声優の三浦祥朗さん&作品プロデューサーが赤裸々なトークを繰り広げた『怪獣デコード アイダラの指輪』トークショーの様子をレポート
2025年10月19日(日)、東映アニメーションと円谷プロダクションが共同制作中のCGアニメーション『怪獣デコード アイダラの指輪』のトークイベントが、大阪府堺市のお祭り「堺まつり」内で開催されました。
なぜ堺市のお祭りでトークイベントが行われたのかというと、本作の舞台は堺がモデルとなっており、作中にも現実と同じ場所が登場するようです。
そんな堺市の中心地、堺市役所21階にある展望ロビーにて、トークショーが実施。声優の三浦祥朗さんと東映アニメーションプロデューサーの野口光一さんが、ぶっちゃけトークや制作の裏話を披露したほか、初出の情報が満載となっていたイベントの模様をレポートしていきます。
【写真】三浦祥朗出演『怪獣デコード アイダラの指輪』トークショーレポート
三浦さんと野口プロデューサーが堺と作品の魅力をたっぷり語る!
今回は7つのテーマを元にトークすることになっており、まずは堺についてトークしていきます。
野口さんはこれまでにロケハンなど含めて5回訪れているそうで、その時回った写真をいくつか紹介してくれました。三浦さんが堺を訪れたのは今回が2回目で、プロモーションビデオの撮影のために一度来たそうです。
その撮影中に町の歴史などを詳しく教わったそうで、「こんなに魅力的なところだと知って、なぜ今まで来なかったのかと後悔した」と語っていました。
他にはすごい行列に並んで名物の「くるみ餅」を食べた話や、気球に乗って仁徳天皇陵古墳を見たというエピソードも。
三浦さんは高所恐怖症で乗る前は相当嫌がっていたそうですが、しっかりと柵でガードされていたこと、当日は無風に近くベストコンディションだったこと、そして「ここまで高いと意外と大丈夫だった」そうで、ぜひみなさんも体験してほしいと感動を伝えていました。
続いて、キャラクター紹介などが行われました。主人公の人間・マルや怪獣使いの少女・ココ、マスコットのようなミニ怪獣のアセイ、そして円谷プロダクションがデザインした怪獣などがモニターに映し出されていきます。
この中のCDー11Eというキャラクターを、今回三浦さんは演じています。そのデザインを見て三浦さんは「普通こういうイベントには主役級の人が来ると思うんですけれど、どうみても主役系のキャラクターじゃない」とコメント。それに対し野口さんは「どうなるかわかりませんよ?」と含みを持たせた回答をしつつ、マルが暮らすシティ側のロボットであるという紹介が行われました。
ちなみに今回の堺まつりとのコラボで、このCDー11EのTシャツを特別に制作したそう。壇上でお二人が着ているのもそのTシャツでした。こちらは堺まつりで行われているスタンプラリーの景品にもなっており、わずか20名限定でプレゼントされるという超レアなモノになっていました。
なお、三浦さんと野口さんが一緒にアニメ制作に関わるのはこれが2回目。2017年に放映された『正解するカド』の主人公・真道幸路朗を三浦さんが演じており、今回はその縁で特別出演のオファーをしたそうです。
本作で一緒に組んだ感想を尋ねられると素直に嬉しいと答えつつ、「オリジナル作品ってアニメ業界においてハードルが高い。野口さんはそこに挑戦し続けてすごい」と話します。続けて「その作品に携われるのは役者として嬉しい限り。新雪に足を踏み入れる感覚で挑戦できる」と嬉しさを語っていました。
イベントで初お披露目となる映像や情報が満載! 会場限定の特別要素も盛りだくさんで、会場には嬉しい悲鳴が
キャラクターの次は特別映像の紹介ということで、ここが初出しとなる特別映像に、さらにトークショー限定の堺の風景と組み合わせた”コンセプトムービー”が上映されました。
PVのラストでマル役が山根綺さん、ココ役が高橋花林さんとCVが発表されると、会場ではざわめきが起こっていました。
上記の一般公開された特別映像には出てきませんが、コンセプトムービー部分には現実の堺の風景も映っており、「どこだったかわかる人~」と観客に尋ねると、堺に住んでいるという参加者の方たちが場所をいくつも当てていました。
映像を見た後は改めて「なぜ舞台が堺なのか」を野口さんが解説。そもそも作中で怪獣が出てくる理由として、ISS(国際宇宙ステーション)が墜落し、そこに宇宙バクテリアが発生したことで怪獣が出てくるようになったそう。
本作は東京と堺にISSが落ちたところからスタートしますが、堺に貯水池があって、バクテリアが増殖しやすかったこと、そして地下から湧いてくるとあるものが怪獣にとっていいモノだったため繁栄したという設定が語られました。
