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今の映画業界には中規模映画が欠けているとジュード・ロウ、「大きな穴が開いている」

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マーベル映画や『ファンタスティック・ビースト』『シャーロック・ホームズ』シリーズ、ついには『スター・ウォーズ』と、ハリウッドの有名フランチャイズに次々と参戦する男、ジュード・ロウ。現在も大作映画に限らず小規模作品などにも積極的に出演しているが、その背景には、まだキャリアの浅かった時期、中規模の映画で演技のスキルを培ってきた歴史がある。

最新作「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」のプロモーションで、米の取材に応じたロウは、「僕がこの業界に入った頃、(中規模映画が)作られていたことは幸運でした」と振り返っている。「アンソニー(・ミンゲラ)のような人たちと作った映画は、今から思えば、それが許されていたことが素晴らしいことだから」と。

2008年にこの世を去ったアンソニー・ミンゲラ監督は、晩年はロウとの共作を続けており、『リプリー』(1999)と『コールド マウンテン』(2003)でロウはアカデミー賞にノミネートされた。その後、長編映画としては最後の監督作となった『こわれゆく世界の中で』(2006)でも3度目のタッグを組んでいる。ほかにも、ロウは90年代後半から『オスカー・ワイルド』(1997)や『ガタカ』(1997)などの中・小規模作品でも注目を集めてきた。

「時代ゆえでもあるけれど、そうした種類の映画やストーリーテリングを僕たちは失ってしまいました。あのような物語に、適切な予算と時間、根気を与えることは、間違いなく映画製作の核心だった。今の時代はそこに大きな穴が開いていると思います。」

ロウの言うように、近年のハリウッドは中・小規模作品の数が段階的に減っており、特にコロナ禍以降は、同時期に台頭してきた配信サービスにその多くが回されるようになった。大人向けのドラマ映画やコメディは、スタジオが高額のコストを投じるにふさわしい興行収入を得られない傾向が強くなってきたためだ。ほかにも複数の要因が絡み合い、そうした作品は映画ではなくテレビシリーズとして製作されるケースが増え、ハリウッドの名だたるスターや監督も次々にドラマへと進出していったのである。

しかしその結果、ハリウッドには「大きな穴」が開いてしまった。ロウ自身がそうだったように、俳優が研鑽を積む場でもある中・小規模の作品が少なくなったことは、現在のハリウッドから新しいスター俳優が登場しにくくなっていることとも無関係ではないだろう。特にフランチャイズ映画の場合、スターの人気ではなくキャラクターの人気のほうが強いといわれる。

もちろん、一方ではブロックバスター映画のヒットが小規模作品を今でも維持しているのだと主張する声もある。マーベル映画のバッキー・バーンズ役で知られ、中規模作品にも積極的に出演するセバスチャン・スタンは、マーベルを「ハリウッドという構造の動脈」と呼び、「彼らの貢献が小規模の映画を作ることを可能にしている」「認識されている以上に多くの形で業界に貢献している」とのだ。

業界が変化をつづけるなか、以前のような状況は再び戻ってくるか──。ロウの言葉を借りれば、それは「時代」にしかわからない。

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