高校野球を終えた関メディ卒業生が集結、東海大相模・ 才田和空「感謝を伝えに来た」
報徳学園・今朝丸裕喜ら2022年卒業の関メディ中等部7期生
兵庫県西宮市の野球専門校・関メディベースボール学院中等部の卒業生で、高校野球生活を終えたばかりのOBたちが20日、神戸市内の同校室内練習場を訪れた。
夏の激闘を終えて姿を見せたのは報徳学園・今朝丸裕喜、東海大相模・才田和空ら2022年に関メディ中等部を卒業した7期生14人。井戸伸年総監督(47)やコーチ陣に挨拶し、現役の中等部部員にエールを送った。
中学野球界を席巻している関メディ中等部は全国の強豪校に選手を輩出。今夏の甲子園には今朝丸、才田のほか、東海大相模・金本貫汰、京都国際・中崎琉生、智弁和歌山・山田希翔、鳥取城北・山田晃誉、鳥取城北・佐々木晴斗の卒業生7人が出場した。
京都国際・中崎は21日の準決勝に勝ち上がっており、前日19日の準々決勝で関東第一に敗れた東海大相模・金本は2年生のため、その姿はなかったが、地元出身の才田は解散して真っ先に訪問。中学時代に野球人としての基礎を叩き込まれた関メディで旧交を温めた。
高校でも活きた関メディ中等部時代の教え
才田はショートのレギュラーとして神奈川大会で22打数14安打の打率.636、11打点と大活躍し、優勝に貢献。甲子園では地方大会の6番から1番に抜擢され、3試合で13打数4安打の打率.308、1打点をマークした。
西宮市出身のためチームが解散して実家に戻り、この日駆けつけた。「甲子園は緊張もあったけど、いろんな人が応援に来てくれてやりやすかったし、1球1球が楽しくてすごく良い場所でした。関わってくれた方々に感謝を伝えようと思って、今日すぐに挨拶に来ました」とこんがり日焼けした表情をほころばせた。
負けてすぐ挨拶に訪れるほど、関メディ中等部で学んだことは高校生活でも活きた。それは野球の技術だけではない。人として大切なこと、その後の人生で役立つであろう多くの経験と金言を授かった。
「関メディで一番学んだのは人間性の大切さです。挨拶から始まって、第一印象が大事と井戸監督から教わったので、高校でも実践できました。帰る場所があるのは関メディのおかげです」と話す。
中等部時代は毎日、野球ノートをつけていたが、その時は呑み込めなくても高校に入ってから理解できることが多かったという。
「中学の時は野球ノートを書くことに必死で理解が追いつかないこともあったけど、高校に入ってからあれはこういう意味だったのかと分かることもありました」
関メディ中等部ではキャプテンを務め、井戸総監督からはリーダーのあるべき姿を教え込まれた。「真面目なところも必要だけど、たまには笑かしたり、チームの雰囲気が良くなるように常に周りを俯瞰して見るように言われました」と振り返る。
その教えを胸に刻んで東海大相模でも副キャプテンを務め、夢の甲子園出場を果たした。
大学進学して4年後のプロ入りが目標
チームとして目標に掲げていた日本一は果たせなかったが、すでに気持ちは切り替えている。卒業後は大学に進学予定。「負けた時は悔やしかったけど、今は次のステージに向けて1日も無駄にしないようにしたいです」と自らに言い聞かせるように話す。
将来の夢はプロ野球。同じショートのソフトバンク・今宮健太を目標に掲げる。
「体が小さいんで、大学で体作りもしないといけない」と4年後にプロ入りの夢を叶えるため、身長173センチ、体重73キロの肉体を改造する計画も明かした。
教え子たちの訪問は井戸総監督にとっても最高の喜びだろう。
「和空は中学時代は心配も多い選手でしたが、本当に努力家で、よく頑張ったと思います。昨日、負けたばかりなのに来てくれて嬉しいですね」と目尻を下げた。
多感な十代をどんな環境で過ごすかは極めて重要だ。プロ野球を経験した一流首脳陣が揃う関メディ出身の選手が活躍すればするほど、その教えが脚光を浴びるに違いない。
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記事:SPAIA編集部