昭和のガールズアニメを語る【スペシャル対談】新井ひとみ(東京女子流)× コスプレ声ちゃん
東京女子流のメンバーで昭和カルチャーが大好きな新井ひとみと、漫画専門の古書店『まんだらけ』の元人気コスプレ店員で現在はアニソン・特ソンDJとして大活躍のコスプレ声ちゃんの対談が実現。12月5日(金)に東京・渋谷のLOFT9 Shibuyaで開催される新しい体験型イベント『昭和アニソン大合唱 vol.1』に登場する2人が、1970年代のガールズ系作品を中心にアニソンについて語り合う!
「魔法の天使クリィミーマミ」が2人の共通語
── 新井さんは『まんだらけ』ってご存知ですか?
新井ひとみ(以下:新井):もちろんです。行ったこともあります。
── さすがです。初対面の2人ですが、実は『魔法の天使クリィミーマミ』という接点があるんですよね。
新井:私は東京女子流での活動とは別に、クリィミーマミの主題歌「デリケートに好きして」のカバーでソロデビューさせていただきました。
コスプレ声ちゃん(以下:声):お好きだったんですか?
新井:もともとはスタッフさんが、私の声が “太田貴子さんに似ているね” というところから始まった企画でした。作品のことは知らなかったんですけど、カバーするにあたって全話観て大好きになりました。声さんは放送当時ご覧になっていたんですか?
声:私が幼少期に大好きだったアニメで、今もDJとして「デリケートに好きして」、それからエンディングの「LOVEさりげなく」をかけることがあります。
新井:当時の人気はどのような感じだったのですか?
声:幼稚園では女の子がみんなステッキを買ってもらって変身ごっこをしていました。
新井:へえ〜。いいですね。
声:それ以前に、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』という作品が放送されていて、モモ派の子もいたのですが、私のまわりではマミ派が多かったですね。
新井:私は東京女子流の活動を始めてから『クリィミーマミ』の存在を知ったので、主人公の優ちゃんがアイドルになるという部分が、自分と照らし合わせることができて、とても親近感を持ちました。
── 声さんはコスプレイヤーとしても有名な方ですが、新井さんもソロデビューの際にクリィミーマミのコスプレをしていましたね。
新井:まず、より近づけるためにウィッグを作ったんです。あれは私が大好きな松田聖子さんがちょっと混じっているんです(笑)
声:マミって聖子ちゃんカットっぽさありますよね。私も幼稚園のとき、母親と美容院に行ったとき “マミちゃんの髪型にしたい” と言って、クリィミーマミのビジュアルがプリントされたハンカチを美容師さんに見せて、少しパーマをかけてもらったことがあります。
新井:髪型を近づけることで、マミちゃんになれるということですよね。私もそのウィッグをつけると、マミちゃんの気持ちになれました。自分でスイッチのオン、オフを切り替える感覚です。私にとっては変身アイテムですね。衣装もより近づけるように作っていただきました。
── 声さんがコスプレを始めた2000年頃は、まだそんなにコスプレ用の衣装を売ってなかったのでは?
新井:え、売ってない時代にどうしていたんですか?
声:自分で作ってたんです。私、変わった衣装が好きで、服飾造形科のある高校を経て、大阪芸大付属の美術の学校に通ったんですね。だから、洋服を作れるんです。当時は『HUNTER × HUNTER』が流行り始めた頃で、それをやるコスプレイヤーはいっぱいいたんです。でも、私はもっと古めの作品が好きでした。かわいい女の子のキャラクターというより、特撮の怪獣とか、『アストロ球団』(1972年〜)の伊集院球三郎とか、そんなのばかりですね。
本格的に夢中になったのは「ふたりはプリキュア」
声:新井さんがリアルタイムで観ていた魔女っ子もののアニメってなんですか?