そうした怪獣出現の設定を元に舞台を探している時、水が豊富なところ、そして怪獣モノに欠かせない海とか工場といったロケーションが揃っており、さらにロケハンで特別に見せてもらった旧天王貯水池がとても神秘的だったため、ぜひ堺を舞台にしたいと思ったそうです。
また、作中で現実にある建物を壊すのには許諾がいるそうで、それも快諾してもらえたと話し、会場の笑いを誘っていました。
続いて気になる現在の制作状況を尋ねられると、本作はCGアニメのため、まずはキャラクターのモデリングからスタート。それを元にラフなアニメーションを作ったうえで、プレスコ形式での音声収録も終わっているそうです。
ちなみにプレスコとは、映像を元に声をあてる「アフレコ」形式に対し、まず声を録音し、その声にあわせて絵作りを行う形式のこと。すでに全話収録済みのため、あとはひたすら絵作りを行っていく段階とのことでした。
ここからは作品から少し離れて、ファンには嬉しい三浦による「生アフレコ」コーナー。本作はまだシナリオが表に出せないので、『正解するカド』のクライマックス、12話でヤハクィザシュニナと真道幸路朗が対峙しているシーンが抜粋されました。
「せっかくなので長いセリフのシーンを持ってきた」と野口さん。『正解するカド』の世界観がわかるプロモーションムービーを見て、その後声を当てるシーンの無音バージョンを流し、そして最後に生アフレコの3段構えとなっていました。
1分半ほどのシーンを熱演した三浦さんに、会場からは大きな拍手が贈られました。
嬉しい企画はまだまだ続きます。完全に会場限定となる、初公開のアニメ冒頭映像が上映されました。こちらはまだ制作途中のラフなものでしたが、まだ公開されていないキャラクターや声もどんどん出てくるため、まさにお宝映像といった感じ。
また、野口さんより来年の堺まつりにも『怪獣デコード アイダラの指輪』は参加予定ということも語られ、「その時までに完成していたら」とも話していました。
発表はまだまだ続き、ココが描かれたキービジュアルも初お披露目。キャラクターデザインを齋藤将嗣さんが担当していること、髪の色が表と裏で違うのでそこに注目してほしいといったポイントなどが語られました。
一通り発表が終わったところで、来場者から事前に集めた質問に回答する質問コーナーも実施。アニメ制作やアフレコにおいて大切にしていること、本作の今後の展開といったアニメにまつわることから、「好きな怪獣は?」といった様々な質問に回答していくお二人。
さらには中学生の参加者から「特撮アニメ関係の仕事につくにはどうしたらいいですか?」、小学4年生から「声優になりたいんですが今できることは何かありますか?」という将来についてのアドバイスを求めるものまであり、真摯に回答する姿が印象的でした。
質問はまだまだたくさんありましたが、ここでイベント終了のお時間に。最後にお二人から「『怪獣デコード』をよろしくおねがいします」と今後の展開を楽しみにしてもらいたい旨が一言ずつ寄せられ、トークショーは終了となりました。
トークショー以外にも、コラボスタンプラリーやMRゲームの体験会を開催!
堺まつりではトークショーだけでなく、がっつり『怪獣デコード』がコラボしており、トーク中にもあった豪華景品があたるコラボスタンプラリーや、MRゲームの体験会も行われていました。
スタンプラリーは堺の町中全6箇所を巡るもので、『怪獣デコード』とコラボしたキャラクタースタンプが押せるようになっています。景品の中には今回特別に制作したCDー11EのTシャツも含まれており、たくさんの人たちがスタンプラリーに参加していました。
▲スタンプ台には怪獣たちの紹介も書かれていました
MRゲームは、『怪獣デコード』をテーマにしたアクションゲームで、ゴーグルをかぶると現実の世界にMR合成された怪獣たちが登場。それらをハンドアクションにて撃退する
ゲームとなっています。会場では参加した人たちのスコアがずらりと掲示され、見事40,000点以上獲得したら先着でQUOカードがプレゼントされる施策も行われていました。
ちなみにこちらのMRゲームはMeta Quest向けにアプリ配信もされていますので、体験してみたい方はこちらも要チェックです。
町全体で『怪獣デコード』を体感できた堺まつり。野口さんいわく来年も作品として参加予定とのことなので、映像の完成を楽しみにしつつ、次はどんなコラボが行われるのかも楽しみにしていましょう!
[取材・文・撮影/二城利月]