・

小室さん:その時に「府中市長さん」から<「府中の森」が来年完成するのですよ>って聞いて。

土屋:リニューアルされて。

小室さん:ずっと作っていたんですね。

土屋:5月1日の柿落とし公演が「小室哲哉さん」がプロデュースする、「billboard classics ELECTRO -ENCORE- produced by Tetsuya Komuro」が行われるということですね。

小室さん:そうですね。貢献できたらいいなと思いますね。

土屋:新しくなっているから音響とかもよくなっているんですよね。

小室さん:「府中の森芸術劇場」は来やすいですよ、「味スタ」からすぐですよ。

土屋:「小室さん」から「味スタ」って聞けて、「FC東京」サポーターとしては最高ですよ!府中の森芸術劇場リニューアルオープン記念「 billboard classics ELECTRO -ENCORE- produced by Tetsuya Komuro」は、5月1日、木曜日です。チケットの詳しいことは公式サイトやディスクガレージでご確認ください。

つる子:ぜひ!

土屋:これだけではありません! 「“TAMA” NETWORK」と言っちゃいそうですけど、「TM NETWORK」のライブツアー「YONMARU+01」があります。大阪、愛知、神奈川、それぞれで2Days開催決定です! こちらはデビュー40周年の次の年、41年目ということですか?

小室さん:4月20日まで40周年なので、ギリギリですね。

土屋:どんなライブツアーの内容ですか?

小室さん:アディショナルタイムと思っていただければ。

土屋:さすが! サッカー好きだから。

小室さん:アディショナルタイムは点が入ったりしますから。

土屋:「TM NETWORK」さんがこんなにライブをやってくれると思わなかったです!

つる子:うんうん。

小室さん:ライブに来てくれるのも本当に大変だろうなということはコロナ以降に感じましたからね。今回、大阪、愛知、神奈川じゃないですか。ここでやってくれないのか!というのもありますからね。そしたらまた3年くらいやらないといけないじゃんって(笑)。

土屋:いやいや、いいですよ! それはもう多摩でもやってもらいたいですよ! 

小室さん:去年、久しぶりに「立川」でやって。多摩でやったのは何十年降りで。

土屋:戻ってきたという感じはありますか?

小室さん:「立川」はありますね。特にあの2人はすごいあったみたいですね。

土屋:そろそろお別れです。新曲からもう1曲をお聴きいただきます。。

小室さん:これも先週聴いてもらった「Carry on the Memories」と「Good Morning Mr.Roadie」と、今回聴いてもらう1曲。全部、ツアー中にリハーサルや練習中に僕が作った曲なんですよ。

つる子:すごい!

小室さん:<曲が足りないね><どうすんの?><ちょっと30分待って>とか、そんな感じで。パッと作って木根さんに<ちょっとコードを弾いてよ>って。

つる子:へえ。

小室さん:遡って、木根さんちの応接間に集まってた空気感を思い出すんですよ。その時にバーっと戻れるんですよね。

土屋:なるほど!

小室さん:木根さんはその時、お金持ちだったので。ピアノがあって、みんなが集まれる部屋があって。そこを僕たちがほとんど占拠してたんで。その時のことを思い出したりして。

土屋:今週のゲストは小室哲哉さんでした! どうもありがとうございました。

小室さん:ありがとうございました。

(TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)

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