新井:小さいときに『美少女戦士セーラームーン』(1992年〜)も再放送で観ていた気がするんですが、本格的に夢中になったのは『ふたりはプリキュア』(2004年〜)です。グッズも集めていました。クリスマスや誕生日に両親におねだりして買ってもらって。去年、渋谷のPARCOにプリキュア20周年のポップアップ店があったんですよ。同級生と “行くの? どうする?” なんてやりとりをして、結局行きました(笑)
声:新井さんの『ふたりはプリキュア』にあたる作品が、私は『クリィミーマミ』だった感じですね。
── 声さんはその後、『魔法の妖精ペルシャ』(1984年〜)、『魔法のスターマジカルエミ』(1985年〜)といった後継作品にはハマらなかったのですか?
声:私はそんなにオタク気質じゃなくて、普通に外で遊んでいるような子だったので、アニメをずっと追いかけていたわけではないんです。むしろ、それが逆にコンプレックスになったぐらいで。アニメとか漫画に詳しい人に憧れて『まんだらけ』に入った感じですから。
新井:え〜そうなんですか。意外です。どんなきっかけでアニメがお好きになったんですか?
声:バンド活動もしていて、筋肉少女帯が好きになったんです。それで、大槻ケンヂさんのエッセイを読んだりして。大槻さんはめちゃくちゃオタクなので、『デビルマン』とか『レインボーマン』のことを書いているんです。そこから掘り下げていきました。
「キューティーハニー」は新井ひとみの原点
── 新井さんは「デリケートに好きして」以外にも、大切な昭和アニソンがあるとか。
新井:小学生の時に通っていた児童館にダンス教室のような場所があって、『キューティーハニー』とかいろいろな楽曲でダンスを習っていました。私は10歳でavexのオーディションを受けたのですが “踊りながら歌う” という課題があり、会場に倖田來未さんがいらっしゃるということだったので『キューティーハニー』を歌うことにしました。私にとって、まさに人生を変えた1曲です。ただ、当時は、それがアニメの主題歌だとは知りませんでした。
声:倖田來未さんのカバーが流行ったときも、YouTubeでは倖田さんの映像が上位にくるので、曲を聴いて好きになった方もすぐにはアニメの曲だとは認識されなかったかもしれませんね。
──「キューティーハニー」はイベントで歌ったこともあるとか。
新井:はい。去年の大晦日、ももクロさんの『ももいろ歌合戦』で、松本明子さんとコラボで歌う機会があって。思い出が詰まった楽曲をまさか日本武道館の大きなステージで披露することになるとは思っていなかったですね。幸せを噛み締めながら歌いました。
声:そういうのってファンの方も嬉しいですよね。
新井:私がオーディションで「キューティーハニー」を歌ったことをご存じの方も少ないと思いますが、そのときの動画を漁って “あ、この曲は!” と盛り上がってくださる人がいたりして、そういうのが嬉しかったですね。
声:やっぱり「キューティーハニー」は名曲ですね。男女問わず、みんなが歌えますよ。かっこいいし、原曲を歌われている前川陽子さんの歌声もパワフルでいいですね。
──『昭和アニソン大合唱 vol.1』では、ファンの方も新井さんと一緒に「デリケートに好きして」や「キューティーハニー」を合唱できる。これはたまらないですね。
新井:そうですよね! え〜今、想像しちゃいました。楽しみですね〜。
── 新井さんは『キャンディ・キャンディ』の主題歌も大好きなんですよね。
新井:子どもの頃、いとこのクルマに乗ると、必ず昭和アニソンのCDがかかっていて、ずっとリピートで流れていたんです。それで好きになりました。「♪そばかす なんて」というところの歌い方にぶりっ子が入っているところが好きなんです。
声:歌っている堀江美都子さんは、たくさんのアニソンを歌う方で、私にとっては “堀江さんの曲はどれも好き” というぐらいの存在です。堀江さんの歌声はかわいくて力強くて、それと『キャンディ・キャンディ』の曲がマッチしたんだと思います。
レコードでアプローチする1970年代アニソン
── 声さんのアニソンレコードのコレクションのなかから、1970年代モノを持ってきていただきました。
新井:え〜え〜。凄い。こんなに一度に見られる機会なんてないですよ。
声:ジャケットを見るだけでイメージが広がりますよね。
