日本で最も高い位置にある居住地はどこ? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回は「日本で最も高い位置にある居住地」がテーマです。
日本で最も高いのは富士山の山頂で、標高は3,776メートルです。さすがにこれだけ高い場所にある居住地は日本にはありませんが、どこまでの高さであれば人が住んでいる居住地があるのでしょうか。また、海抜0メートルの市区町村はあるのでしょうか。
【画像】現存する1位、長野県宮田村にある宮田高原キャンプからのパノラマスカイツリー3本分の位置に居住区がある?
『東京大学 空間情報科学研究センター』が「日本における居住地の分布と地形との関係」という調査結果を発表しています。
この調査によると、居住地・非居住地の区別なしで平均標高が最も高い位置にある市町村が、山梨県の南アルプス市にある旧芦安村地域で平均標高は1,897メートル。次いで長野県松本市の旧安曇村地域で1,794.7メートル。3番目が長野県宮田村で1,748.5メートルです。
このうち、合併により芦安村と安曇村は市町村の区分から外れているため、3番目の宮田村が現在のところ「最も高い位置にある市町村」といえるでしょう。
また、人が住んでいる「居住区」で見た場合は、長野県松本市の旧安曇村地域(松本市安曇)が最も高く、標高は1,525.7メートル。次いで、同じく長野県南佐久郡にある川上村で1,346.5メートルとなっています。先述のように安曇村は合併によって存在しないため、市区町村で見た場合は川上村が「最も高い位置に居住区がある村」です。
ちなみに、市町村区分の「町」では、群馬県の草津町が最も高い位置に居住区がある町で、平均標高は1,188.9メートル。「市」は長野県諏訪市で居住地の平均標高は974.4メートルとなっています。やはり長野県は全体の平均高度が高いだけあって、存在する市町村も高い場所にあるようです。
ちなみに、標高0メートルの位置に居住地のある市区町村も調べており、東京都墨田区、愛知県津島市、愛知県蟹江町、愛知県弥富市、三重県木曽岬町が該当します(現存する市区町村のみ)。
◇けつろん!
現存する市区町村で最も高い位置にあるのは長野県宮田村ということでした。宮田村は降雪や降雨が少なく風光明媚な村ということで近年注目を集めています。機会があれば、「日本で最も高い位置にある村」を訪れてみてはいかがでしょうか。
◇参考文献
『東京大学 空間情報科学研究センター』
「日本における居住地の分布と地形との関係 -GIS を利用した市区町村単位の検討-」
https://www.csis.u-tokyo.ac.jp/dp/dp68/68.pdf
「各市区町村の居住地における平均標高」
https://www.csis.u-tokyo.ac.jp/dp/dp68/68_1.pdf
文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部
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