新井:『ヤッターマン』は再放送を観ていました。『マジンガーZ』も勢いがあってもいいですよね。『アタックNo.1』って「♪苦しくったって」という曲ですよね? それはいとこのクルマで聴きました。それから『ベルサイユのばら』も気になっています。最近、これのポップアップストアが開かれていましたよね。
声:“ベルばら” は、宝塚の息吹もあり、曲に高級感があって盛り上がりますよ。
──『昭和アニソン大合唱 vol.1』の第3部では、声さんがこうしたレコードを回して、会場全体で合唱することになります。
新井:私もレコードを買うことがあります。この前、渋谷のまんだらけに初めて行ったんです。すぐには気づかないようなちっちゃいコーナーにレコードがあって、南野陽子さんの『はいからさんが通る』をゲットしました。アンティーク雑貨なんかもそうですが、掘り出し物を探すのが好きなんです。
声:レコードを探すことを “ディグる" というんですよね。“掘る" という意味です。1枚1枚ジャケットを見ながら探す姿が、土を掘っているように見えるので。
新井:はい、東京女子流に『コーナーカット・メモリーズ』という曲があるのですが、そのなかに “ディグる” 振り付けがあって、言葉の意味を理解しました。
── 新井さんがディグって手に入れた「はいからさんが通る」は実写版映画の主題歌ですが、1970年代にアニメ化されていますね。
声:その主題歌もかっこよくてファンキーなんですよ。
新井:南野陽子さんの曲とはちがうんですよね?
声:別の曲ですね。また、違う魅力があって。歌っているのが男性なんですよ。とても使いやすい曲なので、DJでもよく回します。
詳しく知らなくたって楽しめる「昭和アニソン大合唱 vol.1」
── 最後に『昭和アニソン大合唱 vol.1』をどんなイベントにしたいか、お言葉をいただきたいと思います。
声:アニメや特撮というのは日本を代表するカルチャーの1つだと思います。勇気をもらえることもあれば、かわいさにあこがれる要素もあります。1970年代のアニソンには、そうしたいろいろなものが凝縮されている楽曲が多く、新しい発見がたくさんある。ぜひ楽しみに来ていただきたいですね。あんまり詳しくないとか、知っている曲が少ないとか、そんなことは気にする必要ありません。絶対楽しめると思います。
新井:私もそれほど詳しくないのですが、声さんの言葉を聞いてすごく心強く感じました!
声:私だって後追いですし、そんなに詳しくないんです。ただ大好きなんです。今は若い人たちが、日本の昔の音楽に興味を持ってらっしゃいますよね。シティポップなんて世界中で聴かれるようになりました。私はこのジャンルも、かならず再評価されると思っています。
新井:今回、『ルパン三世』の上映があるので、その予習をしているんですね。すると “ルパンはなんてロマンティックなことを言うんだろう” って感激することがあって “なんでもっと早く観なかったんだろう” と思っています。同じように知らない方も、このイベントで新たな音楽に出会うきっかけになったら素敵です。新しい曲を探す旅にみんなで出かけられたらいいですね。それに、個人的には大切な曲である「デリケートに好きして」「キューティーハニー」を皆さんと合唱するのは本当に楽しみです。
── イベント終了後には、お二人との撮影会があるんですよね。
はい! ご希望の方を10名程度のグループに分けて、私と声さんで一緒に記念撮影をします。それが後日、オフィシャルサイトに掲載されるんです。皆さんとの素敵な思い出作りになると思います。
《公演概要》
昭和アニソン大合唱 vol.1
▶ 開催日時:12月5日(金)18:00 OPEN / 19:00 START
▶ 出演者:新井ひとみ(東京女子流)、コスプレ声ちゃん、DJ BLUE ほか
▶ チケット:ライブポケットにて前売券発売中
▶ 料金:前売 ¥4,980 / 当日 ¥6,000(税込み)*ワンドリンクオーダー要
▶ 会場:LOFT9 Shibuya(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F)
▶ 主催:Re:minder club(昭和アニソン大合唱実行委員会)
▶映像提供:株式会社トムス・エンタテインメント